『語りつぐ戦争体験1 ぼくもわたしも梅の花』
日本児童文学者協会、日本子どもを守る会・編/草土文化1979年
さまざまな人がさまざまなことを書いている。
--知らない話もあった……。

■目 次■
*子どものとき戦争があった*
七つボタンと豚の尻 堀田三郎
きき書き 堀田勝美 6
混血少女の死 稲角良子 12
炭坑の捕虜 高橋功 25
中国に妹をのこして 木村和嘉子 34
*わが戦記*
ひんまがった日本刀 松山善次郎
きき書き 来栖良夫 46
第三二号駆潜艇 岩井忠雄 65
*疎開のうた*
大豆ふたつぶと本一冊 岡由岐子 95
のこされたはがき 台スミ子 105
ぼくもわたしも梅の花 斎藤和子 117
欄間(らんま) 東政治朗 123
*かくされていた戦争*
テニアン島の囚人部隊 石橋無事
きき書き 池田夏子 131
秘密の地下工場と朝鮮人 金今出、田村義正義
きき書き 池田久子 141
*村のはなし・町のはなし*
動物たちをころす 福田君枝 153
正直ものがバカをみた 今村千春 166
米つき千三○○回 松島晃良 171
煙のでない煙突 きき書き 佐々木栄子 178
あとがき 来栖良夫 187
「混血少女の死」稲角良子・著
青い目、金髪のハーフ。
--事故死。
アメリカをみたくて木にのぼり転落死……。
埋葬の時のすさまじい有り様……。
鬼畜米英の血が流れていたら、肉親さえもこんなふうに……。
--「戦争とは究極の差別」
まったく、差別とはおぞましく、そして恐ろしいものです。
もちろん、すさまじい有り様にかえたのは、「差別」する人たち……。
そんな人たちに心が動かされては悲惨な結末をむかえることだろう……。
--来栖良夫がきき書きをしている「ひんまがった日本刀」。
どうやら、満州事変のことらしい……。南京大虐殺ではない。下「」引用。
「さて、十二月二十六日、わたしは渤利鎮(ぼつりちん)についた。憲兵だから、上等兵でも日本刀をさげている。
「おう、松山上等兵、おまえ、いい刀をもってきたじゃないか。ちょうどいい。やつらのしまつをしよう。おれたちのの刀は、やたらにたたっきるから、刃こぼれして、やくにたたん」
と、さっそく留置場から中国人を一五人ほどひっぱりだした。そのとき、つかまっていたのは五○なん人でしょうか。留置場がいっぱいになると、つれだし、きる。これを「しまつする」とか、「厳重処分」とかいった。死刑ということばつかいませんでした。」
index
上官の命令で中国人を斬首。
剣道三段でも、そのような経験はないだろう……。
それを、あざ笑う上官。
同じ中国人をスパイに。下「」引用。
「わたしたち憲兵は、ひとりで一○人から一五人ぐらいの中国人スパイをつかいます。スパイになるようなものは、たいてい土地のきらわれものです。捕虜で、いのちをたすけられて、日本軍のいうことをきくようになったものもいます。これにお金をやったり、たべものや、衣服をくれたりして、つかう。このスパイが、おなじ中国人をつかまえてくる。」
戦争犯罪人……。下「」引用。
「わたしは中国で軍事裁判にかけられました。
「二○○人ぐらいは中国人をきっているから、りっぱな戦争犯罪人だ。どうせ死刑だろう」
と、ふてくされていましたが、懲役二○年の判決で、それも六年でだしてもらいました。」
「大豆ふたつぶと本一冊」岡由岐子
--学童疎開……。下「」引用。
「「わたしたちは元気です。おとうさんも、おかあさんも、お国のためにがんばってください」
そういう文面でないと、だせないことになっていた。つまり軍隊にはいった兵隊と、疎開学童とはおんなじだということだ。」
もくじ
「テニアン島の囚人部隊」石橋無事(ぶじ)・著
--当時、著者は海軍少佐待遇の軍医が、囚人労働者の医師としてテニアンへ。
このテニアンから、ヒロシマ・ナガサキのB29が飛び立った……。
INDEX
「秘密の地下工場と朝鮮人」……。下「」引用。
「朝鮮人の生活は、最悪で、栄養失調でたおれる人が続出しました。だから、口にはいるものならなんでもたべていました。田んぼや、道ばた、山の草はもちろんのこと、くさっておちた柿の実までたべました。“嫁ごろし”って毒草をたべてい死んだ人もいます。」
「動物たちをころす」福田君枝
--上野動物園のジョン、花子、トンキーなど動物たちの話。
index
index
もくじ
もくじ



