磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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人間と環境への低レベル放射能の脅威-福島原発放射能汚染を考えるために-

2011年08月02日 | 読書日記など
『人間と環境への低レベル放射能の脅威-福島原発放射能汚染を考えるために-』
   ラルフ・グロイブ、アーネスト・スターングラス(著)/
     肥田舜太郎、竹野内真理(訳)/あけび書房2011年

裏表紙に書かれてあります。下「」引用。

「本書をアブラハム・ペトカウ博士に捧げる
神への冒涜と迫害されながらも「それでも地球は回っている」と自説を曲げなかったガリレオがそうであったように、権力に妨害されながらもペトカウ博士は低線量放射線による被曝の危険性についての自説を曲げなかった。たとえ生前それに値する評価を受けずとも、彼の追求した真実は、後世の世に残るのではないだろうか。」



本書は……。下「」引用。

「本書は、ラルフ・グロイブとアーネスト・スターングラスの著書『The Petkau Effect』(ペトカウ効果)の初の邦訳出版である。
 詳細は後述するが、「ペトカウ効果」とは、約20年間、カナダ原子力公社の研究所で医学・生物・物理学主任だった、アブラハム・ペトカウ博士が発見した、低線量放射線による生体レベル、細胞レベル、分子レベルでの影響のことである(一部の研究者からはノーベル賞に値すると言われている)。本書は、「ペトカウ効果」を詳細に紹介すると同時に、原爆、核実験、そして原子力発電所がもたらす様々な放射線被害、および今日までの政府当局による放射線防護基準の欠陥を、世界各国の数多くの研究者の論文と当局側からの発表という双方からの視点を交え、膨大な量の基調な資料をもとに記している。」

スケープゴートをつくる狂った日本の政治。下「」引用。

「また、「同時多発メルトダウン」を手際よく防げた政治家などいるはずもないのに、首相1人をスケープゴートにする体制もおかしい。それよりも、今まで原子力を推進してきた政治家、官僚、企業、学者、文化人、マスコミ各社をリストアップし、自発的な寄付を行なってもらう「福島原発事故被害者のための基金」のようなものを設立したらどうか。そうでなければ、本当の意味での責任の所在は明らかにならない。実際今回の事故で自ら謝罪表明した推進科学者も少数ながら一部おられる(この方々は少なくとも立派である)。今まで原発を推進してこられてきた方で、福島の人々の苦しみを毎日報道で見て、良心の呵責を感じない人は少ないのではないだろうか。原発被災者の受けた多大な実害を少しでも償う場が設けられているべきである。」

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「戦前に比べ小児がんが6倍に増えている」日本学会・瀬木三雄のデータ。

原発の風下……。下「」引用。

「さらに、スターングラス博士は、原発の風下における乳児死亡率やガン死亡率の増加を見出した。原発周辺における健康被害の発見は、博士に限られたものではなく、複数の著者な科学者たちにより確かめられていく。」

SOD活動量の低下。下「」引用。

「ところで、ペトカウ博士は、自然流産した胎盤においてSOD活動量(医学用語で誘導能)が不足していたという、非常に重大な発見をした。さらに、被曝労働者におけるSOD誘導能の研究途中の1990年、彼が主任を勤める研究所を閉鎖されてしまった。以後、ペトカウ博士は地元で医師として働き、放射線研究の世界に戻ることは二度となかった。-略-」

たやすく破壊……。下「」引用。

「ペトカウは、X線の短時間における大量照射にも破壊されず、何百グレイの放射線量に耐えうることができる細胞膜が、放射性化学物質による弱く長時間持続する10ミリグレイ以下の放射線照射によってたやすく破壊される、と書いている。」

自然放射線もガンの原因……。下「」引用。

「遺伝的障害と同様、自然発生のガンと白血病の一部は、自然放射線に起因しており、それに加えて原発や医療用の放射線が、間違いなくガンと白血病の率を増加させている。」

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乳がんのリスク。下「」引用。

「1982年、母親の子宮内で被曝した女性は、30歳時に乳ガンにかかるリスクが5.5倍ある、との長期にわたる研究が発表された。
 また、徳永他は、10歳以下で原爆に被爆した日本女性の乳ガン発生率が高いことを報告している。」

ICRPが融資を受けている団体など。下「」引用。

「1977年の刊行物26号は、ICRPが原子力を支持する諸団体から融資を受けていることを示している。団体の内訳は次のとおり。
 1. 世界保健機構(WHO)、2. 国際原子力機関(IAEA)、3. 国連(UN)、4. 国際放射線学会、5. 国威放射線防護会(IRPA)、6. 経済協力開発機構原子力機関(NEA)、7. 欧州共同体、8. カナダ、日本、英国における未公表の様々な国家レベルの組織。
 ICRPは無意識ではあるが、国による経済的な関係を以下のように確認している。
 ICRPはメンバーが所属する機関からこの作業を専念することを許されている時間と、それなしではこの作業を遂行できない経済支援に感謝している。」

