ぞな通信

四国・松山生まれ、在米25年、Zonaの日常生活。

2009年のハローウイーン

2009-10-31 23:32:40 | Weblog
去年のハローウイーンは200人くらいの子供が来たので、今年は土曜日ということもあり、300人くらいを予測して,キャンディーを用意しておいた。
最低でも7、80ドルは買っておる。
それもこれもコミュニティーに貢献するためだ。
子供が出来て、うちもよそへtrick or treatへ行くようになって、「これはうちも何かしなければならん」と思い、せめて家を訪れる子供にキャンディーをあげよう、と、毎年あげている。

うちは小学校の近くということもあるのと、近所にものすごい装飾をする家があるため、そこを基点にして色んな所から来た家族がtrick or treat に回る。だから人数が多いし、それを自負していたのであったが、それは甘かった。
上には上がいたのだ。
同僚の先生のお宅には1000人強の子供たちがやってくるそうだ。
それって学校の全校生徒と言っても過言ではないのか?!

「2時間でキャンディーがなくなってしいまいます」

と、優しい笑みを浮かべながら先生はおっしゃった。

ひえ~。
一体キャンディーにいくら使うのよ。
おそらく200ドルは使うだろうなあ・・・・

そこに住んでなくてよかった・・・・・

今年も私が家の待機組で、夫と娘、甥っ子、特別参加のインターン生のチームで回った。
待ってる間、my boomのシモンボリバル・ユースオーケストラのマンボばっかり聞いて、子供たちを待っていた。

例年ならぞろぞろぞろぞろやってくるはずだが、どうも調子が違う・・・・
来るのは来るが、絶対人数が少なすぎる。

2時間程玄関に椅子を置いて待っていたが、総勢で80人いるかいないか・・・

寂しいなあ・・・・

今日は土曜日だったから、もしかして朝からモールなどに出かけてすでに終わっちゃったのかなあ。

とにかく家には来なかった。

8時半頃、夫たちが帰宅した。

「あー、疲れた~」

と、全員がへとへとの様子。

「あんまり来なかったよ~」

と言うと、夫たちは、

「そんなことないよ。たくさんいたよ」

と言った。

おそらく人の流れがうちの通りじゃなくて、違う通りに行ったのかもしれないなあ。
近年、不況も手伝って、外の装飾をしない家が増えて来た。
我が家もそうだけれど、門灯のみ、というところも多い。
ちょっと寂しいかなあ。でも電気代もセーブしたいところだし。

まあ、子供は大満足だし、良しとするか。

ちなみにぞな子は93個。甥っ子は106個キャンディーをもらった。
帰って早々キャンディーを床に並べて、数えていた。

子供にはクリスマスの次に幸せな日であった。


景気付けマンボ

2009-10-31 20:11:22 | Weblog
最近コンサート全然行ってないな~。
と、思ったらyoutubeでたくさんあるある。
シモンボリバルユースオーケストラはすっごいいいバンド、じゃなくてオーケストラだいっ。

http://www.youtube.com/watch?v=NEs8yqhavtI&feature=related

thrill the world無事終了

2009-10-25 20:21:13 | Weblog
土曜日の5時半、無事thrill the worldが終了した。
面白かった~。

詳細はこの方のブログに書いてあります。

http://marikotakahashi.blog62.fc2.com/

http://thrilltheworld09southbay.blogspot.com/


仕事を昼で切り上げて、娘とインターン娘を引き連れて現場に赴いた。
最初はアフロのヅラとゾンビの色白メーキャップが全くあわないので、どちらを優先しようかと迷っていたが、結局アフロは今回パスしてメーキャップ重視で行く事にした。
そのままの格好で現場に付いたら、まだまだ人もまばらだ。ちょっと早すぎたかな。
でも準備をせねば。

顔を真っ白に塗りたくって、目の回りを黒くして、血糊を顔や腕に垂らす。
面白ーい。

だんだん人が集まって来て、それぞれがメークアップを始めた。
最初は嫌がっていた娘だが、友達も集まってわいわいがやがや顔をいじくっていたら楽しくなって来たのか、中学生のお姉ちゃんが「書いてくれたの」と、すんごい顔で見せに来てくれた。

