磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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65.盆踊り

2005年08月16日 | 【作成中】小説・メリー!地蔵盆



六、メリー!地蔵盆

65.盆踊り





「あのなー、幸江ちゃん、この釣り針くれへんか」
 雄二は幸江に相談した。

「なに。こんなのどうするの」
「あのなー、これを家に持って帰って、ヨーヨー釣りの練習をするんや」

「風船釣りの練習をするの」
「そうや、練習して、夜店で、風船のヨーヨーを取りまくるんや」

「そら、ええ考えや」
 池山が賛同した。

「あっ、ほんまやね。ええ考えやわね。でも、これが終わってからよ。終わったら用事ないからね」

 雄二は、終わった後に、釣り針をもらった。そして、何度も練習したが、上達することはなかった。



 雄二らは夕食を終えて、盆踊りに出かける。

「気をつけて行くんやで」
 盆踊り大会は雄二らが通っている学校の近くの学生寮の庭である。こちらは聖護院にあるのと違って日本人が住んでいて、お化けが出そうな、蔦のからまる古い建物であった。
 ふだんはラジオ体操をしている場所でもある。

「もう、盆踊り、はじまっているみたい」
 遠くから、かすかな音楽が聞こえる。

「早く、行こうよ」
 幸江は浴衣を着ていた。ジョンさんの手をとって、走りだした。下駄が石段とぶつかりあって鳴っているのが、心地よい。

 ジョンさんたちは、走ったけど雄二らは歩いた。吉坊もいるから気安く走れないのだ。
 会場につくと、幸江に誘われてジョンさんは踊っていた。ジョンさんは初め、まわりの人を見ながら、おとなしく踊っていた。

 馴れてくると、ジョンさんの炭鉱節の踊りはどじょうすくいのようにオーバーで、びっくりするほどだった。

 ジョンさんは目立つ。大きいだけでも目立つのに、面白い踊りをしているから、なおさら目立つ。幸江はジョンさんの後ろで笑いをこらえているので、ほとんど踊っていない。すぐに右手が口にいく。

「やぁ、香取ちゃんやないか」
 肩をたたく者がいた。ふりむけば、漫画の鉄人28号のような顔が白い歯を見せて笑っていた。

「あっ、太田か」
 太田はこの近くに住んでいる。クラスのボスって感じの男子だ。でも、浪花節の好きな人情家だ。小学生なのに浪花節を好きなのは、おじいさんがそれを好んでいたからだ。

 おじいさんもお父さんも警官という一家で、太田も将来は警官になるつもりだ。

「今日は本物の河内音頭がきけるで」
 太田のギョロ目が提灯の黄色い光で輝いた。




閑話休題


本日は大文字の送り火ですね。
平和を祈っていると信じて、
あの送り火をみている方々もおられることでしょう。

平和じゃなければ大文字の送り火もできません。

all about japanの方も、現地では「大文字焼き」と
いわれる方が案外多い? と書かれています。

話は変わりますが、
広島では原子爆弾のことを「ピカ」と呼んだり、
「ピカドン」という別名があります。

この違いは、「ピカ」
光った瞬間、気絶した人たちで、
爆心地に近かかったといいます。

また、「ピカドン」はそれよりは
比較的爆心地より離れており、
ピカと光ったあとに、ドーンと爆裂音がしたといいます。


京都の「大文字焼き」も
おそらくこれと同様に考えることもできるのでは?

山に近い者にとって、
「大文字の送り火」などという
弱々しいものではありません。

でも、街の中心地の人から見れば、
「大文字の送り火」がぴったりするのかもしれません。

この説は僕の思いつきです。
宗教的にはやはり送り火なんでしょう。

でも、閉鎖的な宗教行事ではないので、
「大文字は仏教の行事でしょう」といわれると、
「神社の鳥居(型)もあるよ」と現地の子はよくいっていました。







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