磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆と人間 被爆者援護法とは何か

2008年04月24日 | 読書日記など
『原爆と人間 被爆者援護法とは何か』
   石田忠・著/機関紙連合通信社1983年

このころは、著者は明治大学教授であり、日本被団協専門委員だったようです。



〈表紙写真〉嵐の中の母子像(作/本郷新)広島平和資料館前 撮影/機関紙連合通信社写真部

著者は被爆者ではないという。下「」引用。

「わたしくは被爆者でありません。したがって、自分の直接の体験として原爆や被爆者の苦しみを語ることはできません。
 わたしがとりあげるあらゆる事実、あらゆる論理はすべて、たくさんの証言や手記などを通して、わたしくが被爆者から学んだものにほかなりません。少なくとも、そうであるようにわたくしとしては努力するつもりです。」

--以前紹介した文章が掲載されていました。
一人の被爆者の体験だけでは、原爆の実相を伝えることはできないという。
そして、その一人一人が違った苦しみや、人生を背負っている……。

巨大な原爆像……。下「」引用。

「そうだとすれば、一人ひとりの被爆者が体験したこと、観察したことが、すべて、原爆についての貴重な証言であり、わたくしたちが原爆や被爆者について語ろうとする場合、その依拠するところはこれよりほかにはないわけではありますが、その一つ一つをこえたさきに巨大な原爆像を描くことが大切だということになります。」

東京の被爆者が次のように語っているという。下「」引用。

「被爆の惨状に深刻な精神的ショックをうけた。『私にはもうこれから生きていく未来がなくなった』という気持ちが当時からいまにつづく心の苦しみとなっている。からだとくらしの苦しみがある程度まで分かってもらえるでしょう。心の傷痕、苦しみこそ私は訴えたい。被爆の惨状に接して、『人間が人間に対して、このようにむごいことを行った』という事実を、私自身として、どのように受けとめ、理解し、そして生きて行くべきかに悩み、苦しみ、考えつづけています。」

老後が心配……。下「」引用。

「単純な事務労働で生計をたててきましたが、転職六回、結婚することもなく、いま不安な老後を迎えようとしています。「年をとってからだが利用なくなったら、もし寝たきりの病人にでもなったら、と思うと不安でたまらない」といっています。」

被爆者でなくても、心配な人は多いと思う世の中になりましたネ……。

しかし、やはりさらになる苦しみがある……。下「」引用。

「この〈原爆症の不安〉は、一九七七年NGO被爆問題シンポジウムの際の生活史調査の結果によれば、調査客体の七八%に認められました。そしてこの〈不安〉が急性症状のなかった者よりは急性症状のあった者の方には強いのは当然でしょう。それは、これらの被爆者には自分が原爆放射線の影響をうけているであろうことが否定できないからです。」

病気→家や土地を売り払う→治療しても治らない→生活が苦しいので無理して働く→死亡。

--今の世の中では、これにサラ金地獄が……。
ネットカフェ難民などの影にもサラ金が……。
--政府の委員会のメンバーにサラ金の社長までいたのを思い出します……。









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