2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

■梅林のカツ丼

2009-08-22 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  本日で、いよいよ15日間連続スロー・ジョギングを完遂しました。室内のスロー・ステップも含めて、せめて90日は完全継続したいと考えています。

  さて、15日続けてみて、体重はほぼ変わっていません。減りもしなければ、増えもしていません。ただ、気のせいか腹部の脂肪の輪(これを脂肪環と勝手に呼んでいます。同じ読み方ですが、脂肪肝ではありません)、がどんどん増殖しているように思えます。

  これは、燃焼されつつある脂肪の、最後の抵抗ではないかと考えるようにしています。実際、ジョギングを始める前に履けていたズボンが、今ではウエストがきつくて入らないという現象も起き始めています。

  走れば走るだけ太るという構造はありえないので、やはり「脂肪の(魂)」が最後の抵抗を試みているものと思われます。

  フリーになってから、食生活がガラリと変わりました。朝~昼~晩と家で食べることが多いので、普通の食生活に戻りつつあります。酒量が激減していることも特筆すべきことでしょう。

  会社勤めをしていたころは、昼飯といえば、トンカツ、焼肉、鰻、寿司、ラーメン、天丼、カツ丼、マーボー丼などなど、メタボ食ばかりでした。夜ともなれば、ビール、焼酎、日本酒、ワイン…と、カロリーを流し込んでいるようなもの。

  今では信じられないような食生活でした。とはいえ、フリーの身になって半年も経つと、やはり思い出すのは禁断のメタボ食!

  昨日、銀座の映画館に行ったついでに、神田の「きくかわ」か、銀座の「梅林」に行こうと心に決めました。今後は、そのような懐かしきメタボ・ランチの数々を撮影し、ブログに上げるべく、昨日は意気込んでカメラ持参で出かけたものでした。

  さて、映画の衝撃で、さすがに「きくかわ」の鰻の大串を食べる気がしなくなり、梅林にて好物のカツ丼を食しました。ここは、普通のカツ丼と特製カツ丼がありますが、私は普通の方が好きです。特製は分厚いトンカツを卵でとじた上に、さらに半熟の卵が乗るという趣向のもので、さすがに大食の私でも二の足を踏むコワモテのカツ丼です。

  普通のカツ丼は肉の厚さもほどよく、卵のとじ具合も心地よく、まさにカツ丼の雄といえるものです。カツを箸で持ち上げたときに、緩めにとじられた卵がご飯の中に流れ込むような光景は、この半年間というもの、すっかり忘れてしまっていました。

  このカツ丼と至福のときを過ごす中で、私は大事なことを思い出したのです。しまった!写真を撮るのを忘れてしまった!

  時すでに遅しで、カツ丼はすでに半分ほどになっていました。料理の写真は、やはり仕上がりの全体像を写してこそ意味があるわけで、まさか、食べかけの料理写真など、誰も見たくはありません。

  それにしても半年振りのカツ丼。昨日の私は、刑期を終えてシャバに戻った受刑者が、夢にまで見た馴染みの店へ飛び込み、慌ててカツ丼を貪るような光景だったのかもしれません。
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■セントアンナの奇跡

2009-08-21 | ■映画
  スパイク・リーの最新作、「セントアンナの奇跡」を見ました。

  見終わってから7時間以上が経過しているというのに、心の底に重い課題を担ってしまったような感覚があります。

  とはいえ、それは、ある種の心地よい課題です。

  戦争をテーマにした映画にありがちなステレオ・タイプの人物が多数登場するのですが、善玉とか悪玉とかいう区別で済ませるのはなかなかむずかしい。

  まだ、この映画を見ていないひとのために、ラスト・シーンを書くことは遠慮しますが、人種差別、一神教信仰、戦争のバカらしさなどのテーマが重層的に絡み合って、ドラマが形作られます。

  そのような事々をまとめて言えば、天国と地獄。映像的なコントラストとしては、もっとも描きやすい情景だと思いますが、スパイク・リーは、それを単純な二元論として提示しているわけではありません。

  人間の実在の危うさと信仰の深さ、日本人である私にはなかなか厄介なテーマであります。冒頭に書いた心の底に担った重い課題、しかし、心地よい課題…。西洋音楽を考える上でいつもブチ当たるテーマに、久々に再会したような気がしています。

  

