Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 28(色絵椿文五寸皿)

2019-11-24 20:33:41 | 古伊万里
近年は古伊万里全体の相場が下落したこともあり、名品や優品を除く色絵古九谷の値段も随分と安くなりましたが
そうは言っても、貧乏な田舎のサラリーマンにとって色絵古九谷が高嶺の花であることは変っていません。
そんな訳で、今から十数年前に入手した色絵古九谷を紹介します

「色絵椿文五寸皿」です


色絵といっても使われているのは古九谷らしい渋い赤だけという、実に簡素な絵付けの品です
椿の花と縁の圏線だけを赤で絵付けし、枝葉は染付、そして縁の部分の唐草も染付です
華やかな五彩手などとは対極にある渋い色絵の品ですが、なにか侘び寂びのようなものすら感じます。



裏面はこの時代の一般的なものですが、一点、落款が正保期の上手の品に見られる「誉」であることが
この品の存在価値を多少高めているようにも思われます。
↓は「誉銘」の部分のアップですが、当時の陶工は手本を見ながら書いたんでありましょうか?



古九谷様式には、「吹坂手」や「金銀彩」といった渋めの品もありますが、この品も「渋い色絵」かも知れません。