おお・・・、立派なゾンビでないか・・・・

目の前も殴られたような感じでなかなかいい。

ぞな子は私が善かれと思って、「これやる?」と聞いても必ず最初は「いやだ」と言う。
これを真に受けていると何もしない子,出来ない子になってしまうので、とりあえず嫌といやれても放り込むことにしている。本当に嫌な事は辞めてしまうが、そうでもないことは、結構続けてしまって好きになるのだ。お友達もたくさん出来るし、同世代のお友達やちょっと上のお姉さんがリードしてくれると、それはそれは楽しそうにするのだ。やっぱりお友達のパワーはすごいな~。
ダンスしかり、メーキャップしかり。

「ママも頼もうっと」

と、中学生の女の子の所にいって、

「私の顔も書いて~」

と、顔を突き出した。

女の子は、

「いいよ~」

と、顔をキャンバス代わりにして、好き勝手に書き出した。まぶたも押す押す。

出来上がったら、すごい顔になっていた。

この人誰?・・・・

皆がこの調子なので、恥ずかしいとか全く思わない。

練習をしたり、お手伝いをしていると、だんだん毛穴から汗が出て来て、変な顔になってきたが、またぬりたくった。

イベントの規則でサインインはショーの1時間前の1時間のみ。

私たちは150人ほどだったが、何千人規模というノキアシアターなんて一体どうやってオーガナイズしたのだろうか・・・・

時間が迫ったら、全員でミーティングして、「じゃあ、行きましょう!」という雰囲気になった。

日本人スタッフが中心になってオーガナイズしたので、とってもまとまりがよく、テキパキしている。これはアメージングだ。

ゆっくり現場までマーチングをして、その気になり切ってゾンビ歩きをしたり。

夫が見えたので、娘が一生懸命手を振っていた。

私に気づいた夫は、

「こっちの顔の方がいいね~」

と褒めてくれた。

現場についてから踊り始めるまで10分ぐらいあったが、早め早めに行動するのが日本人らしい。そらそーだ。世界同時に踊りだすんだから多少の待ち時間もしょうがない。

5時半へのカウントダウンが始まり、ギギ~っとスリラーの曲が流れ始めると、全員ゆっくり立ち上がり始め、そして踊り始めた。
ぞな子と私は離れていたので、どんな風に踊っているかわからなかったけど、出来たかな~。

最後にゾンビポーズを決めて、終わった!

たった5分のダンスの為にどれだけの時間を費やしたか!

一番の収穫はたくさんのnice peopleに出会えた事だ。

このまま別れるのもったいなーい。

それぞれが得意分野を持っているから、全員合わせるとすごいことができちゃうんじゃないか?

ともかく、平凡な日常に注がれた刺激的なスパイスであった。




thrill the worldのスタッフミーティング

2009-10-24 04:50:42 | Weblog
昨夜、7時からスリルザワールドのスタッフミーティングが、近所のエアポートであった。
エアポートといっても、ロサンゼルス空港みたいな大国際空港ではなくて、個人の飛行機やヘリコプターを使用する小規模の空港だ。
スタッフミーティングなんて大それたもんではなく、それぞれ急遽こしらえたスタッフだ。
私も受付くらいなら出来るか、とちょっと貢献したくて手をあげた。
何かわからないけど、奥さんに連れて来られたというおじさんもいた。

ディレクターも本職があるだろうに、こくこのイベントを立ち上げたなあ・・・・
仕事仕事と仕事にかまかけてコミュニティーサービスに参加してなかったなあ、私。
でも、これが超楽しいのである。
人と出会える楽しさ。
彼らがそれぞれ専門分野で得意な物を持っているので、その才能と技量を合わせるととんでもない力が発揮出来るのだ。
これは快感である。

なんだか自分でももりあがっちゃって、アフロのヅラ買っちゃった。
make upグッズも買った。
明日仕事を終えて、鬼のように忙しくなるだろう受付時間を想定すると、make upをどうするか練習しておかなければならない。夜の夜中に顔を真っ白に塗りたくって、目の回りを黒く塗って、出来具合を鏡で確認したら、デーモン小暮みたいになった。デーモン小暮でもいいか。でもヅラがアフロだしなあ~。