  
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■仰臥漫録

2009-08-20 | ■俳句
  本日もご近所走りをやったのですが、少年の頃から見慣れた路地裏を走ったり歩いたりしていると、折々の景色を俳句に詠みたくなります。とはいえ、スロー・ジョギングやウォーキングをつづけながら句を詠むのはなかなか難しく、目下のところは、着想を深化させることで楽しんでいます。

  俳句を始めてから、関連の書物を何冊か読みました。高浜虚子の「俳句への道」「俳句はかく解し、かく味わう」、正岡子規の「墨汁一滴」「歌よみに与ふる書」「仰臥漫録」などです。

  とりわけ、子規の「仰臥漫録」は、彼の死の前年(明治34年9月)から死の直前までの日常を綴ったもので、左右ともに大半が空洞となってしまった肺をかかえ、生存自体が奇跡と医師に言わしめた壮絶な状況のもとでの毎日の暮らしが詳述されています。

  驚くべきはその食欲。生きることへの欲求がそのまま食欲に表されているようで、読んでいる我々が少し気持ち悪くなるほどえす。

  例えば、明治34年9月2日。

  朝 粥四椀、はぜの佃煮、梅干(砂糖づけ)
  昼 粥四椀、鰹のさしみ一人前、南瓜一皿、佃煮
  夕 奈良茶飯四椀、なまり節(煮て少し生にても)茄子一皿
    二時過牛乳一合ココア交ぜて
    煎餅菓子パンなど十個ばかり
    昼飯後梨二つ
    夕飯後梨一つ

  この後、子規は大食がたたって腹痛に苦しみます。しかし、この異常とも思える食欲は次の日も、その次の日も継続していきます。

  翌9月3日は次のように記されます。

  朝 ぬく飯二椀 佃煮 梅干
    牛乳五勺(ココア交) 菓子パン数個
  昼 粥三椀 鰹のさしみに蝿の卵あり それがため半分ほどくふ、晩飯のさいに買置たるわらわをさしみにつくる 旨くなし 食はず
    味噌汁一椀 煎餅三枚 氷レモン一杯呑む
  夕 粥二椀 わらさ煮 旨からず
    三度豆 芋二、三 鮨少し 糸蒟蒻
    総て旨からず 佃煮にてくふ 梨一つ

  鰹のさしみに蝿の卵あり それがため半分ほどくふ…、瀕死の病床にありながら、現世へ生き残るための野望のようなものが溢れていて、恐ろしくなります。

  この記述のあとで、子規は次の句を詠みます。

  町 川 に ぼ ら 釣 る 人 や 秋 の 風 

  圧巻は9月12日。

  朝飯 ぬく飯三椀
     牛乳五勺(紅茶入) ねじパン形菓子パン一つ(一つ一銭)
  午飯 いも粥三椀 松魚(かつお)のさしみ 芋 梨一つ 林檎一つ 煎餅三枚
  間食 枝豆 牛乳五勺(紅茶入) ねじパン形菓子一つ
  便通あり
  夕飯 飯一杯半 鰻の蒲焼七串 酢牡蠣 キャベツ 梨一つ 林檎一つ

  鰻の蒲焼を七串とは!大食の後で、子規が詠んだ句は…。

  病 閑 に 糸 瓜 の 花 の 落 つ る 昼

  消 え ん と し て と も し 火 青 し き り ぎ り す 
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■ご近所走り!

2009-08-19 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  今朝は、10時から五反田で仕事があったので、スポーツの森公園には行かず、家の周りを50分走りました。

  早朝の大森山王は、日ごろの陸上トラックとは趣が異なり、人々の生活の有様が僅かな時間の経過の中に変化していく過程を認識することができて、これはこれで、面白い体験でした。

  明日は、またアニマル・プラネットでの5キロ走に挑戦します!

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■スロー・ジョギング・イン・アニマル・プラネット

2009-08-18 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  盛夏とはいえ、朝晩には涼しい風が吹くようになりました。

  わがジョギング・コースも、立ち込めた木々の間から心地よい風が吹きぬけてきます。ここで聞こえる音といえばセミの声だけ。一時は話し声が聞きとれないほど、無数のセミたちによる轟々たる鳴き声が迫ってきていたのですが、今はそれが半分くらいになったような気がします。

  ジョギング・コースのあちこちに散らばる夥しい数のセミの亡骸が、季節の移ろいを感じさせます。

  それでも、このコースを走っていると、空中から血の気が多いセミたちの攻撃を受けることがあります。目の前を威嚇するように飛んでいったことは何度かありますし、今日は首筋に一撃を喰らいました。

  ストレッチをするためにベンチに座り、ふと地面を見るとそこには死んだミミズに無数のアリたちが群がっています。背筋を伸ばすために手をついた巨木の樹皮にはセミの抜け殻が…。

  生と死、そして再生のサーキュレーション!これぞ、ジョギング・イン・アニマル・プラネットだ!このジョギングによって、ふやけきった私の魂と肉体は再生されるのだろうか?生と死が循環するこの大地で、私はいつまで生きていくことができるのだろうか?

