磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ウォルター・リップマン-正義と報道の自由のために-

2009年01月13日 | 読書日記など
ウォルター・リップマン-正義と報道の自由のために-』
   ジョン・ラスキン(著)/
     鈴木忠雄(訳)/人間の科学社1980年

第一次大戦のころから、ウソをついてきた伝統があるという……。



第一次大戦でも、だまし続けたという……。下「」引用。

「第一次大戦の間、信頼できる情報がないところにもってきて、ニュースそのものが潤色されており、しかも、それが当然だといったふうだった。戦争が終わってから、特派員たち自身が、自分たちは当局に、だまされていたし、そして、読者たちをだまし続けてきたことを認めている。こうした点において、歴史家のジョセフ・J・マシューズは『戦争時の報道』という著書の中で、次のように書いている。「第一次大戦のときから始まったニュース報道のかたちは、その後、いたる所から厳しい批判を浴びたし、激しい非難を受けた。その批判、非難は、異常なほどであった。……それが、第二次大戦のときでも、当局の情報提供、特派員の報道姿勢は、前の大戦のときと、まったく変わっていなかった」。マシューズが、ここで皮肉めいて言っていることは、第二次大戦の始まった一九四一年の時点で、人々は、すでに、当局の検閲制、宣伝方法にすっかり馴らされ、戦争だから仕方がないだろうと考えるようになった--というわけである。」

「「ニューヨーク・タイムズ」の迷妄」というタイトルがあり……。下「」引用。

「こうした作為的な記事の作り方は、リップマンやチャールズ・マーツの関心をとらえるようになり、同じ一九二○年八月四日の「ニュース解説」で、この問題を追求した。「ニューヨーク・タイムズ」がやった方法は、たとえ読者を良い方向に導こうと事態の急変を敏速に伝えようとも、読者を欺瞞するものに変わりはない、と訴えたのである。」

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庶民的ではなかったようだ。下「」引用。

「リップマンは、言論人のエキスパートに傾倒している。“選ばれた人たち”に依存している。そして、民衆の考えとなると、あまり信用しない。しかし、ここを人に突かれると、そのたびに弁解している。」

KKKについても。下「」引用。

「「われわれは、言論の自由を擁護してきた。そして、邪悪であり、唾棄すきべものと思えるものにすら、その言い分を尊重するようにと努めてきた。……法を犯すという方向を選ばないかぎり、いかなる言動も、りっぱに認められることを、ここで断言したい。KKKの人たちのパレードについても同じことである」。」

しかし、民主主義の基本は、自由、平等、博愛ではないのか?

自由は守られたとしても、差別主義者が闊歩しても平気なのか?

「マッカーシー旋風」を非難。下「」引用。

「リップマンは、この上院議員ジョセフ・マッカーシーを、繰り返し、非難し、また、彼の横暴を抑えることのできないアイゼンハワア大統領を非難し続けた。そして、ハーストの電報横取り事件のときもそうだったが、このマッカーシー旋風についても、まさに報道の自由が侵されようとしているのに、新聞発行者協会の取った自主規制の方法は、実に悪い先例を作ってしまった--と、激しく抗議した。」

アメリカ不信が昔からあったという。下「」引用。

「ところで、アメリカに対する不信とか反感が、広く世界を覆うようになってきた。一九四○年代の終りごろから五○年代の初めころからである。そこまでいかなくても、アメリカという国の“イメージ”が、極端に落ちてしまった。しかし、アメリカ人は、こうしたことを実に単純に考えていて、政府がより良い宣伝工作をしていくなら、なんとか解決するだろうと思っている。ここが問題であるというのが、リップマンの考えであった。」

ケネディ神話批判! 下「」引用。

「ケネディ神話は、国民の間に尾ヒレをつけて増幅されていく。それで、リップマンは、こんなことばを吐くに至る。「これまで、ずっと、神話のできていく過程を見てきて、ここで、私の言いたいことがある。生前、大統領としてやってきたことは、なんの変哲もないことばかりだったではないか」。」

「解説」ではこう書かれてある……。下「」引用。

「リップマンの考えは“貴族政治”思考に走っていたものでしょう。-略-だいぶリップマンの悪口めいたことを言いました。
 いい点はもちろんあります。たしかに姿勢は体制側にありましたが、そうした権力者には、いつもフリーハンドで、批判しています。」










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