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皇軍とアイヌ兵-沖縄戦に消えたアイヌ兵の生涯-

2010年08月09日 | 読書日記など
『皇軍とアイヌ兵-沖縄戦に消えたアイヌ兵の生涯-』
   富村順一・著/JCA出版1981年

庶民的なアイヌの人が書いた本のように思われます。



女郎に売られようとした母の妹。
結婚するとき、アイヌだと秘密していた父は200円で、それを阻止……。

アイヌと和人との結婚。下「」引用。

「アイヌの娘が和人の男と結婚することは、さほど珍しいことではなかったが、和人の娘とアイヌの男が結婚するということは、ほとんどなかったそうです。」

甲種合格となった著者。

罠をしかけたら、和人の狩人がかかり、逮捕された著者。

「日の丸」の旗がないのでリンチされた兄。下「」引用。

「「家には日の丸の旗がありません」と言うとおまわりさんと青年団長さんは顔色をかえ「それでもきさまは日本人か」と言いながら、おまわりさんと青年団長さんに泣きすがると、おまわりさんは私の髪の毛をつかみ、昨日の夜、降った雪が解けかかった泥の上に私を投げ倒しました。お兄ちゃんは雪の上に膝まづいていましたが、鼻から流れでている血を拭こうともしないであやまっていました。」

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兄、満州へ。満鉄鉄道工事の人夫達の飯炊き。

沖縄と言葉とアイヌ語。下「」引用。

「けれど沖縄では、お年寄りと孫達が沖縄語で何不自由なく話し合っています。
 沖縄の人達を見て、兄ちゃんはアイヌの人達も何故、沖縄の人達のようにアイヌの言葉を大事にしなかったのかと残念です。」

日本兵に射殺された友人チャチャ。下「」引用。

「上等兵の話から、チャチャを撃ったのは敵兵ではなく、同じ日本兵であることを知った時、僕はチャチャを殺した日本兵を殺して自分も死ぬ覚悟で、上等兵の持っている手榴弾をもらおうとしたところ、二人のやりとりを聞いていたマツ子が、フチ(おばあちゃん)に話したらしく、フチと二人で僕にやめるよう泣いて頼むので、仕方なく思いとどまった。」

沖縄人……。下「」引用。

「僕がこのにような手紙を書くのはアイヌと沖縄が独自の言葉を持ち、生活様式もシヤモ(内地人)と違うので、残されたマチ(妻)やトレス(妹)、カルク(弟)も戦場になれば、内地から沖縄人のようにされるのではないかと心配だからである。」

軍医模範にレイプ。下「」引用。

「軍医達は首里の司令部が敵軍に陥落されてからというもの、負傷兵の治療もろくにせず、人が見ていようとおかまいなしに看護婦と動物のごとく交尾している。
 軍医を見習ってか下士官も沖縄のメノコ(婦女)に手をだすようになる。
 沖縄のメノコの中には、私は軍人のマチ(妻)です。と言って抵抗しているメノコも居たが、多くは力ずくで将校達に犯される。」

軍医の日本兵虐殺……。下「」引用。

「支那大陸で戦争体験のある下士官達は若い少尉の言葉に耳を貸すどころか、貴様のような青二才にわかるものか等、ののしったので、若い少尉は、貴様達のやっていることはコツミ(戦争)ではない。壕の奥で看護婦達をもて遊んでいるだけだ。と言うや軍医が壕内の指揮官は俺だ。負傷兵を治療するのが軍医だ。ケスト、ケスト(毎日、毎日)、看護婦とイチャイチャしているのは軍医ではない。僕についてくる者は一緒に来い。と言って立ち上がると、五~六人の兵士が、お供します。と言い、若い少尉のあとについて壕の外に出て行ったが、彼等はすぐに軍医の命令で部下に射殺された。
 少尉達が軍医の命令で殺されたことを知った避難民達は以後、兵士達とは一言も口をきかなくなる。」

軍医略奪、子供をしめ殺す。下「」引用。

「若い少尉たちが軍医の命令で殺されてから、友軍に恐怖を感じた避難民達は、それまで兵隊さんと慕っていたが、今では湯呑み茶碗一杯のワッカ(水)も分けようとしなくなったので、軍医は避難民達に、貴様達はそれでもサマイーグル(日本人)か。と言い、力づくでワッカやエプ(食糧)を奪い取るようになる。
 五月二十三日から約一週間、雨が降りつづいた時、ワッカの苦労を知っている避難民達は一升瓶など、汲める物にはすべてエコイーオマレ(水汲み)で保管していたが、軍医達に奪い取られてしまった為、ワッカがほしいと言って泣く子供がでると、軍医達はワッカは奥にあると言い、エシコプ(親)から無理矢理、子供を奪い取り、壕の奥でしめ殺す。」

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