いま読んでいる本がおもしろいのです。
『歴史と人間』の9章部分がとても気になります。
アメリカの女性歴史家ナタリー・Z・デーヴィスが、
「にせ亭主事件」として、実話をもとに書いています。
以下、あらすじ抜粋文
舞台は、16世紀半ばの南フランス、ピレネー山麓の寒村である。
家出したままの夫になりすまして帰村した男アルノー・デュ・ティルが、
妻と家庭を営み、子供までもうけるものの、
にせ者だと訴えられて裁判となる。
けれども、
決定的な証拠もなくて、このままだと無罪放免だという時に、
本物が12年ぶりに帰って来て、にせ亭主は
処刑されるという実話である。
市井の名もなき市民のはなし、
しかも16世紀当時のアルティガ村は戸数60~70の寒村でした。
この「にせ亭主事件」の裁判記録は、判決文しか残っていないのです。
でも、この事件を担当した判事のジャン・ド・コラが詳細な記述を
『忘れがたき判決』として出版していたのです。
これらの資料をまとめて、ナタリー・Z・デーヴィスが
1993年に『帰ってきたマルタン・ゲール』という
本を出版しました。
リチャード・ギアとジュディ・フォスターの映画も公開されました。
「ジャック・サマースビー」
脚色されて、南北戦争からの帰還者の設定でした。
以前私は、この映画を観たのですが、
こんな背景があっての物語だとは思ってもいませんでした。
1556年の夏、にせ者が「マルタン・ゲール」を名乗って
アルティガ村に出現して、事件がはじまるのです。
知らないことを知るって、楽しいですね。
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