Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 88(平佐焼色絵山水文五寸皿)

2020-11-02 23:04:17 | 古伊万里
古伊万里を収集し始め、少しづつ勉強するものの、そんなに簡単に見分けられるはずもなく
ワタシの場合、とりあえず業者さんの言うことを信用して購入する時期は結構長かったように思います。
今回の品もそんな時代(今から15年くらい前)に購入した品です。
「平佐焼色絵山水文五寸皿」


平佐焼なのになんで伊万里やねん!、とツッコミが入りそうですが、この品は芦屋の有名な業者さんが扱っていた品で
「仁清手伊万里」として売られていた品です。
伊万里の研究書や図録に古九谷の時代(江戸前期)の品として、「仁清手」という一群が登場しますが
正直なところ、現物を見る機会には恵まれないように思います。


確かに、地紋の感じや金銀彩に一部赤を使った絵付けなどは古九谷金銀彩と似た特徴を有していますが
決定的に違うのは緑の釉薬で、伊万里では江戸後期あたりに登場する中間色の緑(ペパーミントグリーンとでもいうか)に近い発色をしています。


裏面を見ると、高台周りにはこの中間色の緑で絵付けがされており、土の感じは伊万里に近いようには思います
では、なぜこの品が伊万里ではなく鹿児島県の平佐焼だと思うようになったか、それはこれと同じ文様の角皿が
明治期の平佐焼としてヤフオクに出品されたのを見かけたのと、コチラの博多にある大手業者さんのHPで同じ文様の品を発見したからです。
(ずっと下の方にありますので、スクロールして見てください)

この品がいつの時代の品であるかは判りませんが、少なくとも平佐焼であることだけは間違いなさそうです
ついでながら、この品は昨年も「仁清手古伊万里」としてヤフオクに出品されたようで、コチラで確認できます。