Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 89(色絵柿右衛門小皿)

2020-11-06 20:19:02 | 古伊万里
 古伊万里を収集するようになった頃、色絵柿右衛門は図録や美術館で見るもので
自分のような貧乏サラリーマンが手にできる品だとは全く考えていなかったように思います。
とは言え、柿右衛門様式といっても千差万別でありまして、濁し手の鉢やヨーロッパのお城にあるような名品から
柿右衛門様式の末期の染錦手の小皿まである訳で、いつかは柿右衛門という思いの中で、なんとか入手できたのが今回の小皿です。


11cm程の小皿ですが、余白、草花文の構図、色使いに関しては典型的な柿右衛門ですが、圏線については染付で描かれており
染付を併用した「染錦手」というカテゴリーに属するタイプの柿右衛門様式であると言えます。


濁し手ではなく染付の生地を使っていますので、全体に青白い典型的な伊万里の土であり、手取りも小皿の割には重く
柿右衛門様式として決して良い品とは言えません。とは言え、今から十数年前、ワタシが初めて購入した柿右衛門様式の品でありまして
何と言ってもワタシでも買える値段の柿右衛門であった、これが購入した最大の理由だったように思います。


裏面も四方に花びらを散らしただけのあっさりしたもので、この部分だけ見れば、柿右衛門様式とは言えない品かも知れません。
その後いくつか柿右衛門様式を入手することができましたが(たいした品はない)、この品が一番思い出深い品ではあります。