磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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バートランド・ラッセル著作集6 幸福論

2008年05月20日 | 読書日記など
『バートランド・ラッセル著作集6 幸福論』
   バートランド・ラッセル(著)/
     片桐ユズル(訳)/みすず書房1959年

人間は何のために生きているか……。そう聞かれたら、やはり幸福……という人が多いのではないだろうか?



しかし現実は……。下「」引用。

「種類はちがっても、不幸がどこででもあなたを出むかえることがわかるであろう。」

その現実をみないために、カルトの教えのようなものに熱狂する人たち。
--とても平和的ではない人たちにボクは思える……。

罪人と犯罪者とは異なる。
--このことを理解していない日本人は多い。下「」引用。

「わたしが「つみびと」というとき、これは犯罪人を意味しない。罪というものは、このことばの定義によって、すべての人によって犯されるかもしれないし、誰も犯していないことになるかもしれない。わたしは罪の意識をもちつづける人のことをいっているのだ。」

このことで、パウロのことも、理解できていない人が多い。
--親鸞の教えも同様ですね。

“魔女狩り”はスポーツ? 下「」引用。

「中世の村の冬の単調さを思ってみたまえ。人々は読んだり書いたりできない、暗くなってからのあかりはローソクだけ、ひとつの火のけむりが、ひとつしかない部屋にみちて、そこはそうさむくない。道は通行不能で、だからよその村からはほとんど誰も来ない。それはひどい退屈で、スポーツとして魔女狩りの実行にみちびき、これが冬の夜を活気づけることができたのだと思われる。」

--あきれた表現だと思う。
とても、スポーツとは思えない。

虚栄心を満足させて、幸福になれるのだろうか? 下「」引用。

「被害妄想狂は、ほんとに、あらゆる人々が彼ら自身の仕事と関心があるにもかかわらず、朝、昼、そして夜、あわれな精神病患者をやっつけようとして、いっしょうけんめいになっている、と空想する。おなじように、やや軽症の被害妄想のギセイ者は、あらゆる種類の行動に、彼自身に対する、ほんとは存在しない、言及をみる。この考えは、もちろん、彼の虚栄心にうったえるものである。」

著書は解決法としてこう書く。下「」引用。

「自己ぎまんにもとづいた満足はけっして確固たるものではなく、真実がどのようにつらいものであっても、一度おもいきってそれに直面し、それになれてしまい、それにしたがってあなたの生活を建てるようにした方が、いい。」

一般の享楽主義者ではないという。下「」引用。

「わたしはこの本を、享楽主義者として、つまり、幸福を善と見る人として書いてきたが、享楽主義者の立場からすすめる行為は全体としては、健全な道徳家のすすめるものとおなじである。しかし、道徳家は、もちろん全部がそうだとはいえないが、精神状態よりもおこないを強調しすぎる傾向がある。ひとつのおこないのその行為者への影響は、その人のそのときの精神状態によってずいぶんちがってくる。-略-」








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