昨日載せた萩の隣に、紫の花が咲いていた。
薩摩にきてからよく見かけるので、名を知りたくて車から降りた主婦に聞くと、ジュランタと答えた。歳時記にも載っていなかった。画像は12日、鹿児島市谷山中央で写す。
風は秋知らぬ蕾を慈しむ 豊 水
どんな花になるか、という楽しみ。
昨日載せた萩の隣に、紫の花が咲いていた。
薩摩にきてからよく見かけるので、名を知りたくて車から降りた主婦に聞くと、ジュランタと答えた。歳時記にも載っていなかった。画像は12日、鹿児島市谷山中央で写す。
風は秋知らぬ蕾を慈しむ 豊 水
どんな花になるか、という楽しみ。
民家の門のなかに萩が咲いていた。
気がつくと、門のそとに車が停まっていたが、撮影が邪魔で門のなかに入れないのだった。画像は12日、鹿児島市谷山中央で写す。
萩もはや色なる波ぞ夕祓ひ 一 茶
谷山の萩は大波だった。
民家の玄関脇に、黒くて柔らかそうなものが置いてあった。黒猫が寝ているのだった。
画像は9日、鹿児島市谷山中央で写す。
緑蔭に黒猫の目のかつと金 茅 舎
カメラのシャッターを鳴らすと同時に、黒猫は耳をそばだて、目を見開いた。
早朝、老人が子守をしながら散歩していた。画像は10日、鹿児島市谷山中央で写す。
見えてゐる海まで散歩風薫る 汀 子
数十年前までは、老人が散歩していたあたりは海辺だったそうで、いまも地区の漁業組合事務所が残っている。
道を歩いていると視線を感じたので、見まわすと、石垣と生垣の隙間から犬がこちらを見つめていた。
画像は9日、鹿児島市谷山中央で写す。
カメラをむけると、犬は顔の向きをいろいろと変えた。
犬らしくせよと枯野に犬放つ みづえ
犬らしくないとは、嗜好が飼主に似ているのだろうか。
峠では秋果が食べごろを迎えていた。画像は7日、鹿児島市と日置市の境あたりで写す。
柿
無医村の長寿ばかりや柿日和 里風子
峠もそのような感じだった。「柿が赤くなると医者が青くなる」の諺は、その通りなのであろう。
栗
栗踏まれ山栗童子産まれけり 栄 子
詩的に表現されているのだろうが、山路を辿っていると毬栗落ちていたので、手で剥くのは棘に刺されて痛いので、右足左足と交互に踏みつけて、実をとり出したのだと思う。
句碑に縁のある日だった。画像は3日、鹿児島市東谷山で写す。
目抜き通り
目抜き通りの角にいくつかの句碑が建っていた。作者敏郎は俳誌「若葉」を主宰したと伝えられている。
住宅街
住宅街の一枚の石碑に、多くの俳句が刻まれていた。碑文によると作者は「若葉」の関係者だった。
庭
民家の庭にも句碑が建っていた。写真を撮っていると婦人が現れたので訊ねると、作者は「若葉」の同人らしかった。
句碑の文字色なき風に瞬ける 晴 生
「色なき風」は歳時記の秋の部に載っている。歌碑の文字は流暢過ぎて読めないケースが多いが、東谷山の句碑は読みやすかった。
夫婦が野良仕事をしていた。秋耕がはじまったようだ。
画像は3日、鹿児島市大脇原で写した。
秋耕のねんごろなるにたづね寄り 汀 女
薩摩では地元のひとに道を訊ねると、ねんごろ過ぎるくらい、ねんごろに教えてくれる。
丈は十分に伸びているのに、穂が出ておらず、実もついていない玉蜀黍畑があった。さらに伸びてから実が生るのだろうと考え、薩摩らしさに合点しながら帰宅して調べてみると、砂糖黍畑を見まちがえたようだった。
画像は3日、鹿児島市大脇原で写す。
砂糖黍かじりし頃の童女髪 久 女
作者は鹿児島に生まれ、幼少時に沖縄、台湾に移り住んだといわれている。
民家の石垣の上に、美髯を蓄えた大きな猫が鎮座していた。
画像は8月30日、鹿児島市谷山中央で写す。
両方に髭がある也猫の恋 来 山
猫の画像をながめているうちに、髯のなかの小さな紅色がリボンにみえてきた。雌猫の証しだろうか。