2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

マース・カニングハム

2009-07-28 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)

  舞踏家のマース・カニングハムが亡くなりました。ピナ・バウシュに次ぐ訃報です。

  1976年、西武劇場での公演はカニングハムのソロを見ることができたこともあって、大きな話題となりました。残念ながら、私はこの公演を見ることができませんでしたが、数日後にNHKホールで行われたマース・カニングハム・ダンス・カンパニーの公演には駆けつけました。

  私の興味は、なんといっても音楽を担当するジョン・ケージと小杉武久、そしてジャスパー・ジョーンズの舞台美術に注がれていました。

  ジョン・ケージと小杉武久は客席で原始的なシンセサイザーのようなものを操っていたのですが、幸いにも私はそれを至近距離で見ることができました。舞踏と音楽がリアルタイムで即興的に変化していくプロセスに、新しい舞台芸術の可能性を見ました。

  ただ、期待したジャスパー・ジョーンズの美術だけはシンプルすぎて、拍子抜けしたのを記憶しています。横に長い布をついたてのように何枚も舞台に配するというものでしたが、カニングハム+ケージ+ラウシェンバーグのコラボレーションのほうが創造的だったのではないか?と思いました。33年前のことです。

  
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キェシロフスキ・プリズム

2009-07-16 | ■芸術(音楽、美術、映画、演劇)
  
  ユーロ・スペースで開催されていたキェシロフスキ・プリズムの中から「スティル・アライブ」を見てきました。明日で上映は終わりですから、ぎりぎり間に合いました。

  わずか54歳という若さで逝ったキェシロフスキ、過去このブログにも登場したことがあるポーランドの映画監督です。「デカローグ」「トリコロール」「二人のベロニカ」など傑作は数多くありますが、今日見てきた「スティル・アライブ」は、仕事やプライベートを通じてキェシロフスキ監督と親交のあった人々が語るドキュメント映画です。

  妥協を許さない制作態度、と言ってしまえば鬼のようなカリスマ監督を想像させますが、キェシロフスキは自らの映像表現の限界に挑戦しつつ、常に静かで落ち着いた姿勢を貫いています。モノクロームの映像で見ると、あたかも求道者のように映るその姿には、どこかで自らの夭逝を予感しつつも抗えない制作意欲に身を焦がす孤独な人間像が浮かんできます。

  Still Alive(スティル・アライブ)、キェシロフスキが How are you ? と問いかけられた時に返した言葉です。

  
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六月の句会は休みました!

2009-07-15 | ■俳句
  あまりの忙しさに、六月の句会は休んでしまいました。とはいえ、五月の句会の顛末も書いてませんでしたね。お待たせいたしました。かいつまんで記しておきます。

  まず、季題は「薔薇」「烏賊」「初夏(はつなつ)」でした。

  この中で、何と今回は私の句を特選にしてくださる方が現れました。その方は、バリバリに仕事が出来る女性です。やはり、女性ならではの細やかな感性が、この句を特選に導いてくれたのでしょう。

  別れ歌 薔薇のつぼみの 内に聴く

  私は音楽を業としているので、毎回かならず音楽に関わる句を詠みますが、これを特選としてくれた方がいたのは本当に嬉しかったです。ちなみに、その方はジャズピアノを趣味としています。

  佳作として先生が選んでくれたのは次の句。

  朝の陽に 初夏の潟 ゆるやかに

  誰も選んではくれませんでしたが、自分では面白いと思っているのは…、

  古伊万里の 紋様透かす あおり烏賊

  我ながら、川柳だか俳句だか分からなくなったのは…、

  江ノ島へ イカ焼きの香り 人を呼び

  それやこれやで、次回七月の句会は八月初旬に設定されました。季題は「トマト」などなど。乞うご期待!
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