雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

水曜日の神さま/角田 光代

2010-09-25 | 小説
 なんだか、『小説』カテゴリーは久しぶりだなあ……最近なかなか完読できなかったからなあ……、というわけで、もう長編小説は諦めてエッセイ集にしといた。これなら途中で返却期限がきても惜しみなく返せるから。
 そんなわけで角田光代さんの、主に「旅」に関するエッセイをまとめた一冊。
 今回初めて、角田女史の本を読んだ。角田さんといえば、キョンキョン主演の映画『空中庭園』くらいしか観てなくて、それで特に原作を読んでみようかな、なんてことも思わなかったので、あれだったんだけれど、なんでか「ふっ」とこの本のタイトルに引き寄せられるように手をとってしまった。
 パラパラとめくり、とある章を何気に読んでみた。それはまあ、旅行時におけるトイレの話(所謂シモネタだな)であったのがなんか運命的。
 これはちょっと面白いな……。そう思って借りてきた。それがどうだ。端から読んでいくとこれが実に、ひじょうに、面白い。この、旅行記のようなエッセイのような……とにかく、その経験や生き方もさることながら、文章的にもひじょうに軽妙且つ深遠で、「いやこれは、一度小説も読んでみなければな」と思わせるに充分たる充実内容だった。
 半分以上は「旅エッセイ」。残りは日常的かつ作家的エッセイで、かなり珠玉の一冊であることは間違いない。
 時折(それはエッセイ本でよくあることなのだが)、「ああー、この本は買ってもよかったなぁ」といった、何回も読み返したくなる本に出逢う。そういう一冊。
「じゃあ買えよ。買ってまた読めよ」
 と、言われるだろうが、まあなかなかそういうわけには……が、しかし、古本屋などで安価であったならば、買う。(実際、瀬尾まいこさんや川上弘美さんなんかの本は買ってる)
 
 と、そんな感じで、仕事および生活的にも一応余裕が見えてきたので、これから角田女史の本を読もうかなぁ、と思っている次第なのである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 酒のアテ、考察 | トップ | ちょっとした心遣い »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事