雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

新参者/東野 圭吾

2009-10-22 | 小説
 傑作。いやホント、久しぶりに「東野圭吾やるじゃん」と思った。

 最近流行の連作短編(流行ってるよね?)で、ひとつひとつは地味な話なんだけれど、それらが緻密に繋がっていて、ついには事件が解決していく。言ってしまえば伊坂幸太郎っぽいな、ってとこだけど、そこは御大東野圭吾。読ませる力がもの凄い。これ読むと最近の作品(パラドックス13、とか夜明けの街でなど)はいかにも書き散らしているだけだろ、って。

 ガリレオの膝の上で胡坐をかいてるだけじゃ、やっぱ駄目なんだよ。

 エンターテイメント性は薄いけれど、昨今の文芸ミステリーには呼応している感じ。でもなんとなく、「湯川」の次は「加賀」という思惑が見え隠れしているように感じるのは私の穿った見方だろうか?

 ともかく今作は、久しぶりに面目躍如といった具合の傑作でした。
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