フローリングの件で、翌日、というよりすでに当日眠れなかったので、早朝さっそくホームデポに出向いた。
その日はサンクスギビングの翌日で、クリスマス商戦初日となるブラックフライデー。
どの店も朝4時とか5時とか、早い所では12時とかに開店して一気に売り上げを計ろうとしている。
なので、ホームデポも朝早くから開いていた。
フローリングの所に、板が入った箱をゴロゴロに乗っけて持って行った。
私に板を売った女性がいたので、その人に落ち着いた声で事情を話すと、
「調べてみます」
と席を外した後、
「これはイスラエル製だからランダムなんです。ランダムの商品しか扱ってない。」
と返答された。
イスラエル製って・・・・
それだったら「中国製だからだめです」「日本製だから揃ってます」って言えるじゃん。
あきれるやら情けないやらで泣きそうになった。
多分、本当に泣きそうな顔をしていたのだろう。店員が、
「あのー、小さい板はクローゼットとか狭い所に使えますよ・・・。」
と、言った。
「オフィスに使ってるから大量に長い板が必要なの。」
と、言って、肩を落として私はその場を立ち去った。
店はメーカーからの商品を置いて売るだけだから中身なんか知らない。
こういう場合、木材は木材所から直接買えばいいのだろうか。
日本のようにメーカーと小売店が一生懸命勉強をしている、売ろうという努力をしている、ということは一切ないので、責任を取るということもないし、フローリングの木材に関してはリファンドするには15%取られるし、客に取っては踏んだり蹴ったりなシステムだ。客には厳しいこの国。ちっとは日本を見習って欲しいよ。
次に改装をする予定はないけれど、金を払って学んだと思うしかない。
私は大工じゃないから専門的なことは知らない。でも何でも自分たちでやらなければならないことが多いこの国では、一つ一つ実践していかないとわからないことだらけだ。失敗して学ぶ。この繰り返し。
その後、改装をしている男の人との意思の疎通があったりで、スムーズに進まないこともあった。材料が足りないと言ってはホームデポに行ったり来たり。この数日でもうン何回行ったかわからない。ホームデポが近所にあって良かったよ。
昨夜は夕食後、一人でホームデポに出向いた。夫はこういうのを絶対手伝ってくれないから、2度と頼まないことに決めている。一応、「手伝ってくれないかな~」と打診したら、ものすごーく嫌がられた。
ふんだ
やっぱり頼まないよ。
モールディング(床と壁の角に貼る材料)を10本追加購入。これまでにどれだけ買ったか。30本は買っただろうか。
店内にのこぎりがあるので1本16フィート(5メートル)のモールディングをゆっくり床に降ろして、のこぎりで半分にぎこぎこ切って運んだ。5メートルそのままの長さを6-12本、同僚の先生がいた昼間は一緒に運んだけれど、一人だととてもじゃないけれど車の上に乗せられないので、半分に切って車内に入れて運んだ。出来ないかと思ったけれど、やれば一人でもできるじゃん。自信つくなあ・・・。
ちょっと気になったのが、髪を切ったせいか、男らしく見えるのか、店の人が誰も「may I help you?」と言ってくれなかったことだ。ま、いいか。
知人に板の話をしたら、彼がとても良い事を言ってくれた。彼はチェーン店を展開しているオーナーで色んなご苦労がある。大学の先輩でもあるので、色んな事をちょこちょこ教えてくれる。
彼曰く、
「期日なんか予定通りなんて絶対上手くいかないんだから。倍は見積もらないと。ここの国ではトラブルを楽しまないとやってけないよ。」
本当だ。おっしゃる通り。トラブルはあって当たり前。これを楽しまないと倒れちゃうよ。
ちゃんと出来る人ばかりだったら、この国で私たちなんか必要とされないわ。
そうだそうだ。
元気が出て来た。とことん楽しんでやる。
お金は働けば生むことができるんだ。明日も日は昇るんだ。