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「エントロピーとは、」

2014-02-23 09:23:27 | 日本

エントロピー (英: entropy) は、熱力学および統計力学において定義される示量性状態量である。当初は熱力学において、断熱変化の不可逆性を表す指標として導入され、後に統計力学により、系の微視的な「乱雑さ」を表す物理量という意味付けがなされた。 更に、系から得られる情報に関係があることが指摘され、情報理論にも応用されるようになった。 物理学者の E.T. Jaynesのようにむしろ物理学におけるエントロピーを情報理論の一応用とみなすべきだと主張する者もいる。

エントロピーは、熱力学、統計力学、情報理論など様々な分野で使われている。しかし分野によって、その定義や意味付けは異なる。よってエントロピーを一言で説明することは難しいが、大まかに「何をすることができて、何をすることができないかを、その大小で表すような量」であると言える。

エントロピーとは、「無秩序の度合いを示す物理量」である。

具体的に言うと、

「部屋が片付いている状態」(秩序ある状態) → エントロピーが小さい
「部屋が汚い状態」    (無秩序な状態) → エントロピーが大きい

ということだ。

無秩序であればあるほど、エントロピーの値は大きくなる。

エントロピー増大の法則とは、「自然(世界)は、常に、エントロピーが『小さい→大きい』という方向に進む。すわなち、自然は『秩序から無秩序へ』という方向に進む」
ということ。具体的に言うと、「整理整頓された部屋は、そのまま自然に任せておくと、 だんだん乱雑になりますよ~。勝手に整理されるということはありえませんよ~」ということである。

例えば、コーヒーにミルクを一滴たらして、ほおっておくと、ミルクはどんどん広がっていき、最後には、コーヒーと完全に混ざってしまう。
これはようするに、最初、一箇所に集まっていたミルクの分子が、時間とともに、散らばっていったという現象である。
つまり「一箇所に集まった状態→バラバラに散らばった状態」になったということで、
これを「エントロピーが増大した」と表現することができる。

また、逆に、散らばってしまったミルクの分子が、何かの拍子に、一箇所に集まるということは考えにくい。
つまり、「エントロピーが減少する」という現象は、不自然なのだ。

だから、コーヒーカップの中のミルクのエントロピーは、常に「小さい→大きい」という増大の方向に進んでいると言える。

この話は、宇宙全体でも同様に当てはめることができて、宇宙にあるすべての物質は、時間とともに、だんだんと無秩序な状態になっていき、それがもとの秩序に戻るということはない。

「宇宙は、時間とともに、エントロピーが増大する」というのが、物理学の常識である。


でも、中には、これに反対している人たちもいる。

「乱雑な部屋でも、人間が片付ければ、部屋は綺麗になるじゃないか!?人間の活動だって、自然現象の一部だろうが!!」という主張である。

この主張を大きく広げて、「生命活動は、エントロピー増大の法則に逆らう唯一の現象だ。生命は、現代科学には適用できない」と批判する場合もある。

なるほど。たしかに、人間が掃除をすれば、時間の経過とともに、「部屋のエントロピーは減少」していくように見える。

しかし、この主張は間違いで、実際には「部屋+人間」の全体のエントロピーとして考える必要があり、そうした場合、ちゃんとエントロピーは増大しているのである。

つまり、人間が部屋を片付けるためには、エネルギーを必要とするが、それは、人間が、食物を取って体内で燃焼させた結果である。

この燃焼によって「熱および老廃物」が生じる。この人間の行動によるエントロピーの増大分(肉体という秩序の消費)は行動結果によるエントロピー減少分(部屋の片付け)より大きいので、人間を含む部屋全体のエントロピーとしては、増大しているのである。

具体的にいうと、

A「え?部屋片付けてくれるの?でも、本当に散らかってて汚いよ~。掃除するのに、丸1日はかかると思うよ」
B「いいから。おれにまかせろ。エントロピー増大の法則という現代科学の常識が間違いだってことを証明してやるよ!」
A「うん、じゃあ、まかせたよ!」

そして、24時間後。

A「どう、終わった~?おお!部屋片付いている!すごいや、大変だったでしょう!?」
B「へへ……まあな……どうだ、エントロピー増大の法則って間違ってるだろ?」
A「うん、そうだね!……あ、あれ? でも、なんか臭うよ……」
B「いや……汗かいたし……。それに、この部屋、閉じられてて、トイレ行けなかったし……」
A「うわっ!部屋は片付いたけど、おまえ含めたら、前より汚っ!!」

ということである。


もっと正確には、
「閉じた系(システム)で、エントロピーが必ず増大する」ということで、エントロピー増大の法則が成り立つのは、「閉じた系」であるという前提があることを忘れずに。

人間は、供給したり排泄したりして、「閉じた系」ではないため、エントロピー増大の法則が、成り立っていない。

上の例では、B君が、掃除の合間に部屋を出て、トイレに行って、風呂に入って戻ってこれるという条件を追加すれば、問題なく「部屋+B君」のエントロピーは小さくなるが、この場合も閉じた系(システム)ではなくなる。
もちろん、「部屋+B君+トイレ+風呂」という全体で見たときは、エントロピーは増大している。








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