Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

誰も知らなかったジャイアント馬場

2021-02-26 08:56:42 | 日記
最近はあまり本は読んでいなかったんですが、久々に素晴らしい本に出合ったので、とりあえず紹介しておきます。

「誰も知らなかったジャイアント馬場」
つい最近出版された、ジャイアント馬場についての評伝です
力道山時代のプロレスを知らない私の世代にとって、小学生時代のヒーローはジャイアント馬場であり、アントニオ猪木でした。
馬場派と猪木派がいたのは当然ですが、私の場合は間違いなくジャイアント馬場派であったのは確かです。
そんなこともあって、後年になって出版された馬場さん関連の書籍は何冊か持っているんですが、その多くはプロレスラーとしての馬場さんの
生涯について書かれたものです。
本作でも前半は良く知られている事実について書かれていますが、中盤あたりから
他の書籍では発表されていない、アメリカ修業時代力道山へ送った書簡が掲載されていおり
さらに後半には、未発表だった元子夫人との書簡集を中心として、馬場さんと元子夫人との「誰も知らなかった」、二人の葛藤が描かれています。
元子夫人は明石の資産家の三女で、父親が巨人軍の後援をしていた関係で、入団したばかりの馬場さんが、彼女の家へ招かれたのが最初の出会いというのは
よく書かれている事実ですが
その後の成り行きについては、今まで語られなかった部分であり、今回はその部分にスポットを当てて、「人間ジャイアント馬場」の素顔が描かれています。
野球選手として挫折、プロレス入門、アメリカ修業、力道山の死、帰国して日本プロレスの看板選手へ、さらに日本プロレスの崩壊、全日本プロレスの立ち上げ・・・
この否応のない変化の中で、馬場さんと元子夫人との結婚に至るまでの紆余曲折、それがありありと判る書簡集は、涙なしでは読めないものがあります。
資産家である元子夫人の父母にとって、馬場さんの人柄を評価しつつも、「プロレスなどという危険な商売」をしている
しかも並外れた体格の男と愛情を注いだ娘との結婚はありえないことだったようです。
馬場さんと元子夫人の結婚にいたる紆余曲折はこの本のハイライトですので、あえて書きませんが
あらためてジャイアント馬場の人柄の素晴らしさに触れた思いのする本でした。