龍の声

龍の声は、天の声

「エレベータ・ビッチとは、①」

2013-02-04 07:41:08 | 日本

アメリカにエレベータ・ビッチという言葉がある。起業家が投資家に事業の説明を行うときに、エレベータに乗っている3分内に、わかり易く1枚のサマリーですぐに投資家を虜にできるようなものでないといけないというものである。
2回にわたり記す。



事業計画を作成するときには内容の具体性とともにわかり易さも重要だ。またデータも重要。数字で事業の将来性を具体的に示さなければならないことはもちろんなこと、全く新しい製品に関する予測データが取得不能な場合でも、代替の製品のデータなどを用いてマーケットなどの情報などを準備し、成功を予感させるものでなければならない。

あなたのその事業計画は、ワクワクする衝動と感動を与えることができますか?

エレベーター・ピッチとは、ITの本拠地である米シリコンバレーが発祥。ここでは、次のGoogleを目指す多くの起業家たちが日に数十件の投資案件を目にするプロの投資家たちに自分のビジネスプランをアピールする。

そんな中、「起業家はエレベーターの中で投資家に会ったら、自分のビジネスプランを30秒で的確に伝えられなければ未来はない」と言われてきた。これがエレベーター・ピッチ(“ピッチ”は「説明する」の意味)なのである。

30秒であなたはどれほどしゃべれるだろうか?ゆっくり話すプロのアナウンサーで、1分あたり400字強、久米宏さんのような早口であれば500~600字くらいだそうである。そう考えると30秒で説明できる文章はせいぜい250字程度だ。この字数で、あなたは自分が誰で、何を提案し、相手にとってどんなメリットがあるのかを説明できなければいけない。

エレベーターの中だけではなく、常にプレゼンの内容は30秒で要約できるようにしておくべきだ。1時間のプレゼンに馴れてしまい、ポイントだけを短時間で伝えることができないと、せっかくのチャンスを無駄にすることになる。

かつてホテルの前で、かのウォーレン・バフェット氏(米国の投資家。世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主で、同社の会長兼CEO)に自社の魅力を30秒で説明した経営者がいた。1年後、その会社はバフェット氏に好条件で売却された。バフェット氏を見かけたその経営者が、30秒をなんとなく過ごしてしまったら、その成功はなかっただろう。

「伝えたいことを30秒、250字で」は時短になるだけでなく、チャンスを確実にものにする必須テクニックである。