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「ヒマワリ ①」

2022-11-29 07:11:19 | 日本

◎概要

・学名Helianthus annus L.
・和名/別名ヒグルマ(日車)、ニチリンソウ
・英名Sunflower
・原産地/生産地アメリカ中西部
・分類キク科ヒマワリ属
・発芽地温20~25℃


①ひまわりの歴史
北アメリカ原産のひまわりは、古くからインディアンの食用作物として活用されてきました。16世紀にスペイン人の医師がアメリカ北部からスペインにひまわりの種を持ち帰り、栽培を始めたとされています。17世紀になると、ひまわりが観賞用の植物としてフランスやロシアに伝わりました。その後、オーストラリアや南アフリカなど世界中に伝わると、主に油の原料としての栽培されるようになりました。
ひまわりが観賞用として日本へ伝わったのは江戸時代とされています。明治に入ると油の原料や飼料として普及しました。現在もひまわりの種に含まれる豊富な栄養価は高く評価されていて、観賞用としてだけでなく、食用として長く重宝されています。


②ひまわりの花の特徴
鮮やかな黄色い花が印象的なひまわりは、草丈が3mを超える大きなものから、鉢植えでも育てられる草丈30cmの小さめのものまで、さまざまな品種が存在します。
ひまわりの花は舌状花(ぜつじょうか)で、花びらが1枚ずつ独立して並んでいます。両性花であるひまわりは、花びらに囲まれた中心部にある黒っぽい部分(筒状花:つつじょうか)がめしべとおしべの役割を担い、ここに種が実ります。

育て方によって、一株に一輪だけの花を咲かせることもできれば、摘心を行って草丈を調整し、花数を増やして一株にたくさんの花を咲かせることもできます。選んだ品種や仕立て方、摘心のやり方によって草丈や花数を変えられるのも、ひまわりの魅力です。
黄色い花を咲かせる植物としてお馴染みのひまわりですが、色や形のバリエーションも豊富で、定番の黄色だけでなく、濃いオレンジ色や赤褐色、紫、白色などの花を咲かせるものもあります。花びらの形も、細く繊細な形をした八重咲きの花びらや、もこもこして丸みのある八重咲きなど、特徴的なものを持つ変わり種があります。


③地植え適所
日当たり、水はけのよい場所が適地です。ヒマワリは荒れ地でも育つ丈夫な草花ですが、よく作るためには、有機物を多く含む肥沃な土にして作るようにします。
草丈と同じくらい根が深く伸びるので、深さ40cmくらいまで耕し、堆肥、腐葉土、元肥をすき込むようにします。
ポットに根が回ったら、苗が老化しないうちに定植します。ヒマワリは生長が早いので、肥料切れしないよう月に1度、追肥を与えるようにします。
なお、中高性種は、本葉4枚ぐらいの小苗のうちに1度摘心して育てると、姿よく咲かせることができます。


④タネまき
タネが大きく、まきやすい草花です。発芽適温は20~25℃、4~6月がまきどきです。移植を嫌うので、直まきします。高性種は30~40cm間隔、花壇用、切り花用の中高性種は20cm間隔に2~3粒ずつ点まきし、1cmぐらい覆土します。
まく場所が決まっていない場合は、ポットにまいて育苗します。7.5~9cmポットにタネまき用の配合土を入れ、1ポットに2~3粒ずつまきます。


⑤育苗
ポットにまいたタネは、1週間前後で発芽します。この間、水を切らさないよう注意します。育苗期間は3週間ぐらいです。
よく日に当て、本葉が出始めたら週に1度、液肥を与えます。本葉がよく展開したら、元気のよい苗1本を残すように間引きます。


⑥開花
蕾が見える頃になると、地上部が重くなり、倒れやすくなるので、支柱を立て、誘引します。
梅雨明け後、晴天が続いて土が乾くと下葉が落ちやすくなるので、株元に敷きわらをし、乾きがひどいときは週に1度、たっぷり水をやるようにします。
分枝の多い小輪咲きのヒマワリは、終わった花を切り取るようにすれば、株が弱らず、長く花が楽しめます。
熟したタネは、食用になります。また、実のついた枝を取り、ドライフラワーとしても楽しめます。


⑦病害虫
アブラムシ、ズイムシがつくことがあります。
最近多くなったハモグリバエは、根から吸収させて効果のある殺虫剤を株元にまいて駆除します。
雨が多いと発生するべと病は、長雨のあと、殺菌剤を散布して駆除します。


⑧各国のひまわりの種類
・ロシア
ロシアの国花として多く栽培されている品種です。草丈が2mにもなる大きな品種で、直径が30㎝にもなる大輪の花を咲かせるのが特徴です。花びらの先端が明るい黄色で、まるで太陽のような見応えたっぷりな姿を見せてくれます。日本でも栽培されているロシアのひまわりは、土質を選ばないため、大きな花壇がある場合は育てやすくおすすめです。

・タイタン
ひまわりの中でも一際大きく育つ品種のひとつがタイタンです。花の直径が40cmを超え、草丈も3m以上になるものもあります。タイタンは観賞用としてだけでなく食用品種としても知られています。大粒の種を塩ゆですると美味しく食べられます。

・モネのひまわり
さまざまな品種があるひまわりの中で高い人気を誇るのが、画家シリーズと呼ばれるものです。モネの名前にちなんだ品種として有名なモネのひまわりは、八重咲きと呼ばれる品種のひとつです。レモンイエローの鮮やかな花びらが特徴で、種まきから2ヶ月くらいで花を咲かせます。

・ビンセント
画家シリーズのひとつで、ビンセント・ヴァン・ゴッホの名前にちなんだ品種です。上を向いて花を咲かせるのが特徴で、草丈は150cm以上、花の直径は15cmくらいです。ビンセントネーブル、ビンセントオレンジ、ビンセントポメロなど、花の色に合わせてバリエーション豊富なネーミングがつけられています。八重咲き品種のビンセントはボリューム感があるうえ、花粉も出ないことから切り花用のひまわりとして人気があります。

・ゴッホのひまわり
ビンセントと同じく、ゴッホの名前にちなんだ品種です。ゴッホの描いたひまわりの絵をイメージしていると言われるゴッホのひまわりはアメリカ原産で、初心者でも育てやすい丈夫なひまわりです。一重咲きと半八重咲き、八重咲きと、いろいろな咲き方をするのが特徴です。花粉が出ないので切り花用のひまわりとしても利用されています。庭を華やかに彩るゴッホのひまわりは、うまく育つと草丈が180cmほどになるものもあります。

・プラドレッド
草丈が140cmほどの細身のプラドレッドは、黒みがかった濃赤色の花びらが印象的なひまわりです。花の直径は15cmほどで、分岐性に優れることから多くの花を咲かせます。プラドレッドは、インパクトのある個性的なひまわりのなかでも花持ちが良く、育てやすい品種です。

・テディベア
その名のとおり、ぬいぐるみのテディベアが由来の品種です。短小性のテディベアは、草丈は60cmから80cmです。もこもこと丸みのある見ためが特徴の八重咲き品種で、オレンジ色の花びらがいくつも重なっています。思わず抱きしめたくなるかわいい姿が特徴のテディベアは、変わり種のひまわりの中でも特に人気が高い品種です。