龍の声

龍の声は、天の声

「ブナガヤは、沖縄県に伝わる妖怪」

2022-05-21 18:06:23 | 日本

◎概要

普段は川底に住み、保護色によって姿を隠しており、人間と関り合いになることはあまりない。
人間の子供が誤ってブナガヤの手を踏んでしまうと、その手にブナガヤ火(ブナガヤび)と呼ばれる火をつける。また足を踏むと、同じようにブナガヤ火によって火傷させる。このブナガヤ火は通常の火と異なり、青みがかった色をしているという。かつてはブナガヤ火で子供が火傷をすると、土地の年寄りたちが呪文を唱えて火傷を消したという話もある。沖縄本島北部の大宜味村では戦後まで、旧暦8月頃に巨木の上や丘の上に小屋を立ててブナガヤの出現を夜通し待つ「アラミ」という風習が行われていたという。
人間と関わった数少ない事例では、大正7-8年頃、砂糖を作る農民の元に毎晩来ていたブナガヤを捕まえて、サーターグルマ(砂糖車)の圧搾口へ押し込んだら、潰れたらしく、血まみれになったという話がある。

沖縄県の妖怪ではキジムナーがよく知られているが、ブナガヤも地元ではキジムナーと同様に知られており、企業の名や飲食店の名にも用いられている。大宜味村でブナガヤをモチーフとした商品やイベントなどによる村おこしが行なわれており、全国から一般公募されたイラストをもとにした赤毛・半裸の少年のような姿のブナガヤがイメージキャラクターとなっている。


◎ぶながやで村おこし

1998年、大宜味村は村制施行90周年記念事業の一環として「ぶながや」による村おこしを企画しぶながやキャラクターを決定、「ぶながやの里 大宜味村」を宣言した。
東京工業大学名誉教授 阿部統先生は基調講演の中で
・大宜味にぶながやの物語があるのは文化が豊かだから。
・妖精が活躍できるのは、森や川、美しい海があって、自然が豊かであること。
・ぶながやは心優しい村民一人ひとりの中に存在している。
と語られた。

私達は、これまでぶながやと共生してきたことに自信と誇りをもち、ぶながやを村おこしのシンボルとして活かしていくため、現在、土産品の開発、名所づくり、民話、童話、創作劇、イベント、モニュメント等、みんなで知恵を出し合いながら村おこしに取り組んでいる。


◎ぶながやの素顔

【ぶながやの特徴】
・からだ全体が赤くて、子供のように小さい。
・赤い髪をたらしている。
・赤い火を出したり、火のように飛んだりする。
・山や川や木の上でみかける。
・漁が上手で、魚やカニを食べる(魚は目玉だけ)。
・すもうをとるのが好きである。
・木(薪)を持つなど人の加勢はするが、里には入らない。
・人なつっこく、自ら人に害を加えることはしない。
・祈願によって追い払うことができる。

【ぶながやと友達になる法】
・ぶながやの世界の要素である山や川や海や木や土や風や水や動物が好きであること。
・ぶながやは自然そのものであるが、雷や嵐は恐がるし、大きな音はきらいであるので、大きな音はたてないこと。
・ぶながやの心は清純そのものであるので、悪ふざけをしたり、何かの目的に利用しないこと(すればたちまちいなくなる)。
・ぶながやは人の心を直観でき、心が優しいので童心でつき合うこと。
・ぶながやは威張ったり、いい身なりをしたりはしないし、特に力があるのでもないが、どこかで出会ったら、顔笑みをなげかけるか、できたら手を差し出して握手をすること。同情する必要はない。そうすれば友達になれる。
・ぶながやと友達になったら、邪心や策心や偽心や威心を捨てて真に豊かな発想を楽しむこと。そうすればぶながやは逃げたりはしない。
・ぶながやの得意な漁を一緒に楽しむのもよい。また、取った魚をくれたりするので喜んでもらい、たまには一緒に食事をするとなおよい。
(資料:喜如嘉誌)


