さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

気仙沼 夜の一軒目 48

2015年11月01日 | 東北シリーズ



ホテルに戻り、屋上から景色を眺めました。高台にあるので、360度見渡すことが
できます。(なのに特に表示はなく、内部を探検していたら偶然見つけたのですw)

先ほど歩いた鹿折地区が見えます。火の海となったエリアです。左側の山のずっと
向こうに、あの巨大な漁船が打ち上げられたのですぞ。



右手に魚市場。あの上のデッキを歩きましたー。



左にシャークミュージアム。その向こうは津波でほとんど更地になりました。



さてさて、夜の居酒屋タイム。昨夜は復興屋台村だったので、今夜はその少し
向こうまで出動です。虫が明かりに引き寄せられるように、赤提灯へと向かって
ゆく私です。いやあ、実に心のオアシスだ。



入ったらガランとしていました。(人気ないの?)
その名は「九菜や」といいました。「くさいや?」。いえいえ、「くなや」というそうです^^;
ここも津波で天井までやられたようです。何か落ちてこないか?



わりと若いご夫婦が経営されており、スタンダードな居酒屋とはちと趣が違い、
こんなタコ焼きが売りになっておりました。それと日本酒…。

「若者」よりも「おじさん」と呼ばれるようになる年頃の人がひとりカウンターに
座っており、ふたりきりなので話が始まりました。

この人が実によく話す人で、地元の情報通。いや放送局か?
昼間に入った古い喫茶店、「ヴァンガード」の歴史なども聞きました。あそこは
大きなスピーカーでジャズを流しておりましたが、コンサートが開かれたりも
するそうです。ちなみにその話してくれた多弁な人は、バンドをやっているとか。

陸前高田の広大な更地と整地の様子の話になりました。規模がすごいので、
2階建てぐらいの巨大なキャタピラ・トラックが活躍しています。それを観光客に
乗せてやったらいい商売になるのではないかという話で盛り上がる。

この人、休日前は気仙沼の飲み屋を必ず数件回るそうです。情報を収集し、さらに
拡散するという大事な使命があるのかな?これから私が昨夜行った復興屋台に
行くとか。復興支援のプロジェクトで、大学生などが団体で被災地にやってくる
わけですが、その連中は居酒屋に入っても誰一人としてビール一杯飲まないことが
あるとか。

10人も入ると満員になっちゃうから、まいっちゃうんだよお。

でも定食だけ食べているんなら、すぐに出ていくでしょ。

それがず~っと長っ尻でさあ!いつまでも話しているんだよ!
 いや…。復興支援で来てくれているんだから文句は言えないけど…。

私はBRTで横の席に荷物を置いて、ばーさんを立たしている連中を思い出した
のでした。

それにしても、居酒屋に来ているんだから、酒飲めよなあ~。

うんうん。なんて相づちをうったりしていたのですが、そのあとで、いつの間にか
後ろの暗がりにひとりで座っていた女性が小さな声で注文をした。

すみません。ニラ玉と、おひやください。。。

こっちの会話、聞こえてたよね!? 若い女性がひとりで居酒屋に入ってきて、
水にニラ玉ですか???ここに入りたくて並んでいる人なんかいないから
別に何も悪くはないんですが…^^;

じゃ、復興屋台に先に行ってるから!と言い残して、話しまくった男は去って
いきました。



〆にこちらのお勧め、「ぶっかけサンマ汁」を頂きました。サンマの出し汁を
ご飯にかけて頂くのです。悪くなかったよ^^ 暗がりでひとりニラ玉を
食べている女性も、せっかくだからこういうのを食べればいいのになあ。

さて次の店へ、とお会計のとき、ママさんが「先ほどの人につかまると、長い
ですよ…」とご忠告を頂きました(^益^;