雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

流星の絆/東野 圭吾

2008-05-09 | 小説
 東野圭吾のスゴイところは、とりあず、サクサク読ませてくれるところだと思う。

 ここ最近の『使命と魂のリミット』や『夜明けの街で』などがあまりにも「アレ」だったもんで、今回も帯に書かれている≪息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、涙がとまらないラスト。≫や≪すべての東野作品を超えた現代エンタメの最高峰≫などに騙されないよう慎重に読み始めたんだけど、これがなんと、面白れぇんだ!初っ端からホント、ぐいぐい惹き込まれるカンジ?こりゃあ東野、久々に「アタリ」がきたか~!と思いましたよ、うん、前半までは・・・。

 いやぁ、でも『前半』まではホント、傑作の予感がムンムン立ち込めていたのにねぇ・・・後半はなんだか二時間サスペンスのお決まりのパターンみたいになってた。。。

 まぁ、

≪息もつかせぬ展開≫これは、合ってる。

≪張り巡らされた伏線≫これは・・・そんなに張り巡ってないけれど、それなりに伏線は効いてる。

≪驚きの真相≫これも、確かに驚きなんだけど、そんなに驚くほどでもなかった、なんでだろ?

≪涙がとまらないラスト≫いや、陳腐なラストだったぞ。むしろ前半部分の兄弟妹たちの絆の誓いとかのほうが泣けた。

 んで、≪すべての東野作品を超えた≫いや、残念ながら、超えてないわ。

≪現代エンタメの最高峰≫、、、は?クソ喰らえ!



 いや、でも、読ませることは読ませるんだよ。ホント、暇つぶしにはもってこい、って本ですよ。それはそれで、スゴイと思うんですよ。
 流石、ベストセラー作家ってなもんですよ。

 ただね、昔からのファンから言わせてもらえば、ここらでもう少し、じっくりと書いてみてはどうですか?と、なんか最近、ラストが焦り気味になってるんだよな。


 とりあえず、『ガリレオ』で稼いだ金で悠々と腰をすえて、また『秘密』や『手紙』なみの傑作を紡ぎだして欲しいものです。
コメント (8)
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