雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

怪談

2010-08-14 | 雑記
 夏なので、怖い話でもいっておこう。
 
 カミさんの職場にいる、二十代後半の癲癇持ちの男の子から聞いた話だ。
 たぶん、大方の若者がそうであろうと思うのだが、18、19で車の免許なんぞを取ったらまずは友達と一緒に夜通し街を徘徊したくなるものであろう。また、その流れは地元の心霊スポットなんぞにも及ぶのは、決まりきったことだと思う。
 そう、そして彼もご他聞に漏れず、彼の友人が免許を取ったばかりのころに、友人の運転する車の助手席に座って街を徘徊し、そして徘徊の末の心霊スポット行きとなる。
 そこは地元の、ある有名墓地でそのテの話は尽きないところなのであるが、彼の場合はこんな具合。
 その墓地に向かうまでは少々距離があり、というか、かなり規模のある墓地なのでどこからどこまでということもないのだけれど、その霊園地帯に夜入るとかなりの暗黒が支配している。その暗黒の只中を「こえぇな~」、「やっべぇよな~」などと互いに虚勢し合っているのか、それとも「幽霊なんているわけねーよな」なんていう感で本当の冷やかしができていたのかは知らないが、きっと「ビクビク」と「ワクワク」の間くらいの気持ちでその道を走っていたのだろう。
 が、突然、

 バーン!

 といった、もの凄い音と衝撃が車に生じたそうだ。
「何事か?」と、すぐさま車を止め、二人は外に出て車を確認した。
 すると、リアガラスのど真ん中に二つ、両手のひらの跡がくっきりと残っていたそうだ。
 それを見た二人は、これ以上進むことなどできるはずもなく、逃げるように帰ったそうな……。



 で、ここまでなら、よくある話であろう。しかしながら、この話には後日談というか、なんとも気の利いたオチがあった。

 その癲癇持ちの彼曰く、「そのときからなんです……癲癇になったのは……」


 いやいやいやいやいや!

 それ、絶対なんかに憑依りつかれてるって!






 
 ちなみに彼は癲癇持ちということで、未だ免許が取れないでいるそうな。
 
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