とりあえず化粧を落としてもう一回やり直しだ。
が、石けんで中々落ちない。
中途半端なメーキャップで部屋を歩いていたら、夫がぎょっとして、笑い始めた。
せっかくなので、アフロのヅラもかぶって見せたら、もっと笑ってくれた。

よーし、がんばるぞ~。


thrill the world

2009-10-24 04:45:31 | Weblog
今日はthrill the worldという世界同時イベントが開催される。
マイケルジャクソンのスリラーを世界同時に踊ろうというイベントだ。

http://thrilltheworld09southbay.blogspot.com/

私も娘も参加するのだ。

私たちが住む地区でも150人ぐらい集まって踊ることになった。子供たちは毎週土曜日にインストラクラーの先生による分解ダンスを学んで覚えて来たが、土曜日に1日仕事のある私はyoutubeで覚えるしかない。家を揺らしながら練習の日々である。
でもだんだん覚えて来たぞ~。
スリラーをプラスティックのリサイクルグッズを身につけて踊るというものなので、リサイクル用品の衣装も作らねばならないが、そんなのへっちゃらだい。リサイクルグッズは腐る程あるからだ。
スーパーの袋とか、ペットボトルとか、材料には全然困らない。

これを企画した女性の本職はヘリコプターのパイロット。
ほんの1ヶ月前に思いついて、「海を守ろう」と「スリラー」と結びつけたら面白いんじゃないか、と彼女は思いついた。
でも、彼女は踊れない。
そこでダンスの先生を知っていたmutual friendの女性がいて、二人を結びつけた訳だ。すると面白いように人が集まり、とても大きなグループになった。

私も勢いで参加したんだけれど、子供の親,友達も自由参加なので、文化祭感覚で本当に面白い。
皆ノリが良いなー。
インストラクターのM先生も誰も止められない勢いである。
彼女は本当に根っからのダンサーで、ショービジネスをする為に生まれて来たようなキャラクターがある。
魅せるのが上手いし、人に見られると本来の力の100倍くらい発揮出来る人だ。
驚くべき事は彼女が駐妻だということだ。
こういうキャラ,過去にはいなかったよ。

彼女の人柄は素晴らしく、レッスンに来ている日本人もアメリカ人も引きずれるように、彼女の魅力に取り付かれている。
私もその一人だ。
私はクライアントとして彼女と常に接して来ていたが、初めて彼女の動画、つまりダンスを見た時は驚愕そのものであった。
こんなに踊れる日本人がいるの?????

彼女と知り合って、何だか逆に励まされる感じもした。
野茂がアメリカに来たときの感覚とちょっと似てる。
今まで遠慮して生きて来た日系人が、ばったばったとバッターをなぎ倒す野茂の姿にわーっとなった、あの感覚だ。

Mさんは、アメリカ生活がまだ短い事もあるのと、踊りの実力があるので、アメリカ人に引け目を感じていないのだ。
むしろかなり優位な位置にいる。

渡米した時は、「よっしゃやってやるぞ」という気持ちで誰もが来たかもしれないけれど、長く住むうちに、人種差別も経験するし、白人優位の社会、日本のように思い通りに行かない慣習などにぶちあたって、日系社会で生きていく楽さに流されがちだ。
そして、知らぬ間に渡米当初のガッツは消え去り、とりあえず暮らして行ける道を模索し安定していく。
もちろん一生懸命働いているけれど、対象者が日本人に落ち着くのだ。
来たばっかりの頃は私でさえ、日系人は大人しいなあ~、品行方正だな~、と思っていたのに、知らない間に私がそのポジションになっていた。Mさんからその事をがつんと知らされた。

Mさんが渡米したのは約2年前。ご主人の仕事の関係で渡米されたが、彼女は現在に至るまでの16年間、競技エアロの選手、エアロビ&ダンスのインストラクターとして働いていたので、アメリカ人よりもアメリカ人、どちらかというとラテンのノリのインストラクターだ。
彼女がリーダーになってスリラーの踊りの指導をして、今回も一番前で切れのある踊りを見せてくれている。

