2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

ポー川のひかり

2013-01-22 | ■映画

  amazonのKindle FireHDを購入したので電子版の書籍をどんどんダウンロードして行き帰りの列車内で楽しんでいる。青年のころに読んだ本、読もうと思ってそのままになっていた本、新しく見つけた本などを手当たりしだいにダウンロードする。数百冊の本を一度に抱えて歩くなど到底不可能なことだが、電子書籍ならそれが可能だ。

  今のうちに出来るだけ沢山の本を集めて仕事を引退した後で、どこかに隠遁して少しずつ読もうと企んでいたら、思いがけなく「ポー川のひかり」という映画に出会った。「木靴の樹」のエルマンノ・オモリが監督した作品で、ミステリー・タッチの冒頭場面からどんどん引き込まれてしまうのだが、強烈な印象を残すひとつの言葉に出会った。

  『世界中の本よりも友だちと飲むコーヒーの方が良い』。古都ボローニャを舞台に、智の象徴である分厚い書物に次々に釘を撃ち込んでいく衝撃的なオープニング・シーン、物語後半に吐露される主人公の一言で、僕らは“智”の有りようを考えて立ち止まる。

  『世界中の本よりも友だちと飲むコーヒーの方が良い』。

  
コメント
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