日本児童文学者協会、日本子どもを守る会・編/草土文化1979年
さまざまな人がさまざまなことを書いている。
--知らない話もあった……。

■目 次■
*子どものとき戦争があった*
七つボタンと豚の尻 堀田三郎
きき書き 堀田勝美 6
混血少女の死 稲角良子 12
炭坑の捕虜 高橋功 25
中国に妹をのこして 木村和嘉子 34
*わが戦記*
ひんまがった日本刀 松山善次郎
きき書き 来栖良夫 46
第三二号駆潜艇 岩井忠雄 65
*疎開のうた*
大豆ふたつぶと本一冊 岡由岐子 95
のこされたはがき 台スミ子 105
ぼくもわたしも梅の花 斎藤和子 117
欄間(らんま) 東政治朗 123
*かくされていた戦争*
テニアン島の囚人部隊 石橋無事
きき書き 池田夏子 131
秘密の地下工場と朝鮮人 金今出、田村義正義
きき書き 池田久子 141
*村のはなし・町のはなし*
動物たちをころす 福田君枝 153
正直ものがバカをみた 今村千春 166
米つき千三○○回 松島晃良 171
煙のでない煙突 きき書き 佐々木栄子 178
あとがき 来栖良夫 187
「混血少女の死」稲角良子・著
青い目、金髪のハーフ。
--事故死。
アメリカをみたくて木にのぼり転落死……。
埋葬の時のすさまじい有り様……。
鬼畜米英の血が流れていたら、肉親さえもこんなふうに……。
--「戦争とは究極の差別」
まったく、差別とはおぞましく、そして恐ろしいものです。
もちろん、すさまじい有り様にかえたのは、「差別」する人たち……。
そんな人たちに心が動かされては悲惨な結末をむかえることだろう……。
--来栖良夫がきき書きをしている「ひんまがった日本刀」。
どうやら、満州事変のことらしい……。南京大虐殺ではない。下「」引用。
「さて、十二月二十六日、わたしは渤利鎮(ぼつりちん)についた。憲兵だから、上等兵でも日本刀をさげている。
「おう、松山上等兵、おまえ、いい刀をもってきたじゃないか。ちょうどいい。やつらのしまつをしよう。おれたちのの刀は、やたらにたたっきるから、刃こぼれして、やくにたたん」
と、さっそく留置場から中国人を一五人ほどひっぱりだした。そのとき、つかまっていたのは五○なん人でしょうか。留置場がいっぱいになると、つれだし、きる。これを「しまつする」とか、「厳重処分」とかいった。死刑ということばつかいませんでした。」

上官の命令で中国人を斬首。
剣道三段でも、そのような経験はないだろう……。
それを、あざ笑う上官。
同じ中国人をスパイに。下「」引用。
「わたしたち憲兵は、ひとりで一○人から一五人ぐらいの中国人スパイをつかいます。スパイになるようなものは、たいてい土地のきらわれものです。捕虜で、いのちをたすけられて、日本軍のいうことをきくようになったものもいます。これにお金をやったり、たべものや、衣服をくれたりして、つかう。このスパイが、おなじ中国人をつかまえてくる。」
戦争犯罪人……。下「」引用。
「わたしは中国で軍事裁判にかけられました。
「二○○人ぐらいは中国人をきっているから、りっぱな戦争犯罪人だ。どうせ死刑だろう」
と、ふてくされていましたが、懲役二○年の判決で、それも六年でだしてもらいました。」
「大豆ふたつぶと本一冊」岡由岐子
--学童疎開……。下「」引用。
「「わたしたちは元気です。おとうさんも、おかあさんも、お国のためにがんばってください」
そういう文面でないと、だせないことになっていた。つまり軍隊にはいった兵隊と、疎開学童とはおんなじだということだ。」

「テニアン島の囚人部隊」石橋無事(ぶじ)・著
--当時、著者は海軍少佐待遇の軍医が、囚人労働者の医師としてテニアンへ。
このテニアンから、ヒロシマ・ナガサキのB29が飛び立った……。

「秘密の地下工場と朝鮮人」……。下「」引用。
「朝鮮人の生活は、最悪で、栄養失調でたおれる人が続出しました。だから、口にはいるものならなんでもたべていました。田んぼや、道ばた、山の草はもちろんのこと、くさっておちた柿の実までたべました。“嫁ごろし”って毒草をたべてい死んだ人もいます。」
「動物たちをころす」福田君枝
--上野動物園のジョン、花子、トンキーなど動物たちの話。






