昨日と今日、9月最後の週末は一日中原稿を書いて過ごしました。恒例の早朝5時ウォーキング以外には外の空気に触れていません。
聞きたいCDが溜まっています。この1~2週間の中で集めたCDは10枚、重量感のあるものから先に聞き始めました。
まず、エソテリックが自社の機材と電線(コード)までを投入してSACDに仕立てた入魂の作品。クライバー、ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第4番と、カラヤン、ベルリン・フィルの新ウィーン楽派管弦楽集。
前者は、世の中がデジタル録音に突入した矢先に制作されたもので、最初にCDでリリースされたとき、まだ未開発な部分を残していたデジタル録音の負の部分が表れたような、一種とげとげしい音でした。それが今回はリマスタリングの良さも手伝って、全体がソフトで美しい響きに生まれ変わりました。木管の明瞭さなど、以前のものとは別の演奏のように聞こえてきます。
よく枯淡という表現が使われるブラームスの4番ですが、今回のSACDで聞く限り、クライバーの演奏には、青春の輝きに満ち溢れるような明るい歌を感じてしまいます。リマスタリングやエソテリックの超ハイエンド機材の成果によって、ウィーン・フィル本来の響きが聞こえるせいか、音楽そのものに精気が漲っています。
カラヤンのシェーンベルクやウェーベルンも、LP時代に磨り減るほど聞いた名演ですが、今回のSACD化によって、後期ロマン派の音楽が20世紀現代音楽の大きなうねりの中に溶けていくような印象をもちました。ベルリン・フィルのなんという豊穣な響き!
ケンペ、ミュンヘン・フィルのブルックナー:交響曲第4番と第5番がxrcd24で甦りましたが、音の良さはもとより、演奏の確かさに改めて感心しました。
全曲は聞きとおしていないものの、シフのバッハ「パルティータ全曲」は大傑作です。ECMレーベルによるベートーベンのソナタ全集が完結したばかりですが、ベートーベンと並んで、このバッハでもECM独自の済みきった録音が楽しめます。
シフのパルティータをつまみ聞きしていて確信をもったのは、現在SHM-CDでリリースされている彼の「ゴルトベルク変奏曲」。
期待は見事に的中しました。何というか、これこそは希望の音楽です。最終変奏の何と言う明るさ!速めのテンポでぐいぐいと引っ張りながら、明瞭なタッチは、この音楽の行く末を明るく照らし出します。
内田光子のモーツァルト:ピアノ協奏曲題23番と24番も、つまみ聞きながら、たいへんな名演であることを実感しました。
他には、今話題のビートルズ・リマスター・シリーズ。とりあえず、「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と「アビー・ロード」を購入しました。同時に、「サウンド&レコーディング・マガジン」に詳述されているリマスター秘話をいちいち肯きながら読んでいます。
変り種ですが、早川義夫+佐久間正英+HONZIのアルバムは素晴らしかった。先ごろ夭折したHONZIを偲ぶ企画ですが、この3人が音楽と向き合う真摯な態度に心を打たれました。