磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原子炉被曝日記

2008年04月24日 | 読書日記など
『原子炉被曝日記』
   森江信・著/技術と人間1979年、1980年4刷

今でも、新しく原発を建てるということは、新しい被曝労働者を生むという……。差別社会の象徴でもある原発が世界の潮流となっていたら、それは人類にとっても不幸であろう……。



--1976年4月4日(日)にB社に入社。下「」引用。

「B社は原発関連サービス会社で、福島原発、敦賀原発、島根原発、玄海原発、東海村、大阪に事業所を置いている。研修先の福島第一原子力発電所のサイト内にある福島営業所が一番大きく、約二○○名が常駐して働いている。」

女房役といえば聞こえはいいが……。下「」引用。

「昨日の教育の続きで、各事業部門の説明をうけた。B社はもともと「ビル管理会社」、ひらたくいえば「そうじ会社」である。原発内の作業もそれに近い内容である。福島営業所の業務は大きく四つにわかれており、工事部門、保安助勢部門、ランドリー(洗濯)部門、および清掃・発電助勢部門となっている。話を聞いただけではよくわからないが、要するに原発内で日常的に発生する小さな作業を請負っているようだ。助勢という言葉が出てきたが、これは電力社員の手助けをすることだという。「うちは電力会社の女房役のようなものです」という説明を受けたが、よろず雑役係ということなのだろうか。」

--日記が書かれている。
初めての被曝作業は四月七日(水)だという。
まだ、入社から日も浅い……。

床除染作業



各所で集められた汚染服は管理区域入口近くのランドリー室へ。下「」引用。

「すぐそばに洗濯物専用の放射能測定機が置いてあるが、全然使おうとしない。作業員に「汚染はちゃんと落ちたんですか」と聞いたら、「さあ、どうかね。どれも合格しないんじゃないかな」と言う。この測定機は汚染が基準を超えるとランプがつくそうだが、以前使っていてあんまり不合格の洗濯物が多いからやめてしまったそうだ。」

会社はボロ儲け? 下「」引用。

「管理区域外の清掃のおばさん二人で月に百万円くらい稼ぐという。本当だろうか。おばさんたちの給料は月に約五万円だから、ボロもうけだ。」

線量計をはずす……。下「」引用。

「彼も線量計をはずして作業したことがあるという。「今から考えると馬鹿なことをしたなァ」と言いながら、そういう場合の心理を説明した。
「放射線は痛くも痒くもないからね。あれが悪いんだ。ちょっとぐらいごまかしても何ともないと思ってしまう。それに現場の雰囲気もある。被曝が嫌だと言うと勇気がない人間に見られる気がするんだ。マスクにしたって、みんながはずしているのに自分だけ着けるのはみっともないという感じがするんだな」

安全神話の闇に葬られる原発被曝労働者


今もロボットは使用不可能なのだろう……。


講談社文庫 原発被曝日記








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