磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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記録写真 原爆の長崎

2006年07月16日 | 読書日記など
『記録写真 原爆の長崎』
    東京学風書院s34年(再刊)

写真の説明には日本語と英語で書かれてあります。




黒い雨の正体とは何かについて考察されています。下「」引用。

「後になって知ったところによると爆発後間もなく市内全般に「黒い雨」が降ったということが分った。その本態が何であるかは明らかではないが理論的にもかくの如き強烈な爆発にともなう空中の水蒸気の液体化の説明はつくし、又前述の大村に於ても晴天のなかに水滴の落ちた事実とにより、普通の水滴降雨があり之に広汎な地域の火事による煤煙が吸着されたものではないかと想像される。」


ほかの本によく書かれている馬が二倍に大きくなっていたという表現がよくわからなかった。この表現によっても、ふつうではないことが理解できると思う。下「」引用。

「馬の頭は溝につき込んでいた。水が欲しかったのであろう。これも肛門より腸が風船の様にはみ出ている。肉の焼けた匂いが胸をつく。」


永井隆博士が診断して、この子供の死に方が原爆の特徴だと教えてもらったそうだ。


『世界に唯一つの記録』と題して、火野葦平が文章をよせています。下「」引用。

「八月六日の朝、帰命な爆音が聞こえて、私たちは待避した。西部軍報道部は福岡市にあった。私たちの宿舎は渡辺通り三丁目のヤマモト・ホテルであったが、その唐突なな爆音に、部員たちはいっせいに表に飛びだしたけれども、遂に、それが何の爆音であるかは不明に終った。空襲であれば、警報が出る筈である。」

それから三日後に広島に一発の原子爆弾で広島が全滅したことを知ったという。

福岡県でも、広島原爆の爆発した音がきこえたことになるのでしょうね。

そして、火野葦平はこう締めくくります。下「」引用。

「この写真集が、平和運動へのもっとも正しくて強い指針となることを、私は疑わない。あらゆる思想を超え、端的に、人間の問題としてのテーマを、この「原爆の長崎」が、解決するであろう。日本人も、世界人も、この写真集を日夜ひもとくことによって、戦争を避け、魂を浄化させる平和を確立しなくてはならない。」





『記録写真 原爆の長崎』
  北島宗人(編)/第一出版社s27年

この本には英語はありません。ほぼ内容は同じと思われます。









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