指差せば、買ってくれる人

【指差せば、買ってくれる人】


最近、時々、モコが帰ってきます。

モコとは、私の１３才、年の離れた妹です。

ウチのおやっさんと、おふくろさんは、けっこう歳をとってから授かった子なので、かわいくてかわいくてしょうがないっていう感じでした。


そのモコが、息子のナリ（１才半・孫ですね）を引き連れて実家に泊まりに来るのだから、最強です。

駅まで迎えに行って、駅のとなりのデパートへ行くと、【クルマ好きのナリ】が、トミカを指差して、「わぁ～！」って大喜びするそうです。

おやっさんは、

「どれや？どれがよかとや？」

って言って、指差すトミカ（ミニカー）を次々に買ってやるそうです。


おふくろは、言います。

「だって、中途半端にお金を残して、兄妹仲が悪くなるくらいなら、なんにも残さんで死んだほうがよかろう。」

「あの世に（お金）をもって逝けるわけやなし、ナリちゃんが喜んでくれるなら、よかろうもん。」

ってね。


そんなことを言うので、私も、

「そうくさ、そうくさ！ナリが喜ぶ顔見るとに、たった、トミカが何台かげな、安かもんたい！ナリが喜ぶならよかくさ。」


「そこで、相談なんやけどさ、ナリちゃんば、喜ばしたあとはさ、ヒロちゃんも喜ばしてやろうよ。

俺、さっきから、指先から血が出そうなくらいな勢いで、CB１１００を指差しよるっちゃけど、見えとる？

ほらほら、５０手前のおっさんが、こんなに健気にバイク指差しよるの、見えよる？」


って言うと、オヤジは、大爆笑しながら、

「おまや～、おもしろかね～、かあさん、おらぁ寝るぜ。」

って、言いながら、仏壇にまいって、寝に行ってしまいました。


さすがに、そこまでは、ボケてなかったか。

チッ。
　　_, ._
（　゜ Д゜）