ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

びっくりしたことを受け入れる

2010年09月03日 22時57分34秒 | 日記

ここで、びっくりしたこと。
決して悪口のつもりはありません。
見たまま、そのままを伝えたいと思います。





【その①】 予定表がない
 あれ?? 午後から 教室に生徒がいなかったり、
 朝は毎朝中庭で先生と生徒で歌うのが日課なんだなと思えば、今日の朝はごみ拾いに行ってたり
 いったい 週のスケジュールはどうなっているんだろう??
 年間のスケジュールは?
 と思い、聞いてみると
 「マイミー!(=ないよ)」
 ええ?? じゃあ、どうしてるの? どうやってわかるの?
 と聞いたら
 「覚えてる」
 だそうです。
 いや、ぜんぜん理解できない。
 私なんて、覚えられるわけないし、
 毎朝、「今日はなにするの? みんないつもの場所にいるよね??」
 と、どきどきしながら教室に行ったり、事務室に行ったり、オロオロ ウロウロです。
 一応、年間の予定表のようなものが大きくホワイトボードに書いて貼ってあるので、
 それを頼りにするかと思ったけど、休みの日が間違ってるのを発見。
 近くにいる人に言ったけど、笑ってるだけ。 気にしてない様子。
 この年間予定表もあてにならない。
 このとおりにしていると、出勤したら誰もいないとか、休みと思ったら仕事の日だったとか
 大きな間違いをしてしまうぞ。きっと。
   急な予定変更の苦手な、自閉症の子は、これで 大丈夫なのだろうか?
 
 






【その②】 危険物放置

ここが教室の一部。
 

床をよく見ると、、、、  これ ホッチキスの芯じゃ・・・
タイでは、みな 室内を裸足で歩きます。
ちょ・・ ちょっと・・・ あぶないんじゃない?
刺さっちゃうじゃないの!!
 

別部屋ではこんものも。 針じゃないの!
 

ゾゾゾ~っ と悪寒が走って、ほうきで せっせと掃除しました。
「あら、クーサーイ(クルーサーイ=さちえ先生) 掃除やらなくていいわよ。
 親がやるから。」
と、お母さん方に言われながらも。
いや、いや、緊急に ここ掃かないと 足の裏に刺さっちゃうって!
と思い、せっせとほうきがけ。
だけど、あせってるのは私ばかりで、
親も先生もあまり気にしてない様子。

先生も、プリント類を止めてあるホッチキスを外したら、床にポイッ 次から次に。
これじゃ、掃除しても一緒かなあ・・・。

勉強に疲れた子が、寝ちゃう時もあります。
ここでは、タイルの床でごろんとするのは、ごく自然なことです。
だけど、ホッチキスの芯が気になる・・・ 落ちてないよね??
  
  かわいい寝顔。 つかれて寝ちゃいました。





【その③】 職場に 誰でも来ている

 みなさん、
 子どもをつれてくる。
 夫を連れてくる。
 けっこう誰でも連れてきています。
 職員なのかな、と思ってあいさつしたら、旦那さんでした。
 どうも、奥さんが妊娠中なので、「手伝ってよ」って感じで 連れてこられたみたい。
 だけど、特に何するわけでもなく、、、、インターネットしたり、おしゃべりしたり、のんびりしてたり・・
   
 すごく のどかな雰囲気。
 次の日もです。
 よく、来るみたいです。
   素朴な疑問、この旦那さんは、いったいなんの仕事をしているんだろう??
 
 




【その④】 放課が早い

 このセンターでは、放課後と言われる時間が早い。
 3時には完全に帰っているし、だいたい 1時以降はちらほらしかいない。
 それも、連休の前は午後全員帰ってしまって、生徒がいないときが多い。
 午後の時間がゆっくりとあるので、先生達は子どもたち一人一人の教材を
 ちゃんと作れます。
 それには、感心。
 毎日、今日来た子どもの次の日の課題を午後の時間を使って準備です。

 一人ずつの、宿題をパソコンでプリントアウトする先生。
 

 今週なんて、月曜日から金曜日まで一週間、午後は生徒を帰して先生達は事務処理です。
 一人一人の教育計画をチェックしたり、必要書類をそろえたり、
 教材も作っている様子。
 今週一週間かけて、午後はずっとその時間です。
 どうりで、このセンターは、教材が充実している!

 日本では、授業の準備や教材を作るのは、5時からの仕事でした。
 部活動の顧問をしている先生なんて、6時半や7時からが明日の準備のスタートです。
 これじゃ、授業へ力を入れられないよ・・・
 日本の学校は、忙しすぎて、教材研究したり、授業準備する暇が全く用意されてないと言っていい。
 日本の教師は時間に追われ、毎日、切羽詰まっている。
 子どもの話をゆっくり聞く時間もない。 
 普通学級を受け持った時、特に思った。 
 時間に追われ、雑務に追われ、次々おこる問題や対応に追われ
 本当にやらなくてはいけない授業研究と、生徒への関わりが後回しになる毎日で
 自分も命を削って仕事をしてるように思った。
 寿命は確実に縮んだ、と思うほど、日々 時間との戦いだった。
 先生達はみんな疲れていると思う。

 このゆとり、日本にもどうにかならものなのかな。
 時間のゆとりは、気持ちのゆとりで、子ども一人一人をよく見るために、
 教師になくてはならないものだ思う。

 



