雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

割礼

2007-06-21 | 思い出
【割礼】 陰茎の包皮を切りとる風習・儀式。


 今日仕事中、唐突に保育園の頃のことを思い出した。

 そう、僕の通っていた保育園では入園と同時に男の子たちは割礼を受けるのが古くからの習わしであった・・・。


 ハイ、嘘です。


 では、本題に入りましょう。

 あれは僕が年長組だった頃だ。その頃の僕らは人間の汚らしさや厭らしさ、世の中の醜さ、非道、日常と隣合せの悪業などなど、社会に蔓延する闇には目を向けることもなく、また、知ることもなく、ただただ無邪気に、よく遊び、よく食べ、よく寝て、笑ったり泣いたり怒ったり、ときには拗ねてみたりなどしながらも、日々の平和を謳歌していた。

 そんなある日、僕らの平和な園内に、恐ろしく悲痛な叫び声がこだました。それはまさに、銃で撃たれた獣が発する、嘆きとも怒りとも戸惑いともつかぬ獰猛な雄叫びであった。

 僕らの面倒を看ていた保育士さんたちは「何事か!」と、すぐさま声の上がった方へかけ向かっていった。
 幼い僕らも、恐怖心こそあれ、それに勝る好奇心によって身体が勝手に動いて、みんなでトタトタと保育士さんのあとをついていった。

 そして着いた先は、トイレ、であった。

 そこには、股間を押さえ悶絶し、泣きじゃくりながら床の上で身を縮こまらせている一つ年下のイシグロくんが、いた。

 そう、彼は、その穢れなきチンチンをチャックに挟み込んでしまっていたのだ!

 保育士さんたちは懸命にソレを外そうと試みるのだが、外そうとすればするほど、イシグロくんの痛烈な叫びと嗚咽が増すばかりで、皆一様に焦りを見せるばかりである。

 僕らもはじめのうちは「バカだー」と、嘲笑って見ていたのだが、イシグロくんの苦悶に歪む表情がますます酷くなってゆくにつれ、幼心にもこれはシャレにならんなぁ・・・と思ってきて、尚且つ保育士さんがいつになく尖った声で「あっち行ってなさい!」などと言い放つので、僕らは踵を反し、みんなでトタトタと教室へと走っていった。

 で、あるからして、僕はイシグロくんがその後どうなったのか、どうしたのかを、知らない。なんとか上手い具合に保育士さんが外したのか、それとも専門の病院へ向かったのか、はたまたレスキューの人などを呼んだりしたのか、結末は、僕らの知る由では、なかった。


 さて、そんなワケなので、もしも、この記事に憶えのあるイシグロくん、もしくはそんなイシグロくんを知っている方がいたなら、どうかご一報願いたい。
 
 あの後、君は、どうなったのか?どうしたのか?
 
 そして、イシグロくん。今、君のチンチンは、どんな塩梅だい?
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