磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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講談社文庫 原発被曝日記

2008年11月21日 | 読書日記など
『講談社文庫 原発被曝日記』
   森江信・著/講談社1989年

原子炉被曝日記』(技術と人間 1979年刊)の改題改稿。
「あとがき」で著者はこう書く。下「」引用。

「本書の前身である『原子炉被曝日記』(技術と人間刊)を上梓してから丸九年が過ぎている。その間、私は太陽熱利用を看板とする省エネルギー技術会社の倒産につき合い、その後、産業廃棄物の処理を主要業務とする会社に移った。そして、いまパソコンソフトの開発をやっている。-略-最後に単行本との違いについてふれておく。本文庫では労働組合結成準備に関する記述は削除した。興味のある方は、単行本を参照されたい。また、単行本の段階では出すことをためらわれたデータを若干捕捉した。さらに、わざと曖昧な表現をした部分について正しく記述し直し、確定的なことについては表現を強化した。-略-」



原子力は原始力……。下「」引用。

「「研修っていってたけど、結局作業手伝いなんだなァ」
「原子力というから、もっと違う仕事を想像していたんだけど、これはまったく雑役だね」
「『原子力』というより『原始力』だもんね」」

パネルの前での作業だけが、原発ではないですね。

「洗濯しても汚染は落ちない」下「」引用。

「-略-この測定器は汚染が基準を超えるとランプがつくそうだが、以前使っていてあんまり不合格の洗濯物が多いからやめてしまったそうだ。作業終了後、ためしに洗濯済みの靴下を出口のハンドフットクロスモニターで測ったら、とたんにアラームが鳴った。そばの警備員がジロリとこちらを見た。やはり汚染は落ちていないようだ。」

ボロもうけしているそうです……。下「」引用。

「四月二二日(木) ランドリー部門には一号機と三号機に一三人くらいが働いているが、この部門が月に稼ぐ金額は約七○○万円ということだ。設備は東電から全部借りているのだから、必要経費は人件費ぐらいで、会社としてはいい稼ぎだ。管理区域外の清掃おばさん二人で月に一○○万円くらい稼ぐという。本当だろうか。おばさんたちの給料は月に約五万円だから、ボロもうけだ。管理区域内清掃ではおじさんたち一○人くらいで月に四五○万円稼ぐという。こんな話がどこから伝わるかわからないが、けっこうみんな知っている。-略-工事部は被曝が多く、作業も派手だが、あまりもうけにならないという。ランドリーや清掃などの定常業務が会社の収入のメインのようだ。」

「洗濯場の空気は放射能いっぱい」、「責任者自ら線量ごまかし」、「ごまかしを重ねる次長補佐」……。
--隠蔽体質はここまであるのか……。

ねむの木学園」が近くにあるという。下「」引用。

「浜岡原発は静岡県の南端、御前崎から西に車で一○分の場所にある。遠州灘をのぞむ砂丘が横たわり、西に広がる灌木のなかには「ねむの木学園」がある。」

心配になり検索してみると……。下「」引用。

「当時、ねむの木学園は静岡県浜岡町にありました(今は掛川市)」『ねむの木こども美術館』より。

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「復水器から硫化水素発生」で危篤に……。下「」引用。

「一九七八年夏、福島では硫化水素による中毒事故が発生した。復水器内などを取り除く作業で、いつもの要領で復水器内のマンホールをあけるバルブを回したところ、循環水と呼ばれる二次冷却配管内に溜まっていた硫化水素が流れ出してきた。硫化水素は空気より重いので、復水器の外の床でバルブ操作をしていした作業員が倒れた。次いで、それを助けに行こうとした作業員も同様に倒れてしまった。-略-」









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