◎創作民話「赤毛のぶながや」

むかしむかしのこと。首里の王様は村々におふれを出して「百姓は大きな家をつくるな、穴掘り屋に住むように」と命じました。
ところが、ある年のこと、大宜味間切の屋嘉比村のタルミーじいさんが、こともあろうに、一夜のうちに大きなかわら屋を造ったそうな。そのうわさはたちまち王様の耳にも届きました。
「百姓の分際で王に逆らうとは、ふらち千万、即刻そやつを捕まえてこい」  かわいそうなタルミーじいさん。ぐるぐる身縄をかけられて、王様の前にひきだされました。
「本当のことを話せ、かわら屋を建てたのはだれだ」 「なにとぞお許しください。それは山原のブナガヤのしわざでございます」
「さてさて、ブナガヤとは何者だ、どういうわけで大屋を建てたのだ」
それから、タルミーじいさんの話が始まりました。
五月の朝早く、材木を切り出そうと中山にのぼり、美しいカシの木を見つけたじいさん。おのを振りかざそうとすると、突然木の葉が吹き巻き前が見えなくなりました。
木のこずえの上で竹笛を吹いているのは、まるいお腹に出べそがひとつ、赤毛、はだかん坊のブナガヤだったのです。「許してくれ、おまえたちの木を倒すのはやめるから、代わりの木を探しておくれ」
すると、ブナガヤは、
「おれたちの好きなカニやエビ、魚の目を集めてこい。そしたら山一番の木を選び、じいさんの家へ運んでやろう」
じいさんは、カニやエビ、魚の目をたくさんとり集め、のき端につるしておきました。
ある真夜中のこと、どしんどしんという物音に目をさましたじいさん。屋敷内の畑をみると、さあたいへん。数多くのブナガヤたちが、ありのように寄り合って家造りをしていたのです。
じいさんが、あまりの器用さに見ほれているなか、柱貫き立て、棟を上げ、赤瓦のせて造りあげた貫木屋こそ、ブナガヤが建てた大屋だったのです。
「それがほんとうなら、悪者はブナガヤだ。すぐに捕らえてこい」と王様は家来に命じました。
じいさんは、なんとか許されたということです。


◎ぶながやとの出会い

喜如嘉、謝名城の人々がぶながやに対して格別の関心を持ち、一種の恐怖心を抱きながらも、ぶながやの季節ともなれば(旧の8月)まるでその来訪を待ちわびていたかの如くに、巨木のてっぺんにヤング寬ー(架け小屋)を造ったり、山やまの中腹や小高い丘にヤード蓜イ(小屋)を作ってたてこもり、徹底して、ぶながやの出現を今か今かと待ち望んだ。その風習をアラミと呼んでいたが、遠い遠い祖先から受け継いでいる伝統的な行事で、つい近年(戦争直前)まで賑やかに行われていた。
私の幼少のころ(大正の初期)にはその数が50くらいに及んでいた。月が西の山に落ちかかることになると、みんな息を殺して、ぶながやがでてくるという山や川や田園を見つめて出現を待ちわびた。
小屋がけをしての「ぶながや観望」という風習は沖縄各地にあったようだが、村をあげての大々的なアラミ行事は、先ず沖縄では喜如嘉部落、謝名部落を筆頭とする大宜味一帯だけではなかったかと思っている。
このことはその一帯がぶながやにとって安住の地であることを物語っている。
更に一歩踏み込んで考察してみると、この地域の住民の人情美を証拠だてるものと思う。
山城善光「ブナガヤ」実在証言集より















「上海電力、咲州メガソーラー入札疑惑」

2022-05-21 07:13:40 | 日本

橋下徹氏が自身のYouTube番組newsBAR橋下2022/05/07にて、北村弁護士をゲストに、咲州メガソーラー開発事業に上海電力が入札で参入し、WTOルールで事業者の排除は出来ないと強弁を振るった。

これは、中国の国営企業と言っても過言でない同社が、この大阪での事業参入を皮切りに日本各地での同様の事業に参入し、エネルギー安全保障上の問題を指摘される状態に陥っている現実に対して、それを誘導したと疑惑が当時大阪市長である橋下徹氏に向けられ、説明責任を果たすべきだと北村弁護士が指摘したことに対するものだ。
説明は簡単に言うと、入札だから排除できない。WTOルールを知っているのかと無知を論う内容だった。
しかし、上海電力は入札によって事業参画した訳では無いのが事実なのだ。


◎咲州メガソーラー関連入札とは

本事案の入札で確認できるのは、咲州メガソーラーの発電用地の不動産賃借契約であり、その条件付き一般競争入札だけなのだ。それには伸和工業と日光エナジー開発の日本企業2社が落札している。550,001円/月で落札し、その10日後に伸和工業が合同会社咲洲メガソーラー大阪ひかりの泉プロジェクトを設立、この合同会社に出資の形で上海電力が実質的事業者になったのだ。

