『天翔る龍 坂本龍馬伝』
山村竜也・著/日本放送出版協会2009年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「NHK大河ドラマ「龍馬伝」の時代考証者が、主人公・坂本龍馬の新たなる魅力を描き出す」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/fe/82c77742a272f02012ce35a73a870f03.jpg)
メッセージ……。下「」引用。
「しかし、よく見るとこの写真には、不自然な点があることに気づかされる。-略-確かに、腰には脇差代わりの短刀を帯びているが、肝心の大刀が見あたらない。-略-私も、多くの幕末の武士の写真を見てきたが、大刀を持たず写っている人物など、ほとんど見たことがない。皆無に近いといっていい。-略-あるいはこれは、龍馬からのメッセージだったのではないか。
龍馬というのは、徳川幕府を倒すさいにも、極力武力を用いずに倒すことを考えた人だった。その穏やかな志向が、大政奉還という日本史上例の見ない無血改革をなしとげる結果となった。
幕末期には多くの倒幕派の志士があらわれたが、龍馬のように無血改革にこだわる者は一人としていなかった。ただひとり、龍馬だけが無血にこだわり、平和にこだわった。-略-龍馬の写真を見ていると、そんな平和を願う彼からのメッセージが伝わってくるように思えるのである。」
平井加尾(信受院の侍女)と京都で再開。下「」引用。
「加尾が京都にいたのは文久二年(一八六二)までの三年間であったから、龍馬との関係は、おそらく安政六年の上京以前のことと思われる。江戸の千葉佐奈と、どちらが先であったかはわからない。-略-加尾は、この文久元年(一八六一)で二十四歳 。美貌の才女である上に、義侠心にあつい女性であったといい、土佐藩の下士たちが困窮しているのを救った逸話がいくつか伝えらている。」
ふんどしをもらった龍馬。下「」引用。
「ある日、西郷の留守中に、龍馬は自分の下着を何日も替えていないのが気になり、西郷の妻いとに頼み込んだ。
「一番古いふんどしをくださらぬか」
いとは、いわれるままに西郷の使い古しのふんどしを与えたが、帰宅した西郷にこのことを話すと、目から火が出るような勢いで叱られた。
「お国のために命を捨てようという人だと知らないのか。さっそく一番新しいのと替えてさしあげろ」
西郷がこんなに怒るのはめずらしいことだったから、この一件はのちのちまでいと夫人が覚えていたという」
ピストル。下「」引用。
「ピストルというのは、長州の高杉晋作と先ごろ会ったときに護身用として贈られたもので、六連発のリボルバー(回天式連発拳銃)だった。のちに龍馬が同社製のピストルを所持していたのは確かであるものの、このとき持っていたものもそうであったとはいえないのである。」
龍馬のピストル
もれていた薩長同盟……。下「」引用。
「一般に、薩長同盟はひそかに締結されたもので、幕府方には知られていなかったといわれているが、実際には締結の翌日には早くも漏れていたのである。」
岩崎、初の対面……。下「」引用。
「四月十九日、後藤は、そのころ長崎土佐商会の責任者をつとめていた岩崎弥太郎を呼び出した。岩崎は、安芸軍井ノ口村の地下浪人の出であったが、学才をもって郷士に復帰し、さらにら後藤に認められて長崎に招かれた人物だった。
年齢は、龍馬より一歳年長の三十四歳。記録のうえでは、これまでに龍馬との接点はなく、このときがはじめての対面ということになる。」
岩崎は龍馬に自腹で金を貸した。下「」引用。
「坂本というやつはなんと身勝手な男なのだろうと、岩崎は困りはてたが、結局、自腹を切る形で公金を借り、龍馬に与えることにした。ごつい顔に似合わない、人のいいところのある岩崎だった。
そのあと五十両の現金を持って、龍馬の宿へ岩崎がみずから出向くと、龍馬は大いによろこんだ。そして初対面の岩崎に酒肴をふるまい、二人はたそれがれどきまで談笑したという。金が手に入ると、とたんに機嫌のよくなる龍馬だった(『岩崎弥太郎日記』)。」
もくじ
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目次
