2020@TOKYO

音楽、文学、映画、演劇、絵画、写真…、さまざまなアートシーンを駆けめぐるブログ。

■最高のライバル

2007-07-28 | ■政治、社会
  
  今、テレビではサッカー・AFCアジアカップの3位決定戦が行われている。前半45分は0:0の引き分け。韓国と日本の試合、朝日新聞夕刊のテレビ欄に出ているコピーには「永遠の宿敵と激突 魂と誇りを懸け絶対に負けられない…運命の日韓戦!!俊輔、高原らオシム日本最後の死闘」と記されている。これを読んで私は怖くなり、テレビをつけるかどうか躊躇した。このコピーだけ読むかぎり、韓国と日本は戦争状態にあるかのようだ。

  70年近く前に大きな戦争があり、アジアにもヨーロッパにも戦火が広がった。アジアにもヨーロッパにも、酷いことがたくさん起きた。日本という国の成立の歴史の中で、中国大陸や朝鮮半島との深いつながりは無視できないのだが、第2次世界大戦のあとには憎しみだけが国と国との間を隔ててしまっていた。

  永遠の宿敵、激突、魂、誇り、運命、最後の死闘という言葉使いはただただ扇情的なだけで、日本チームの凛としたかっこよさは微塵も感じられない。どうしても韓国を永遠の宿敵と決めつけ、魂と誇りをかけて運命の一戦に臨み、最後の死闘を演じたいのなら、せめて、こんなふうに書きかえてみたらどうだろう。

  「アジア・カップ3位をかけて、俊輔が、高原が、10,000平方メートルの地平を翔ける。最高のライバル韓国との最終試合、灼熱のインドネシア・スタジアムにオシム・ジャパンの夢よ奔れ!」
 
  こういう平和なコピーでは視聴率が伸びないのかなあ。
  

  
コメント
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