Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 30(窓絵に桔梗文五寸皿)

2019-12-04 21:00:24 | 古伊万里
 某女優の騒動で放送開始が遅れることになった2020年の大河ドラマですが、明智光秀が主人公ということで
さて、ウチに明智光秀の家紋である「桔梗」が描かれた古伊万里があったかいな?、と探したら
もしかすると「桔梗」かも知れない花が描かれたお皿がありました。



古伊万里における品物の名前は個人の見解ですので、ま~微妙なものはあるんですが
業者さんはこの品を「染付窓絵に桔梗唐草文五寸皿」と命名していました。
寛文期の藍九谷と思われる品で、四方にハート形を配し、その中に桔梗(?)と思われる花を描き
さらに、四つのハート型の間には蛸唐草の原型のような文様を描いてバランスを取っています。



寛文期の品らしい大胆なデザインの品ですが、デザイン上大きなポイントとなっているのが
四つあるハート形のうち二つを薄濃みで塗りつぶしている点で、これが大きな効果を生んでいるように感じます。
時代を考えると、このハート形は如意頭かなにかをデザインしたものかも知れませんが
350年も前の品としてはモダンなデザインであるようには思います。



裏文様も寛文~延宝期に見られる繊細さがみてとれますね。


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4 コメント

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Unknown (遅生)
2019-12-05 07:09:02
先日の瑠璃皿もそうでしたが、ダミの濃淡が効果的ですね。
桔梗はデザイン化されると、正五角形になることが多いのですが、この皿の花は、五枚のうちの一枚を大きく描いていて、リアルです。
それから、Dr. Kさんの吸坂手の名品もそうですが、こんなに早い時期から蛸唐草様のデザインが描かれているのには驚きました。
いろいろ、見所の多い皿ですね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2019-12-05 20:59:53
このあたりの時代の品は様式化される以前の自由さがいいんですよね~
当時の陶工さんはデザインなんていう意識はなかったと思いますが、何がしかにヒントを得て自分なり絵付けしたんでありましょうか
蛸唐草は元禄あたりから伊万里を代表する連続文様になったように感じますが
それ以前の時代にも連続しない形で似たような文様が登場するようです。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-12-05 22:13:27
染付で桔梗紋を描きますと、まさに、水色桔梗で、明智光秀の水色桔梗紋になりますね(^-^;

実にモダンで、現代的なデザインですよね。
当時、デザイナーというような職業はなかったんでしょうけれど、陶工は、どの様な文様を描けば売れるのかと、一生懸命考えたんでしょうね。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2019-12-06 20:16:49
桔梗文といえば遅生さんも書いておられるように、正五角形のきちっとした形の場合がほとんどですので
このような形で文様化しているのは珍しいのかも知れません。(もしかして桔梗ではなかったりして・・・)
寛文期の伊万里のデザインの自由さは別格ですが、陶工さんがいろいろと工夫した結果なんでしょうね。
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