ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

ウアン! ウアン! =太る 太る!

2010年09月20日 18時11分09秒 | 日記
体が重ーい。

任地に来て1ヶ月以上、夕方からは家を出ず、
近所に何があるか分かっているようでわかってなく、
こんなにいろんな店があるとも知らず。

タイ料理、タイお菓子、カオニャオ(もち米)、ガイヤーン(鳥のあぶり焼き)
こんなにおいしいものが近所にたくさんあると知ってから
食の暴走が…

朝からカオニャオ(もち米)を食べ過ぎてしまった日。
これじゃいけない。この満腹感のままお昼を食べてはいけない、と
一番の楽しみの給食(食堂でみんなで食べる)を今日は抜こうと覚悟。
お昼時になると声がかかります。

「さちえ、パイキンカーオ!」=ご飯食べに行くよ

「あんまりお腹がすいてないので、今日はいきません。」

「まあ、そうなの。」

それでも、何人も
「さちえ、パイキンカーオ!」=ご飯食べにいくよ~!
と声をかけてくれます。
修行のようにじっと自分の机にいると、一人の女の先生が現れて

「さちえ、今日はソムタム(パパイヤサラダ)なの。
 ソムタム好きでしょう? 早く来ないとなくなっちゃうからって
 食堂から電話がかかってるの。
 だから、行ってきなさい。」

うわーん! やさしい!

そのやさしさがうれしくて、ちょっとだけ食べようと思って食堂へ。
本当にお腹がすいてないんです。

食堂に行ったら、おお来た来た、やっと来たぞという感じで
私用のソムタムを出し、ガイヤーンを出し、カオニャオを出し
さあ、食べなさい、残しちゃだめ、全部食べなさい、と
食堂のおばちゃんが目の前に座って食べさせてくれます。

食べないという選択権はなーい!

  カオニャオ(もち米) 竹のかごに入っています。
   

  手で小さく にぎにぎして食べます。 手で食べるのが本場のマナー。


  ソムタム(パパイヤサラダ) タイ料理代表格。 
          すでに私もやみつきです。 にぎにぎしたカオニャオと食べるとまたおいしい。
    


「アロイ、アロイマーック =おいしい、とってもおいしい!
 テー ウアンクン… =でも、太っちゃいます…」
と悲しげに言うと、
皆さんきゃあきゃあ笑って
「もっと食べて太りなさい、太ったらきれいじゃないの!」

って、太ったほうがいいんだ…
私が食べないと電話で呼び出すし、食べると嬉しそうだし、
食べまいと思うと少々複雑だけど、みなさんの優しさはすごくうれしい。

一番ほっとする時間は、お昼の食堂。
食堂のおばちゃんたちも大好きだし、「おいしい」の言葉ですべて通じ合えるから。


  
                             ごめんなさい、目閉じてるとこ写しちゃって。

 体重増加、4キロ。 増えてる、増えてる! いかーん!


声出して行こう!

2010年09月20日 00時06分56秒 | 日記
先輩隊員の活動を見てから、明らかな変化がある。
すごく引き気味だった自分が、少しだけ前のめりになれている。

翌日から、急に留め金がとれたように、
「ゲンジャンルーイ!」(とても上手ねぇ!)
「ゲンマーック!」(すごく上手!)
「スースー!」(がんばって!)
「イアム マーック!」(Very Good!)
これらの 簡単なタイ語を連発している。

そうすると、子供もわずかに反応するし、親がクルー(先生)として見てくれはじめた気がする。
これまで、間違ったらどうしよう、通じなかったらどうしようと尻込みして
ずっと押し黙ってきたけれど、
ああ、こういう簡単な言葉でいいんだな、と赴任して2ヶ月たった今思う。

声を出せば出すほど、前のめりになればなるほど、
子どもたちのと距離が近づくのも感じる。
お客さんでいられる時期はもう終わりつつあると思っていただけに、
この近づき感がうれしい。
自分が近づくかどうか、 距離は自分次第なんだと改めて思う。


