龍の声

龍の声は、天の声

「歴史に学ぶとは、具体的に何を学ぶことなのか②」

2018-10-12 06:13:00 | 日本

とはいえ、歴史は、中国の現実を見て中国を把握することこそ必要であることを教えている。
それ故、我が国の貴重なその系譜の先駆けである情報将校福島安正の明治十二年の清国偵察報告「隣邦兵備略」の結論を紹介する。
まさに、現在の習近平の中共を描写するが如き報告である(岡田幹彦著「日本を護った軍人の物語」)。

「清国の一大弱点は公然たる賄賂の流行であり、これが百害の根源をなしている。
しかし、清国人はそれを少しも反省していない。
上は皇帝、大臣より、下は一兵卒まで官品の横領、横流しを平然と行い、贈収賄をやらない者は一人もいない。
これは清国のみならず古来より一貫して変わらない歴代支那の不治の病である。
このような国は日本がともに手を取ってゆける相手ではありえない。」
これ、現在の習近平の中共にも訂正する箇所はなく当てはまるシナ見聞記でもある。
情報将校福島安正、後の陸軍大将が偵察に基づいて記した結論、「このような国は、日本がともに手を取ってゆける相手ではありえない」これは、まさに百四十年後の現在の我が国の結論でなければならない。
現在、中共は中国共産党独裁国家であり、本年、その主席の習近平は、任期なしの終生主席、つまり、皇帝となり、国民に対する言論統制を強化し、人民に密告を促し、自由を求める人民を牢獄に閉じ込め、ウイグル、チベット、モンゴル、満州の他民族をジェノサイドし続け、守銭奴のように世界の富を集め、中華民族の世界支配を夢想する。
このような中共は、人類の疫病神である。
中国共産党独裁体制は、人類の文明の名において打倒しなければならない疫病である。
 

次に、ロシア人は約束を破るために約束をする。
この言葉が真実であることを、我が国は民族の実体験として痛切に知ったではないか。

大東亜戦争終末に当たり、ロシア(ソビエト)は、日ソ中立条約を破り、満州と樺太と千島に軍事侵攻して数十万の日本兵と民間人を抑留して昭和三十一年まで十一年間も重労働に従事させ数万人を死亡させた 。
さらに、ロシアは、現在に至るまで、その時軍事占領した国後、択捉、歯舞そして色丹の我が国固有の領土を不法占拠して返さない。
しかし、他方で、現在のロシアのプーチン大統領は、我が国の安倍総理と何度も会談を重ねて、両者は、「シンゾウ」、「ウラジーミル」と呼び合って親密さをアピールしている。
これをどう受け止めればいいのか。
その理由は、単純であり、プーチンは、ロシアの西のクリミアとシリアで手がいっぱいで、東の日本から資金を引き出そうとして微笑んでいるだけだ、
と断言できる。
プーチンは、安倍総理に微笑みながら、我が国固有の領土の国後と択捉に平然とミサイル基地を建設し、南シナ海で中共軍と中ロ合同軍事演習をしているではないか。

また、プーチンは、ソビエトのKGBで出世した「共産党エリート」であることを忘れてはならない。
戦後ソビエトに十一年間抑留された北海道大学教授内村剛介は、著書「ロシア無頼」の中で、共産党エリートを次のように書いている。
「無理難題に処してたじろがず、手段を選ばない者が共産主義的エリート・コースに乗る。
・・・そしてこのオルガナイザーは、当然親友を裏切ることを屁とも思わない。
オルガナイザーは裏切り者でなければならない。」プーチンは、立派な大胆不敵な裏切り者である。
ソチで平和の祭典冬季オリンピックを開催して世界の目をソチに集めながら、その間に、ソチの南西のウクライナのクリミアを武力で併合する準備を整え、突如、クリミアに侵攻してそこを領有した。
これ、手段を選ばない、裏切ることを屁とも思わない共産党エリートの所業である。

このスターリンと同じ、ダッタンの皮を被ったルーシー、ルーシーの皮を被ったダッタン、が言うことを聞くのは、困ったときだけだ。
スターリンが日ソ中立条約を締結したのは、西からナチスドイツが攻め込んできたからだ。
ロシアが、アラスカをアメリカに超低価格で売却したのは、西のクリミアでの、イギリス・フランス連合軍との戦争でくたくたになり金に欠乏したからだ。
北方領土は、安倍総理とプーチンの「個人的友情」では帰ってこない。
彼との「友情」に頼れば、騙されるだけだ。
我が国が、プーチンを西でくたくたにさせ生命の危機を感じさせたときに勝機が訪れる。