それと、一度だけ練習に参加したときに、おもしろい白人のおじさんとであった。そんでちょっと人生観が変わった。
64才のジョンという白人のおじさんなんだが、180cmぐらいあって風貌が強烈なのだ。
じっとしていると70以上に見えるおじーいさんなんだが、必ずビヨンボルグのようなヘッドバンドをつけ(しかもいろんな色がある)、踊るとダンサーに大変身。一体この人は何者なんだ!?と思っていた所、彼は海軍所属の防衛関係の仕事をしていたエンジニアだったのだ。踊れるオタクと言えばいいだろうか。
それまでは趣味でバンド演奏をしていたらしいが、57才位の時にヒップホップを始め、今では週1インストラクターをする実力になっている。もちろん本職はキープしたままで。

ジョンは親日家で何度か仕事で日本に行った事があり、そこで優しくしてもらったので、大の親日家だ。Mさんがジョンの所属するジムに加入してから彼の人生も好転し始めた。そして踊りの上手なMさんをとってもかわいがっている。
出会って6ヶ月たった頃、ジョンとMさんが初めてクイズかなんかのオーディションに行った。すると、ジョンはミリオンダラーを当てて優勝してしまったのだ。以来、彼はオーディションに行きまくっている。
きっと、Mさんを幸運の女神のように思っているのではないかな~。
そして、彼は今年でリタイアすることに決めた。

ちなみにこの手のクイズ番組はアメリカ国民じゃないとエントリーも出来ないそうだ。だからMさんはエントリーすら出来なかった。
ジョンにはやりたい事がたくさんあるらしく、ダンスもしたい、オーディションも行きたい、映画も作りたい・・・・と夢多き64歳なのである。そして全てを彼は実現させる行動力も持っている。
それに、いい意味でキョーレツなので、インタビュー類でも絶対彼は映る。

なんだか無意識に遠慮して生きている自分に、はっっと気がつかされることを示してくれているこの二人。
私を知る人は、「お前のどこが遠慮しとんじゃ」とつっこまれそうだが、アメリカ社会では虫っけらみたいな存在なんだよ。

この2週間、私の中で意識改革があったことは間違いない。
なんだか元気が出て来ちゃうな~









撃沈日曜日

2009-10-18 21:03:38 | Weblog
昨夜も2時から目が覚めてそのままずっと起きていた。
夜中に作業が出来るのは効率が良いとしても、日中の疲労感がひどいったらありゃしない。
やっとこさ休みに入ったが、大事な日曜日は家の雑用に追われる。
夜中から起き続けて、朝スーパーに行って、9時半からヘアカットに行き、またスーパーに舞い戻って昼には帰宅した。

が、へとへと。

2時からスリラーのダンスの練習があるし、これが最後の合同練習。

1時半に出かける予定にしていたが、もう睡魔と倦怠感と疲労感でぼろぼろになり、夫に、

「ぞな子を練習場に連れて行って~・・・・・」

と、頼み込み、布団に倒れ込んだ。

死んだ・・・・・

楽しみにしていた練習なのに、疲れ過ぎて動けない・・・・・

情けなか・・・・・・・・・

6時にようやく起き上がり、夕食を作り始めた。

誰か、夕食、掃除、子供の送り迎えを一手に引き受けてくれるスーパーマンはいないだろうか・・・・

結局、雑用と睡眠で終わった1日であった。

久々貫徹

2009-10-13 05:12:34 | Weblog
昨日、午前1時半からぱっと目が覚めてしまった。
溜まっていたレポートを仕上げようとコンピューターに向かった所、夫がおそらくメラトニンと思われる錠剤をくれた。
「もうこれ飲んで寝た方がいいよ」
「でもこれ朝起きられないんじゃないの?」
「そんなことはない。絶対起きれる」
一応気を遣ってくれたようなので、夫の言葉を信じて、飲んで1時間後(午前3時半頃)寝た。

そして、パッと目が覚めた。
気絶しそうだった。

時計は9時15分を指していた。

9時にアポが入っている。
そこからは猛ダッシュでオフィスに行った。もちろんスッピンである。

25分にはオフィスに着いたが、ちょうど帰ろうとなさっていたクライアントと出会った。

「す、すいません!!!!!」

温和なその方は、「いいですよ」と言って下さり事なきを得た。いや、内心「このやろー」と思っていたかもしれない。
ごめんなさい。

もう一人のクライアントさんには電話を入れたら、すぐお越し下さった。

申し訳ない・・・・.