  先日、大阪でお会いしたある企業の社長の一言を思い出しました。数々の調度品が並べられた自室に通され、社長の書を拝見したあと、二十歳近く年長の彼はポツリと呟きました。

  「死生は天にあり!」

  
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■スロー・ジョギングで選挙に行こう!

2009-08-17 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  タイガー・ウッズが負けたので力が入りません!

  それはともかく、スロー・ジョギングやスロー・ステップ運動の記事で、わがブログは毎日大盛況であります!三桁の訪問客数が連日つづくというのはブログ開設以来始めての現象です。

  そこで、フト気になって調べてみました。同じような記事のブログがどうなっているのか?

  私はNHKの想像を絶するパワーに腰を抜かしました。「ためしてガッテン」を見てから、私のように運動を始めた人の数が何と多いことか!しかも、それをブログに書いておる暇人の量たるや空前絶後です。おまけにスローステップ運動に適した20センチ程度の踏み台のネット広告が横溢しているではありませんか?

  月末の衆議院選挙、投票に行く壮年男女は、皆さんスロー・ジョギングの体勢かもしれません。町中が小走りのオバサン、オッサンで溢れる光景は何とも壮快でしょうね。

  

  
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■脂肪の塊

2009-08-16 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  
  「スロー・ステップ運動とエンヤトット宣言」という意味の分からないタイトルのせいか、昨日のわがブログは、近年まれに見るページ・ビューを記録しました。素晴らしきかな好奇心!訪問してくださった方々、本当にありがとうございます。明日からも、よろしくお願いいたします。

  また、熱心な方からはエンヤトットについての問い合わせもいただきました。岡林信康という類まれなる音楽家のことは、たった1日のブログで書き表すことは困難です。

  明日からは、スロー・ジョギングやスロー・ステップの進捗をご報告しつつ、岡林信康についての話を書き始めるつもりです。

  ところで、スロー・ジョギングを始めたきっかけについて、まだ書いていませんでした。ヒントは、日本時間で明日の朝に決着がつく全米プロ・ゴルフ選手権にあります。

  今日、3日目まではタイガー・ウッズが2位に2打差をつけてトップを走っています。このまま快調に飛ばして明日、優勝すれば全ては筋書きどおりというわけです。

  岡林信康が類まれなる音楽家であるならば、タイガー・ウッズこそは不世出のゴルファーです。ところが、こんな天才でも、私のような凡人と同じデータをもつパートがあります

  それは、身長と体重。彼と私は、身長も体重も全く同じなのであります。185センチ、84キロ!

  ただし、その体躯のほとんどが強靭な筋肉で占められているタイガーに対し、私は火あぶりにされたら、あっという間にしたたり落ちてしまうであろう脂肪に体中を占有されています。

  若いころ、モーパッサンの名作「脂肪の塊」を、「脂肪の魂」と誤読していました。長いことずっと、「脂肪の魂」だと思っていたので、文学部の女子学生に対し、『モーパッサンの脂肪のタマシイについて話そう!』などと議論を吹っかけたときには、『それって、脂肪のカタマリよ!』と冷ややかに返えされたものでした。

  タイガー・ウッズと同じ身長・体重の数値を持ちながら、ゴルフがいっこうに上達しない私にとって、今やるべきことは、肥満からの脱出でした。全米プロを戦うタイガーは、まさしく競技者としての魂に火をつけましたが、私は脂肪の魂を燃やさねばなりません。

  それが、スロー・ジョギングを始めたひとつのキッカケです。

  

  
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■スロー・ステップ運動とエンヤトット宣言!

