磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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シリーズ・戦争の証言1 死の影に生きて-太平洋戦争下の中学生勤労動員日記

2009年05月06日 | 読書日記など
『シリーズ・戦争の証言1 死の影に生きて-太平洋戦争下の中学生勤労動員日記 一九四四年一月一九日~一九四五年八月二八日-』
    小熊宗克・著/太平出版社1971年、1978年3刷

もちろん、今となっては間違っていることもあるが、当時の人たちはそう信じていた……。
--これも歴史的事実だろう……。



上級生……。下「」引用。

「「上級生め、早く動員されればいい」と神戸がいう。おれもうなずいた。
 じっさい、敬礼を忘れたの、帽子をあみだにかぶっているのと、すぐ制裁をくわえたがる上級生がいなくなれば、ずいぶんさっぱりするにちがいない。-略-」

ご紋章のある銃。 6月12日(月)曇 下「」引用。

「三八式歩兵銃は、陸軍から払い下げるとき、ぜんぶ菊のご紋章をつぶしてくれたものかと思ったら、なかには菊花のご紋章のついたままのものがある。それをうっかりしていっしょに手入れしたものだから、教官にはり倒された。ご紋章入りの手入れは、布から、油から、磨き粉から、ぜんぶ別なのである。
「おそれおおくも大元帥陛下から下げ賜わった宝として、とくにたいせつにし、いささかの傷、いささかの錆を発生させてはならない」。
 だから教練の時には、上級生でも菊花入り三八歩兵銃は、体格のいい力のある者がもつらしい。
「教練は木銃の方が楽だな」と角川。
「竹槍だったらもっといい」と斉藤。」

山岡荘八の本……。 2月16日(金) 下「」引用。

「伊藤は、山岡荘八の『元帥山本五十六』を貸してくれ、しきりに読め読めというが、むずかしくて、そう簡単には読めない。」

講話 4月29日(日)晴 下「」引用。

「校長の出張講話--「沖縄戦線はまさに壮絶。敵は、わが戦死者や負傷者を道にならべ、その上を戦車で踏みつぶしている。またアメリカの女学生は、皇軍兵士の骨でつくったペン軸を使っている。その上ヤンキーどもは、皇軍兵士の頭蓋骨で酒を飲んでいる」。
 こんなやつらには絶対に負けられない。」

吉田松陰を模範とす……。 5月2日(水)雨 下「」引用。

「「吉田松陰は死刑がきまって、刑場へ連れだされるまで本を読んでいたそうじゃないか」と伊藤。」

大本営について 6月25日(月)小雨 下「」引用。

「それしても大本営はどうしてこう遅れるのか。早く知らせると国民ががっかりすると思っているのか。ちがう! 国民は真実を早く知りたがっている。-略-なによりも真実を知らせ、国民に協力を呼びかけるべきだ。」

今のマスコミも同様ですね……。
特に原発……。

新型爆弾 8月7日(火)晴 下「」引用。

「「敵はどんどん新兵器を発明するなあ」と武村。
「大本営発表で相当だってんだから、よっぽどひどくやられたんだな」と斉藤。
だがおそろしいという感じはない。ただもどかしいだけ。どうせなら、早く本土決戦でケリをつけたい。」

原爆だったという……。 8月9日(木)晴 下「」引用。

「新型爆弾は「原子爆弾」という新兵器で、たった一個で広島市は全滅してしまったそうだ。鬼畜でなければ使えぬほど、おそるべきものであるという。
 トルーマン米大統領は、「もし日本が降伏しなければひきつづき使用する」と声明した。
 医務室の久我山軍医大尉通達--「原子爆弾は、光を見ただけで眼がつぶれ、光線を浴びただけで焼死する。よっていかに暑かろうと、空襲下にあっては防空頭巾を着用し、軍手をはめ、長袖シャツをまとい、ゲートルを巻くこと。体のいかなる部分も露出してはいけない。また着衣の色は白色がよい。黒色はマッチの役をなすから着てはいけない」。
 ついせんだって、白衣は敵の目標になるから着てはいけないといわれたばかりだ。わざわざヤミ染料を買って染めかえたのがムダになってしまう。
 原子爆弾というのはよほどすごいらしいけど、恐怖心はない。体験せぬ気やすさかとも思うが、来らば来れという気持ちだ。」

原爆 8月22日(水)嵐 下「」引用。

「原子爆弾というのはものすごいものらしい。爆弾と焼夷弾と殺人光線と毒ガスをいっしょくたにしたようなもので、焼跡には臭気がみちて、人間はとうぶん住むことができない。草木さえも七五年は生えないという。人類が発明した最後の武器である。-略-」

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