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山村竜也・著/日本放送出版協会2009年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「NHK大河ドラマ「龍馬伝」の時代考証者が、主人公・坂本龍馬の新たなる魅力を描き出す」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/fe/82c77742a272f02012ce35a73a870f03.jpg)
メッセージ……。下「」引用。
「しかし、よく見るとこの写真には、不自然な点があることに気づかされる。-略-確かに、腰には脇差代わりの短刀を帯びているが、肝心の大刀が見あたらない。-略-私も、多くの幕末の武士の写真を見てきたが、大刀を持たず写っている人物など、ほとんど見たことがない。皆無に近いといっていい。-略-あるいはこれは、龍馬からのメッセージだったのではないか。
龍馬というのは、徳川幕府を倒すさいにも、極力武力を用いずに倒すことを考えた人だった。その穏やかな志向が、大政奉還という日本史上例の見ない無血改革をなしとげる結果となった。
幕末期には多くの倒幕派の志士があらわれたが、龍馬のように無血改革にこだわる者は一人としていなかった。ただひとり、龍馬だけが無血にこだわり、平和にこだわった。-略-龍馬の写真を見ていると、そんな平和を願う彼からのメッセージが伝わってくるように思えるのである。」
平井加尾(信受院の侍女)と京都で再開。下「」引用。
「加尾が京都にいたのは文久二年(一八六二)までの三年間であったから、龍馬との関係は、おそらく安政六年の上京以前のことと思われる。江戸の千葉佐奈と、どちらが先であったかはわからない。-略-加尾は、この文久元年(一八六一)で二十四歳 。美貌の才女である上に、義侠心にあつい女性であったといい、土佐藩の下士たちが困窮しているのを救った逸話がいくつか伝えらている。」
ふんどしをもらった龍馬。下「」引用。
「ある日、西郷の留守中に、龍馬は自分の下着を何日も替えていないのが気になり、西郷の妻いとに頼み込んだ。
「一番古いふんどしをくださらぬか」
いとは、いわれるままに西郷の使い古しのふんどしを与えたが、帰宅した西郷にこのことを話すと、目から火が出るような勢いで叱られた。
「お国のために命を捨てようという人だと知らないのか。さっそく一番新しいのと替えてさしあげろ」
西郷がこんなに怒るのはめずらしいことだったから、この一件はのちのちまでいと夫人が覚えていたという」
ピストル。下「」引用。
「ピストルというのは、長州の高杉晋作と先ごろ会ったときに護身用として贈られたもので、六連発のリボルバー(回天式連発拳銃)だった。のちに龍馬が同社製のピストルを所持していたのは確かであるものの、このとき持っていたものもそうであったとはいえないのである。」
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もれていた薩長同盟……。下「」引用。
「一般に、薩長同盟はひそかに締結されたもので、幕府方には知られていなかったといわれているが、実際には締結の翌日には早くも漏れていたのである。」
岩崎、初の対面……。下「」引用。
「四月十九日、後藤は、そのころ長崎土佐商会の責任者をつとめていた岩崎弥太郎を呼び出した。岩崎は、安芸軍井ノ口村の地下浪人の出であったが、学才をもって郷士に復帰し、さらにら後藤に認められて長崎に招かれた人物だった。
年齢は、龍馬より一歳年長の三十四歳。記録のうえでは、これまでに龍馬との接点はなく、このときがはじめての対面ということになる。」
岩崎は龍馬に自腹で金を貸した。下「」引用。
「坂本というやつはなんと身勝手な男なのだろうと、岩崎は困りはてたが、結局、自腹を切る形で公金を借り、龍馬に与えることにした。ごつい顔に似合わない、人のいいところのある岩崎だった。
そのあと五十両の現金を持って、龍馬の宿へ岩崎がみずから出向くと、龍馬は大いによろこんだ。そして初対面の岩崎に酒肴をふるまい、二人はたそれがれどきまで談笑したという。金が手に入ると、とたんに機嫌のよくなる龍馬だった(『岩崎弥太郎日記』)。」
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