Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 24 染付鳥文七寸皿

2019-11-06 23:10:59 | 古伊万里
 江戸期の品だけを「古伊万里」として分類しても、実際のところ250年ほどの歴史がありますので
古伊万里のバイブルともいえる「柴コレ」の図録に掲載されている品にしても全体から見ればごく一部なのは確かです。
そんなこともあって、時々変った絵付けの品を見つけると、「おおっ!」と思うことになります
今回の品も、いわゆる「名品」や「優品」といったタイプの品とは違った魅力を感じて購入した品です。


なにやら木の実をついばむ妙にユーモラスな鳥が描かれています。しかも、木の実と葉はともかく
木の幹の部分だけ見るととても樹木とは思えず、どちらかというと太湖石のような描き方になっています。
初期伊万里の鳥文については、かの有名な「ペンギン皿」のように鳥だか何だかわからないような姿で描かれているケースもありますが
この品の鳥さんは妙にマンガチックな感じが特徴的です。

さて、この品はどのあたりの時代の品か?、答えは裏面にあります


柴コレや他の図録で見ると、このタイプの裏文様は正保~寛文期に登場しています
寛文のわりと早い時期の品という想像はできますが、似たような絵付けの品も見たことがないので
正直なところ、もしかすると単に絵が下手ウマなだけで、もう少し後の時代の可能性も否定できません。

この皿、もしこのユーモラスな鳥さんが描かれていなかった魅力が半減するように思います
以前にHPでこの品を掲載した時に大先輩でワタシと同年代の女性のコレクターさんに
「ディズニーアニメに出てくる鳥のようだ」というコメントを頂きましたが、妙に納得した記憶があります。


回想の古伊万里 23(色絵大聖寺七寸皿)

2019-11-02 23:25:28 | 古伊万里
 「古伊万里」のカテゴリーで書いていますが、今回の品は伊万里ではなく、「大聖寺」です
遅生さんのところで大聖寺伊万里の豪華な8枚組が紹介されていたので、「よっしゃ!、大聖寺を掲載するにはこのタイミングしかない」
という訳で登場することと相成りました。



いわゆる「元禄写し」でありまして、下の画像で判るように「花銘」まで写してあります



この品、買った時は無傷だったんですが、「大聖寺」ということで雑に扱った結果、一箇所ホツを作ってしまったという
まったくもって不幸な運命を辿ってしまいました。(すまんことで・・・)

さて、この品ですが元禄時代に焼成された本歌が存在しておりまして、その品は小木先生の
「新集成伊万里」の257頁に「松竹梅菊花文皿」として掲載されています。



なかなか上手に作られた写し物ですが、本歌は直径が24cmの八寸皿であり、ウチの大聖寺よりひと回り大きく
さらに、見込み周囲の染付の部分の発色があからさまに違っています。
全体に本歌の持つ品の良さが感じられないような気もしますが、ホツは自分で直して普段使いという道を辿りそうです。
(しかしワタシは不器用なので道は険しそうですな・・・)