『新選・子どもの文学21 戦争と平和ものがたり2 ヒロシマのうた』
日本児童文学者協会・編/大野充子、他・著/小峰書店1986年
--ほかの本でも見受けられる作品ですね。
「ヒロシマのうた」と「おかあさんのうた」が原爆関連です。
■目 次■
ヒロシマのうた 今西祐行 6
おかあさんの木 大川悦生 32
月のおんば 菊池正 48
おかあさんのうた 大野充子 83
救命艇の少年 石川光男 90
解説 長崎源之助 141
長崎源之助さんの解説がいいです。下「」引用。
「「ヒロシマのうた」(今西祐行)作者の今西さんは、原爆がおとされた直後の広島に救援にいきましたが、この作品はその体験がもとになっています。ですから、被爆あとの地ごくのような光景がなまなましくかかれています。
フィクションなのでしょうが、体験にうらづけされているから真実感が胸をうちます。
今西さんは、広島で死んだおかあさんがだいていたミーちゃんが大きくなったらとねがいをこめて想像してかいたのでしょう。-略-」
やはり、フィクションだったのか……。
また、「「おかあさんの木」(大川悦生)」。下「」引用。
「-略-大川さんは創作童話もたくさんかいていますが、それらは、ほとんど民話が下地になっています。
この作品でも、民話のかたりくちが生かされています。俳優さんではない、ただのおばあちゃんやじいちゃんがぼそぼそとかたるからこそ、きく人の心にじっくりとしみこんでくるのです。そういう民話のかたりのよさが、この作品をささえ、戦争でおおぜいの息子をなくしたおかあさんの悲しさが、しみじみとつたわってくるのです。ゆっくり、ゆっくり声をだして読むと、いっそういいです。」
美しい日本語なんて、おためごかしより、言葉と心が一致したものがいいですね。
言文一致運動というのがありしまたが、言文心一致運動もあってもいいような気がします。
……戦争愛国美談は、とても醜い話しだとボクは思います。
もちろん、戦争のお話、すべてが戦争愛国美談でもありませんね……。
「「月のおんば」(菊池正)」。下「」引用。
「夫の戦史をきいて、気がくるってしまったよめさんを、名誉ある「英霊の家」から気ちがいをだすのは恥だというので、蔵の中にとじこめていたなんて、ずいぶんひどい話ですね。今なら人権問題だということになるのですが、戦争中はそれどころではありませんでした。作品の中にもかいてありますが、戦争の役にたたない人間は、むだめしを食うだけだから、はやくくたばってしまえというような考え方がまかりとおっていたのです。」
戦争は究極の差別!
--戦争になれば、今より、ひどくなりますよ!
「「おかあさんのうた」(大野充子)。下「」引用。
「-略-この赤ちゃんと女学生は原爆のため死んでしまいました。短い作品ですが、胸をえぐられるような読後感が残ります。」
index
「救命艇の少年」(石川光男)」。下「」引用。
「-略-こういう生死のせとぎわにいても、自分を見失わない人こそ立派です。ところが、戦争というものは、人間の気持ちをくるわしてしまいます。ふだんやさしい人でも平気で残酷なことをしてしまいます。また、そういう人間に同調してしまいます。人間が人間でなくなってしまうのです。それがとてもおそろしいのです。
戦争に勝つために原爆をおとしたり、ナチのアウシュビッツのように気にいらない人たちをガス室に入れたり、日本軍がやった南京の大虐殺や細菌部隊の実験も、ふつうならとても考えられないような残虐な行いです。」
『原爆神話』がある限り、アメリカは平和にもなれないし、幸福にもなれないだろう……。
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もくじ
日本児童文学者協会・編/大野充子、他・著/小峰書店1986年
--ほかの本でも見受けられる作品ですね。
「ヒロシマのうた」と「おかあさんのうた」が原爆関連です。
■目 次■
ヒロシマのうた 今西祐行 6
おかあさんの木 大川悦生 32
月のおんば 菊池正 48
おかあさんのうた 大野充子 83
救命艇の少年 石川光男 90
解説 長崎源之助 141
長崎源之助さんの解説がいいです。下「」引用。
「「ヒロシマのうた」(今西祐行)作者の今西さんは、原爆がおとされた直後の広島に救援にいきましたが、この作品はその体験がもとになっています。ですから、被爆あとの地ごくのような光景がなまなましくかかれています。
フィクションなのでしょうが、体験にうらづけされているから真実感が胸をうちます。
今西さんは、広島で死んだおかあさんがだいていたミーちゃんが大きくなったらとねがいをこめて想像してかいたのでしょう。-略-」
やはり、フィクションだったのか……。
また、「「おかあさんの木」(大川悦生)」。下「」引用。
「-略-大川さんは創作童話もたくさんかいていますが、それらは、ほとんど民話が下地になっています。
この作品でも、民話のかたりくちが生かされています。俳優さんではない、ただのおばあちゃんやじいちゃんがぼそぼそとかたるからこそ、きく人の心にじっくりとしみこんでくるのです。そういう民話のかたりのよさが、この作品をささえ、戦争でおおぜいの息子をなくしたおかあさんの悲しさが、しみじみとつたわってくるのです。ゆっくり、ゆっくり声をだして読むと、いっそういいです。」
美しい日本語なんて、おためごかしより、言葉と心が一致したものがいいですね。
言文一致運動というのがありしまたが、言文心一致運動もあってもいいような気がします。
……戦争愛国美談は、とても醜い話しだとボクは思います。
もちろん、戦争のお話、すべてが戦争愛国美談でもありませんね……。
「「月のおんば」(菊池正)」。下「」引用。
「夫の戦史をきいて、気がくるってしまったよめさんを、名誉ある「英霊の家」から気ちがいをだすのは恥だというので、蔵の中にとじこめていたなんて、ずいぶんひどい話ですね。今なら人権問題だということになるのですが、戦争中はそれどころではありませんでした。作品の中にもかいてありますが、戦争の役にたたない人間は、むだめしを食うだけだから、はやくくたばってしまえというような考え方がまかりとおっていたのです。」
戦争は究極の差別!
--戦争になれば、今より、ひどくなりますよ!
「「おかあさんのうた」(大野充子)。下「」引用。
「-略-この赤ちゃんと女学生は原爆のため死んでしまいました。短い作品ですが、胸をえぐられるような読後感が残ります。」
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「救命艇の少年」(石川光男)」。下「」引用。
「-略-こういう生死のせとぎわにいても、自分を見失わない人こそ立派です。ところが、戦争というものは、人間の気持ちをくるわしてしまいます。ふだんやさしい人でも平気で残酷なことをしてしまいます。また、そういう人間に同調してしまいます。人間が人間でなくなってしまうのです。それがとてもおそろしいのです。
戦争に勝つために原爆をおとしたり、ナチのアウシュビッツのように気にいらない人たちをガス室に入れたり、日本軍がやった南京の大虐殺や細菌部隊の実験も、ふつうならとても考えられないような残虐な行いです。」
『原爆神話』がある限り、アメリカは平和にもなれないし、幸福にもなれないだろう……。
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