落札後、僅か10日間で会社設立、出資というのは事前準備が無ければ不可能だろう。つまり、実態を隠しての入札参加スキームの出来上がりなのだ。
入札されたのは不動産賃借契約だけであり、その地での開発事業、電力事業に関しては入札でも何でもないのが事実である。つまり、上海電力を参入させるスキーム自体は入札案件ではなく、橋下氏が主張するWTOルールなど全く関係ない。いやむしろ行政が関与しない野放しでの決定なのか、或いは、予め指定していた事業者を隠して誘致した疑いが生じているのだ。
上海電力のホームぺージに記載されている『この事業は大阪市により招致いただいた』というくだりを疑う向きもあるが、想像するにこれは翻訳ミスで、正確に意訳すると『この事業は大阪市の入札により参入した』としていいだろう。
従って、『招致』を行政が指名した様に解釈するのは間違いだろうが、発電事業は『入札』も実施されておらず、この説明は虚偽と言っても過言ではないのは間違いないだろう。


◎山口敬之氏による公開質問

ジャーナリストの山口敬之氏はこの疑いに対して、当時の大阪市長である橋下徹氏に公開質問をYouTubeにて実施した。以下がその質問内容である。
1.上海電力の参入が入札というなら、入札日時とその内容を明確にせよ
2.上海電力を発電事業に招致したのは大阪市の誰で、どのように招致したか
3.2013/9~2014/3の間、上海電力関係者に何回面会したか、その場で咲州電力開発事業の話をしたか

1. に関しては、入札であり事業者として拒絶できないとする橋下氏の論理が正当ならば、入札実施の事実関係を明らかにせよという事であり、事実入札していないだろうから、橋下氏の虚偽説明が明らかになるだろう。
2.『招致』という言葉が額面通りであればその実態を明確にできれば一大疑獄に発展するだろうし、もし『入札』が正しいと解釈するならば、1.の質問と重なり、表立った入札には姿を見せない『ステルス入札(山口氏造語)』が疑われる。
3. 実際に上海電力関係者とのつながりがあれば便宜を図り、全国展開のきっかけを作りスキームを完成させた一大疑獄になるだろう。

しかし注意しなければならないのは、違法性があるのかだろう。例え便宜を図ったとしても、金の流れがなければ疑獄には発展できない。入札案件でなく、事業者排除の論理も働かせられないと言う強弁も通るかもしれない。
これは当人の説明などは期待できないだろう。なぜなら表向き違法性が無いと言う強弁が通るだろうからだ。捜査で立件でもしない限りだ。
但し、北村弁護士とのやり取りでの、入札だから問題無いと言うのは現時点で虚偽説明であり、WTOルールを持ち出して煙に巻く方法も批判されて然るべきだろう。そして違法性が無くとも同義的に問うこともあるだろうが、その場合は当人と言うよりも、同氏を出演させる放送局、スポンサーが考えるべきだろうし、視聴者として局へ意見発信するべきだろう。


◎もう一つの視点、エネルギー安全保障の観点

橋下氏の言い逃れの強弁はどこまで行ってもその場の強弁に終始し、過去とのつながりのない矛盾だらけで実りの無い議論にもならない喧嘩にしかならないだろう。
しかし日本の国家として、エネルギー安全保障の観点で現在発生している状態をどの様に考え、どう対策を講じるかは、建設的な別議論が必要だ。それこそ当時の責任論は検察の捜査にでも任すとして、今目の前にある事実は目を背けられないからだ。
エネルギー自給自足の問題、有事の際に、敵国に我が国のエネルギーの喉元を抑えられた状態をどう考えるかだ。

特に維新は、参議院選挙に向けて、この点を明確に有権者に政策として示すべきではないだろうか。行政の不作為であろうと、陰ながらスキーム構築し実質的に誘致したのであろうとも、きっかけを作った大阪の責任政党として、このままメガソーラー事業を野放しして良いのか、野放し出来ないなら、どの様な法案、制度改正でこのリスクと向き合うのか、国政レベルの公約にするべきだろう。

筆者としては、国益観点で見れば、例え賠償金が発生するとしても、それは損切りしてでも契約破棄し、国内事業者に移管するべきではないだろうかと考える。
こういう事を一つ一つ、鉈を振るって行かない限り、経済安全保障、エネルギー安全保障等遠い夢の話に終わるだろう。