Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 61(色絵唐草文五寸皿)

2020-05-15 18:04:23 | 古伊万里
 長く伊万里を収集していると、掘り出し物ではないものの、値段のわりにまともな品に出会うことがあります
今回の品は1200円で買えた品なんですが、購入してから調べたらそこそこ時代のあることが判った品です。
「色絵唐草文五寸皿」

黄色の地に青、緑、赤、紫で唐草文が描かれています
明らかに清朝磁器の影響を感じさせる絵付けで、柴コレの図録で調べると、天明あたり時代に類品が登場します
(6-423、5-311等)

輪郭が白抜きされた縁文様については、4-386あたりが似ているでしょうか


間違いなく中期末の特徴的な様式の品で、1200円はお得だったように思います。

落款は「嵐」に似た文字で、倉石梓氏の「古伊万里染付図譜」によると、この落款は十八世紀後半~十九世紀に使われ
樋口窯、南川原窯、稗古場窯から陶片が出土しているようです。

中期末ということで、特に時代がある訳ではありませんが、意外に見かけないタイプの品ように感じます。

酒田をちょっと散歩 23

2020-05-12 23:20:27 | 散歩
酒田でも今週に入り営業を自粛していた店舗が動き始めていますが、自粛ムードが無くなるには時間がかかりそうです。

さて、散歩シリーズですが、前回は「松林銘」を紹介しましたが、今回もその界隈の一部を紹介します

この画像を見ると判りますが、「松林銘」は小高い丘の上にあり、この丘を下りて北へ進むと、明治維新の酒田を物語る碑があります

郷土史に詳しい人なら普通に知っているのかも知れませんが、庄内戊辰戦争について記されています
こういった事実は後世へ語り継ぐべきものなのは確かです。
この場所から東の方へ目をやると、なにやら雰囲気の良い建物があります

はて、この建物は?、と思うと、実は以前にも紹介した「光丘神社」(酒田に砂防林をもたらした、本間光丘を祭祀している)だったりします。
↓が表から見たところですが、個人的には裏側からの姿に魅力を感じています。

神社ですので、当然のように狛犬がありますが、いつ頃のものかは判りませんが、なかなかワイルドな狛犬です


光丘神社の階段を下りていくと、これも以前にも紹介した、「阿部法律事務所」の建物があります
今回は恐る恐る近づいて、近くから撮影してきました。

そのままドラマの撮影が出来そうな建物ですが、いつ頃建てられたのかは判りません
どなたか情報をお持ちであれば、教えていただけると助かります。
なんとかこのまま保存して欲しい建造物であることは確かです。

回想の古伊万里 60(色絵桐に鳳凰文六寸皿)

2020-05-10 21:31:47 | 古伊万里
 回想の古伊万里シリーズも60回目でありまして、在庫の半分あたりまで来たことになります
今後はつまらない品が多数登場する予定ではありますが、とりあえず最後まで行ければというところでしょうか。

さて、今回の品は、前回に引き続き鳳凰の描かれた中期の伊万里を紹介します
「色絵桐に鳳凰文六寸皿」


染付と色絵を併用したいわゆる「染錦手」の品で、見込み上部に鳳凰を描き、下には二つの桐文
そして中央には鳳凰文と組み合わせはあまり見ない宝珠が描かれています。
桐と鳳凰の組み合わせは定番というか、鳳凰は桐の木に巣を作り繁栄するという故事からきていますので
極めて一般的な組み合わせですが、このようなデザインの品は多くはないのかもしれません。


柴コレの図録で調べると、鳳凰文は初期伊万里から登場し、相当な数の品が収録されていますので
とても人気のある文様であったことが想像されます。


裏面を見ると、典型的な元禄色絵に見られる裏文様になっていますが、全体的な印象からは
若干時代の下がった享保あたりの品かも知れません。
桐文も鳳凰文も個人的には好きなので、値段が安かった割にはいい感じの品だと思っています。



鳥海山

2020-05-08 21:53:37 | 散歩
出羽富士と呼ばれる鳥海山は酒田市内のどこからでも見えますので、酒田市民にとって「山」と言えば鳥海山を思い浮かべます
今日はとても良い天気だったので、数カ所から見える鳥海山の画像を紹介します。(ちなみに腕は最低、カメラはコンパクトデジカメです)

まずは日和山公園近くの陸橋から

この陸橋からは、東の方に月山が見えます

続いては郊外の水田地帯から

田植えは未だですが、水田に張られた水が風で波立っていますね
次の画像はドライブレコーダーの動画から切り出しています
酒田市郊外の旧八幡町近くから見た鳥海山です


当然ですが、北へ向かうほど鳥海山の雄大さが増してきますね。

回想の古伊万里 59(染付花唐草に鳳凰文六寸皿)

2020-05-05 21:42:02 | 古伊万里
元禄あたりまでの伊万里と、それ以降の伊万里では相場という面で差があるのは確かのようで、18世紀中頃までの品を業者さんは
特に大きな時代的特徴を持たない品については、「元禄染付」として扱っていることが多いように感じます。
今回の品もそんな、「元禄染付」として売られていた品です。
「染付花唐草に鳳凰文六寸皿」

二種類の文様、「花唐草」と「鳳凰」が描かれています
正直なところ中期伊万里では、「花唐草」も「鳳凰」も珍しい文様ではありません、しかし、この二つの文様の組み合わせは
意外に珍しいのではないか?、そんな思いで購入に踏み切ったように記憶しています。
鳳凰文は伊万里は一般的に多く見られるデザインで、特に特徴はありませんし、時代なりの描き方ではあります

さて、花唐草文なんですが、これは何やらハートのような形になっており、これはちょっと変わっていますね。


この品、表だけ見れば「元禄染付」でもOKな気がしますが、裏面を見るともう少し時代が下がることが判ります

裏面の唐草だけで時代を判定するのは問題ありですが、明らかに元禄期の品のような丁寧さはありません
良くて享保あたりか?、というのがまともなところだとは思いますが、ちょっと特徴的な文様の構成の品ではあります。