前回に引き続き、鳥文様の古伊万里を紹介します。
古伊万里における鳥と言えば、鷺文などは数も多く人気が高く、さらには柿右衛門様式の鶉などは名品として名高い品があります。他にも鶴やら鷹やら、雀、千鳥、鳳凰等、色々な鳥が登場します。
そんな中、今回の品は自信はないものの、たぶん孔雀と思われる鳥が描かれた小皿です。
「染付孔雀文五寸皿」
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恐らくは寛文期の作で、縁の立ったいわゆる独楽形の小皿です
この時代でこういった感じの描き方をする鳥と言えば、やはり鷺か鶴というのが普通だと思われますが、頭部のの感じ、さらには羽根の描き方が鷺文や鶴文とは異なるように思われることから、扱っていた業者さんは、「孔雀文」としていました。しかし、足を見るとどう見ても鶴なんですよね~・・・、孔雀は雉の仲間なんでこんな足はしていません。
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まっすぐ立った高台としっかりとした成形、落款もいかにも藍九谷といった感じでしょうか。正保~寛文期の品でこのような器形の品は比較的少ないように感じますが、実際のところは判りません。
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側面の文様はいたって簡素で、こういった簡素な裏文様はこの時代の小皿に良く見られるように思います。
ところで、柴コレの図録で調べると、孔雀文は全部で4種類しか掲載されておらず、そのうち3品は正保期の古九谷の優品です。あと1品は19世紀の品ですので、孔雀文が鷺や鶴のように多く登場いないのは、やはり日常的に見ることのできる鳥ではなかったからなんでありましょうか。