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「殺人免許証」 下「」引用。

「ゴフマン教授は、原子力のための放射線防護法「殺人免許証」、と呼んだ。ICRPが人間の生命にわずかな関心しか示していないことは、1973年の報告で明らかだ。」

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ポーリング「死の灰」の影響。下「」引用。

「1958年、ノーベル賞受賞者ライス・ポーリングは、1958年の核実験による死の灰だけで、全世界で1年間に15,000人の重度の先天性奇形児、38,000人のり死産、90,000人の流産が発生したと計算した。」

スターングラスの研究。下「」引用。

「スターングラスは1968年までの間に、米国だけで40万人の新生児が、死の灰の影響で生後1年以内に死亡したと結論を出した。」

低ければ低いほど損傷が大きい。下「」引用。

「骨髄でのストロンチウム90の濃度が、低ければ低いほど(すなわち線量率が低いほど)、骨に対するミリグレイ当たりの損傷が大きいことがラットで発見された」

「ペトカウ効果は人間でも立証」

スイスでの汚染。下「」引用。

「例えば、クリプトン85の大気中の濃度は、何百万も増加した。トリチウムの場合は、スイスでは1963年には700倍まで増加し、1984年にも依然、12倍(年間平均値)もあった。」

ぺトカウ効果と森林障害? 下「」引用。

「動物と人間に対する影響とは反対に、植物に対してペトカウ効果の影響を見極める実験は行われてこなかった。二酸化硫黄、窒素酸化物、オゾンが複合して樹木の細胞膜に与える損傷の影響については議論されているが、放射能の影響は議論から除外されている。しかし、ペトカウ効果は、最近の起きている森林障害の複雑さを分析、解読する鍵の役割を果たすかもしれない。」

倫理観=責任の欠落。下「」引用。

「現代人は、生態学的には第2段階にあたる個人、家族、国家に対する責任は、おおむね認識している。それに反して、人類や生態系、生物圏に対する責任は、ひどく欠落している。生態学を理解する前に、「生命」は個人のものと信じられてきた。」

「放射性降下物により犯罪発生率が増加する?」 下「」引用。

「前述のスターングラスとベル(Bell)による精神発達障害に関する研究は、サンホセ州立大学の心理学教授の心理学者ロバート・ペレグリーニ(Robert Pellegrini)博士の、1950から1960年代(大気圏内核実験時代)に生まれた物の犯罪傾向に関する研究のきっかけとなった。現在、米国における15歳から24歳の人口は、最も高い犯罪率を示している。
 ペレグリーニは全米人口中の刑事犯罪の増加は、放射性降下物の最盛期後、15~24年で最大になるのではないかと考えた。そしてその後は、発生率は下降するだろうとも考えた。そしてペレグリーニは、この予想がまったくそのとおりのであったことを発見する。-略-」

「エイズの流行と死の灰 : 補助因子の可能性あり?」

枯れ木は雨を吸わないため、ヨウ素131も吸収しなかった。

「本来、「平和のための原子力」と「戦争のための原子力」は、一つのものだった。」

活性化酵素をつくる、スターングラス。下「」引用。

「ストロンチウム90、トリチウム、ヨウ素131などの核分裂生成物による放射能は、吸引または摂取されてある器官に濃縮されると、身体がたすやく非活性化するよりもずっと多くの活性酸素を作ることになる。このことは1991年のフランスの研究で特に強調された。」

被爆30年後、肥田舜太郎。下「」引用。

「1975年の「核兵器全面禁止国連請願」に参加した私は、ニューヨークでピッツバーグ大学のスターングラス教授から、広島・長崎の被爆者に多発している病態不明の疾病は、大気圏核実験に参加して放射性降下物(以下、「死の灰」という)から放射線に内部被曝した被曝米兵の疾病と同じで、きのこ雲から降下した放射性物資が体内に入り、核分裂を起こして出す微量の放射線によって内部被曝をしたために起こると教えられ、眼の前の霧が晴れた思いがしました。-略-」

記者のブログと肥田舜太郎、福島原発災害。下「」引用。

「6月2日、肥田医師は、被曝症状を訴える東京都民数十人から直接相談を受け、被曝の初期症状のようものを多数見受けたという。さらに日本テレビ元社会部デスクの木下黄太氏のブログ「警告 : 東京など首都圏で低線量被曝の症状が子供たちに起きているという情報」でも、症状を訴えた投稿が医師も含めて400件以上見られ、恐れれていた低線量被曝による健康問題が首都圏でも現実となりつつある。子供たちがますます心配だ。」


■大江健三郎・推薦本■











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