舞踏家のマース・カニングハムが亡くなりました。ピナ・バウシュに次ぐ訃報です。
1976年、西武劇場での公演はカニングハムのソロを見ることができたこともあって、大きな話題となりました。残念ながら、私はこの公演を見ることができませんでしたが、数日後にNHKホールで行われたマース・カニングハム・ダンス・カンパニーの公演には駆けつけました。
私の興味は、なんといっても音楽を担当するジョン・ケージと小杉武久、そしてジャスパー・ジョーンズの舞台美術に注がれていました。
ジョン・ケージと小杉武久は客席で原始的なシンセサイザーのようなものを操っていたのですが、幸いにも私はそれを至近距離で見ることができました。舞踏と音楽がリアルタイムで即興的に変化していくプロセスに、新しい舞台芸術の可能性を見ました。
ただ、期待したジャスパー・ジョーンズの美術だけはシンプルすぎて、拍子抜けしたのを記憶しています。横に長い布をついたてのように何枚も舞台に配するというものでしたが、カニングハム+ケージ+ラウシェンバーグのコラボレーションのほうが創造的だったのではないか?と思いました。33年前のことです。