【その⑤】  なんでもそこらに放置

 タイ人は片付けがあまり上手じゃないみたい。
 先生の部屋はこうやって 物がたくさんあって、この辺はタイ人気質な気がします。
 ウィキ先生もそうだったし、いろんなタイ人宅を外から見ていても
 庭の感じとか、雑然としています。
  

 それに、ポイ捨ては当たり前。
 市場で、果物を味見させてもらったら、その皮は、「その辺に捨てて」と言われる。
 市場は、足下に、果物の皮や、焼き鳥の串、食べ物のかすがいっぱい。
 だけど、それを食べて生きる昆虫や、犬 猫。
 それを分かってて、その辺に捨ててるってのもあるみたい。
 日本では 悪とされる「ポイ捨て」 だけど、 捨てているのではなく、
 必要な生き物にハイと 渡しているのかもしれない。
 そうかー 無駄はないんだ。

 以前、中国に行ったとき、その辺になんでも捨てちゃうのを見てびっくりしたけど、
 タイも同じく。
 窓から、食べ残しを投げ捨てるも、当たり前の風景です。
 実は、アジアの多くはそうだと思う。 
 日本にいると分からないけど、そんなものなんだな。
 悪でも何でもない、ただの 循環。 ふーむ、なるほどです。

 だけど、食べものに関しては循環するけど、タイヤが転がっていたり
 私のセンターでも、窓際に プラスチックのコップが転がっていたり
 ベランダに扇風機の羽根が転がっていたり、
 何でも 転がっているのは、 これから先、どうなるんだろう?

 
  あれ? ビニールに入ったごはん。 ここになぜ?







【その⑥】 保護者がいても、授業中でも関係なし。

 好きなときに フルーツを食べ、電話に出る。
 子どもに教えながら、「ドリアン食べる?」とドリアンを取り出す先生。
 親も見てるけど、別に びっくりもしてない。








【その⑦】壊れたまんま

 教室から見える、中庭。
 ここで子どもたちが遊びます。
 子どもには当然大人気のブランコもあります。
    

 よく見ると、ブランコを支える片脚は 壊れていて 立てかけてあるだけの状態。
  

 あ・・・ あぶないんじゃ???

 私の部屋の水道も、水が横に飛んできます。
 壊れてるんだけど、それも そのまま。

 外国に行くと、看板の文字の1つがおっこちていてもそのままとか
 間違った文字でもそのままとか、よく見る光景です。
 タイでも、壊れても、 そのままのものが とても多い。


 危険への認識って、低いです。
 車のとばしすぎ、車間距離のなさ、ノーヘルバイクなど、外国ではコレもよく見るもので、
 それらにも、危険認識の甘さが表れてると思います。

 教室で言うなら、たとえばコレ。
 このコード。
 私も何度足を引っかけて つんのめったことか。

    

 白いテーブルは、生徒の学習するときのものです。
 こんな場所で勉強??
 私だったら、このコードで遊んじゃうな。
 そして、歩いて転んじゃうな。

 
 ベランダに長いこと放置されている、この扇風機の羽根、風で飛んで下にいる人の頭に落ちたりしたら、大変なことになると思うんだけどなあ・・




このセンターはかなりの設備を整えています。
日本と比較しても、すごいと思うことが多々あります。
だけど、それでも、環境設備(職員次第でどうにでも改善できるもの)に
問題がある気がしてなりません。

だけど、これら、すべてお国柄もあります。
 国の気質だったり、文化からくるものだったり。
今の私の疑問は疑問として、大事なもの。
だから大切にもっておいて、
よく様子を見てから、言った方がいいと判断したことは言う、伝える。
介入するべきではないと判断したことは、そっとしておく。

判断が難しい今は、ただ、様子を見ることにします。

自国のものを否定されることは、とてもいやなことだから。
まずは、すべてそのまま受け入れる努力をしてみます。


教材の豊富さ、ゆとり、人同士のあたたかさ、明るさ、
ほかにも、いいところがたくさんで、いいところの方が多いのは今の時点ですでに分かってます。




おまけ
【プチびっくり】

 パソコンの普及率は、このセンターにおいてはすごく高いです。
 みんな、自分のノートパソコンをもっています。
 タイに来る前に、「任国にパソコンを持っていったら、現地の人から
 ちょうだいって言われることがあるから、JICAのステッカーを貼って
 おいたらいいよ。これは、JICAのパソコンだから、あげられない。って言えるから。」
 なーんて言われてたのに、タイほどの大国になると、違います。
 それで、驚いたのが、デスクトップの画像。
 ほとんどの人が、自分の写真をデスクトップ画像にしていること。
 そして、「これ、いいっでしょ。」と嬉しそうに見せてくれます。

 日本では、自分の写真をデスクトップにするっちょっと恥ずかしいかな、あんまりないかもだけど、
 ここでは、一人かっこよく、まるでモデルのように気取った気に入りの
 1枚をデスクトップにしています。
 携帯の待ち受け画面も同じく。
 最初は、見ちゃいけないものを見ちゃったと思ってしまいました。

 かっこいいだろ? あたし、いけてるでしょ?って感じで、タイ人の皆さんの
 素直さ、ストレートさがかわいい。 かわいくて 笑っちゃう。