2009-08-15 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
(昨日からのつづき)

  エアロビクス体操などでは、強烈な2ビートの音楽がジムの中いっぱいに流れていたりしますが、昨日の、40分ノンストップ・スロー・ステップのBGMは、フォークの神様・岡林信康さんの音楽でした。

  「チューリップのアップリケ」「山谷ブルース」など、ご存知の方は多いと思いますが、やはり、これらの曲のイメージとトレーニングは結びつきません。

  岡林さんは、何と言ってもエンヤトット・ミュージックです。

  1960年代後半から70年代初頭にかけて、フォークの神様と崇められた岡林さんは、71年から約5年間、岐阜~京都の山村に引きこもります。この隠遁生活の中で演歌と出会い、美空ひばりさんに楽曲を提供(月の夜汽車)するなど、初期の岡林さんを知る者には想像もつかない新たな展開が始まります。

  やがて、様々な変遷を経て、81年頃から日本古来の民謡のリズムをベースにした独自のエンヤトット・スタイルを創りだし、最近ついに完成の域に到達したわけです。

  昨日、私が40分ノンストップ・ステップ運動に使用したのは、最近、日本クラウンから復刻された「風詩=かぜうた」というアルバムです。「岡林信康 風詩 1998年作品 歌手生活30周年記念アルバム」と銘打たれた帯のキャッチは以下のコピーです。

  『日本の風土が生んだ“エンヤトット”のリズムと和楽器編成の音色が、独自の歌の世界を作り上げた。エンヤトット宣言の集大成アルバム!』

  エンヤトット宣言というものが、いつ、どこでなされたのか、詳しくは知りませんが、その集大成アルバムというのですから、たいへんなものです。余談ながら、宣言は英語でmanifesto(マニフェスト)、しかし、そもそもは、マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」のことを指します。「万国のプロレタリアート団結せよ」で終わる有名な書物ですが、高校生の頃、共産党宣言が出版された年を覚えるために、「ブルジョワはイヤシイ奴(1848年)だとマルクス言った」と暗唱したものです。

  最近の選挙では、どの政党もマニフェストなどと言っていますが、マニフェスト=共産党宣言のことは知っているのでしょうか?

  そんなことはどうでもよいとして、エンヤトット宣言の集大成というアルバムをガンガン大音量で聞きながらスロー・ステップを繰り返すうちに、日本民族のDNAにしっかりと刻み込まれていたエンヤトットのリズム感覚がよみがえるのを感じました。さらに、森羅万象に宿る八百万(やおよろず)の神々を讃えながらステップを踏むうちに、無限のエネルギーが身体中に漲るのを知覚しました。古代日本の人間たちが全てのエネルギーをぶつけた祭儀には、エンヤトットのリズムが流れていたのではないか?

  六本木の薄暗いクラブで、覚せい剤を吸引しながら踊っている諸君!今すぐにクスリは捨てて、太陽が燦燦と輝く大地に立て!そして、エンヤトットの強烈なリズムに身を任せたまえ!諸君の身体と血の中に流れている人間本来のエネルギーが躍動しはじめ、身体の奥底から真の覚醒を得られるだろう。

  「万国のエンヤトット人、団結せよ!」

  
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■スロー・ジョギング

2009-08-14 | ■スロー・ジョギング スロー・ステップ
  なんと、一週間続けることができたので公表いたします。一週間前から、スロー・ジョギングなる運動を始めました。NHKの「ためしてガッテン」で紹介されていたもので、ジョギングほど身体に負担がかからず、ウォーキングよりは効果が高いという良いことづくめのフィットネスです。

  話は単純で、要するにゆっくり走るということ。必要以上に足を上げず、他人と普通に話ができる程度の速度で走る(つまり、息が上がらないということ)。

  私はこの運動を、大井埠頭にあるスポーツの森公園・ジョギング・コースで続けていますが、1周1キロのコースを3周し、残りの1週をクール・ダウンのためにウォーキングするようにしています。

  早く走ることが目的ではないものの、当初1周あたり10分かかっていたものが、最近では9分で走れるようになりました。

  もちろん雨の日は走れません。そこは天下のNHK、別の日の「ためしてガッテン」で、室内でできるご機嫌なエクササイズ=スロー・ステップ運動というものを紹介してくれました。

  これも単純な運動で、室内にある20センチ程度の踏み台(あるいは段差、階段など)に、ただ片足づつ足踏みの要領で乗り降りするというもの。ただそれだけのことで、スロー・ジョギングとほぼ同じ効果が得られるばかりか、足の筋肉はこちらのほうが、より強く鍛えられるらしい。10分も続けると汗が噴き出してきます。