午後の個別学習の時間。
私がいつも行く教室に、誰も生徒がいなかったので、別の教室に行ってみることにした。
知的障害クラスで個別学習をやっているの見つけ、入れてもらうことに。
そのまま自然な流れで、親と子どもと一緒にやることに。


男の子がやっていたのはシール貼り。
リンゴの絵の枠に、赤いシールを貼っていくというもの。
色の識別、シールをはがすときの手指の使い方、集中力をのばす作業だと思う。

   

じっと横で見てみる。
単調でつまらないなと、横で見ている私が思うんだから、
ずっとやっているこの子は偉いな、
飽きつつあるのを、お母さんが叱咤激励してなんとか続けている。

今までだったらそれでも、見ていただけ。ひたすら観察に徹していた私だったけど
ふと、入り込みたくなった。


シールを貼るところに、鉛筆で 小さな○
目印を描いてみた。
「ここに貼ってください。」 タイ語で言ってみる。
すると、この子も変化が目新しいらしく、ちょとうきうきとした感じで○印の上に貼る。


シールで丸印が隠れると、次は?次の○は? という気になる。

たかが、○印
だけど、マークの力は大きいんだ。


その偉大な効果のために気をつけないといけないこと、

 ・絶対に、1つしか○印は描かない。
 ・1つ描いて指示を出し、その指示通りに貼れたら、「ゲンマーック!」(とても上手!)
  これは何度でも言う。しつこくてもいい。
 ・確実に1つ終わらせてから次に進む。
 ・急がせない。 ペースを見守る。
 ・指示は短く、一度だけ。作業中(考えているとき)にしつこく声をかけない。

そうしたら、作業に弾みがついてきて、なんだか楽しそう。
その子が顔を上げて、私を見てにっこり。 なんていい笑顔!
その笑顔を確認してから、次の○印をつける。
一つ一つ、絶対に急がずに。


自閉症の子とは、また違うこの少年の活動にたいする取り組み方。
落ち着いていて、ゆっくりだけど、粘り強い。
「チャラー! チャラーッマーックナ!」(かしこいね!とてもかしこいなあ!)
とほめると、お母さんが
「この子は遅いんです。」
「まったく問題ありません。ゆっくりでもこんなに確実にできてます。かしこいです。」
と言うと、お母さんも笑顔。
本当にそう思うから言った。


作業の時間が長すぎると思い、このあたりで最後に向かおうと
「イーッグ ハアアン」(あと5つ)
とカウントダウンに変更。 丸印も数字に。
お母さんも
「ほら、あと5つだってよ!」と一緒にのってくれる。
        ・・・・私も、なにげにタイ語が通じているのがうれしい。

「イーッグ シーアン」(あと4つ)
  


「イーッグ サームアン」(あと3つ)
  


「イーッグ ソーンアン」(あと2つ)
  


「イーッグ ヌンアン」(あと1つ)
  


「スッターイ!!」(最後!!)
  


どんどんにこにこ笑うようになって、最後は満面の笑み。


  満足そう! この顔が見られて幸せ!


この日初対面だったこのお母さんが
「クーサーイ、タイ語がとても上手。何年住んでいるの?」
「実はまだ上手じゃないんです。2ヶ月ちょっとタイにいます。」
ええー とびっくりしていたお母さん。

日常会話になると、まだ全然だけど、今日この子を誘導した言葉しか聞いてない
このお母さんは、私がかなりしゃべれるのだと思ったようです。
指示を短くすると意識しているということもあり、数字とちょっとした短い言葉しかつかってないから。


今日気づいた。
前のめりになって、やってみて気づいた。
子どもに指示を出す短い言葉なら言えるじゃないの。


よっしゃー 声出していこう! 
  って、まるで何かの試合始まる前みたいだけど、まさにこの気持ち。


びびるな ビビるな

 捕りに行くよー  声出して行こう