  今日は、このスロー・ステップ運動を、ノンストップで40分近く実行してしまいました。おかげで、両方の足は登山の後のように疲れています。ただ、なんとも心地よい疲労感です。

  ではなぜ、こんなに単純な足踏み運動を40分も続けることができたのか?そこには、人の体を動かす上で重要な役割を演じる音楽の力がありました。

(つづく)

  
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■八月句会(拾遺)

2009-08-13 | ■俳句
 
  句会で披露した句のなかには、毎回必ず、選者誰ひとり取り上げることのない句があります。

  私の場合、その句の傾向が次第に分かってきました。この手の句は、句会ではぜんぜん受けないものの、案外、クリエイターの間では評判がよかったりするものです。例えば、次のような句です。

  オリーブ油 トマト浮かべて 地中海   白竜子
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■八月句会(その四)

2009-08-11 | ■俳句
(昨日からのつづき)

  さて、いよいよトマトです。トマトという片仮名の季題、蕃茄などと漢字にすると実感がわかず、やはりトマトはトマトとして詠むしかない。

  冷たい井戸水に浮かべたトマト、輪切りにしたトマトの断面など、さまざまな情景を想起するなかで、晩夏の青空に、真っ赤に熟れたトマトが浮かんでいる光景をイメージしてみました。この景色は心が弾むようで、溢れるエネルギーを十七文字の世界に注ぎ込むことができました。

  この句は選者のひとりによって特選となりました。

  群青の 空に向かって トマト喰う   白竜子

(つづく)
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■八月句会(その三)

2009-08-10 | ■俳句
(昨日からのつづき)

  というわけで、席題の「急」は『里山~月~晩夏…これらの語句の中に、少年時代の思い出、時間の感覚と空気感が溢れている』といった趣旨の選評をいただき、特選に挙げてくれる選者が現れました。

  では、「トマト」「晩夏」「羅=うすもの」といった季題はどうだったでしょう?

  これらの季題のなかで、「羅=うすもの」に関しては、まったく発想が浮かびませんでした。また、いつも隠し味で入れている音楽=音にまつわる句も、今回は詠めませんでした。

  とはいえ、次の一句はどこかに音を感じると思いませんか?二人の選者が佳作に挙げてくれました。

  釣り糸を ゆらす晩夏の 水すまし  白竜子

(つづく)
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■八月句会(その二)

2009-08-09 | ■俳句
(昨日からのつづき)

  さて、わたし自身、参加するのは今回で三回目なのですが、この句会自体は百二十回以上も開催されています。月一回の集まりですから、単純に計算しても十年はつづいているわけです。

  わたし以外の出席者は、ほとんどが昔からの会員で、やはり皆さん驚くほど上手い句を詠みます。そんな方々が選ぶ句がどんなものか…、三回目にして次第に傾向が分かってきたような気がします。

  それはともかく、今回は選者の方が、私の句の中から二句、特選に挙げてくれました。しかも、ひとつは席題によるもの。昨日も書いたとおり、席題は当日句会にて師匠から示された題を即興で詠むため、考える時間がありません。これが、特選になったのは、わたし自身とても嬉しいことでした。その句は、次のものです。席題は「急」でした。

  里山に 月よ急げや 晩夏の宵  白竜子

(つづく)
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■八月句会

2009-08-08 | ■俳句
  全国の俳句ファンの皆さま!お待たせいたしました!当初、七月末に予定されていた七月句会が、八月四日に延期されました。したがって、自動的に七月句会はなくなり、燃え盛る猛暑の中、花の赤坂にて、八月句会が麗々しく、華々しく、騒々しく…開催されたのでした。

  句会の定めごとは以前に書いたとおりです。事前に提示されている季題に基づく句を五句準備し、当日会場にて短冊にしたためる。同時に、当日先生から提示された席題を即興で詠み、一句を短冊に…。

  折りたたまれた短冊は一所に集められ、誰がどの句を詠んだか分からないようにシャッフルされます。各自、その中から無作為に八つ程度の句を選び、一枚の半紙に列挙します。

  その半紙を各自閲覧し、気に入った句を自らの半紙に書き写していきます。佳作五句、特選一句を選び、選評を加えつつ発表するというのが、句会の定めごとです。

  八月句会の季題は「トマト」「晩夏」「羅=うすもの」、そして席題には「急」という語が掲げられました。

  (つづく)

  
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