朝は強いはずの私であるが、薬の力には負けてしまった。

もう絶対飲まない。

帰宅して夫に恨むように言ったら、

「目覚ましをかけてなかったお前が悪い」ときた。

こいつは絶対自分の非を認めない奴だ。
朝絶対起きられると言ったのはどこのどいつだ。目覚ましのことなんか一言も言わなかったくせに。
しかし、目覚ましかけたのにどうして起きなかったのかな~、どんな物音でも起きる私が。
と、思いながらかけたはずの目覚ましを見たら、電池が入ってなかった。
ぎゃ~!!!!!!!!

そして今日は本気の本気でレポートを2部作成し提出しなければならない。
子供にはたまった宿題をやらせるのに相当手こずってしまった。
ぞな子も大変だよね。私が2年生のときなんて、こんなに日本語も英語も勉強した記憶がない。
お前は本当によく頑張っているよ。本当に本当にえらいよ。

ぞな子を寝かしつけたら、こんどは私の宿題を仕上げねばならぬ。
夜ぶっ通しで必死でやったら、もう朝の5時過ぎ・・・

恐ろしい事に今日の予定は朝から夕方7時近くまでびっちり詰まっている。
多分ご飯抜きのぶっ通しだ。
おまけに夜は遅れて参加するダンスの合同練習がある。ダンスと言ってもおちゃらけたイベントのダンスなんだけど、行くと言ったからには行かねばならぬ。たとえそれが最後の10分であっても。
今日1日持つだろうか・・・・
修造助けて~!



先生の役割と親の役割

2009-10-11 23:53:20 | Weblog
今日は娘が通う日本語学校の面談があった。
数日前、日本から戻って来て、郵送された宿題の中の連絡事項にドキッとするものがあった。
宿題を提出する際の注意事項だ。

最近出された宿題を全部出していない子供がちらほら出ています。
音読、漢字、訂正ノート、などは決められた期日に提出して下さい。
いまのうちに学習習慣をつけないと大変な事になります。

といった内容である。

どきーっっっ。
完璧に全部仕上げて出したりださなかったりとはまさにうちのことだ。

娘は天才肌でも秀才肌でもないので、私が側で見てあげている時と見てないときとは歴然とした差がある。
最近忙しさにかまかけて、おろそかになっていた。そんなとき絶好のタイミングでこの通知・・・
個人名は出してないけれど、絶対うちも入っている。

土曜日の今日、忙しいのは当たり前だが、面談のため途中抜け出して学校に向かった。
さながら肉屋のおかみさんがエプロンを取りながら学校に駆けつける,そんな風景に似ている。

走って学校に向い、教室の前で待った。
私の前の人と話がはずんでいるのか、笑い声もたくさん聞こえる。
面談でこんなに笑えるなんて、よっぽど優秀なお子さんなんだろうなあ・・・・

予定の時間をちょっと過ぎて,前のお母さんがにこにこしながら出て来られた。

お辞儀をして入れ替わり入った。

「いつもお世話になっています。よろしくお願い致します。今日は怒られる覚悟で参りました。」

すると先生は、

「そんなことないですよ。」

と笑いながら,子供の名前を確認すると(その時点でどの子供の親が来るか把握していなかったご様子)、微妙に顔色が変わり、

「ああ・・・・ぞな子ちゃんですね」

と、(はい、あなたのお子さんは問題多しですよ)というニュアンスを含めた応対を始めた。

ぎゃ~、これはまずい!

先生の第一声が、

「ぞな子ちゃんは学校は楽しそうですか?」

だった。

「はい、楽しそうに通っていますけれど・・・」

ということは、楽しく学校に行っているけれど、授業中付いて行ってないってことか・・・。

先生の話をまとめると、どうやら国語などは先生の話がわかりにくいようで、自分の世界に浸っているようなのだ。英語がさほど必要でない算数や生活科などは、楽しそうに参加しているらしい。友達とも仲良くしている。算数も1学期よりはよくなりました、とのことだった。

先生は私よりは当然お若くお化粧もばっちり。私が抱く昔の「先生」のイメージからはほど遠い。
そしてぐいぐいひっぱっていくタイプではないようだ。
日本語やお勉強全般に問題の無い子供にはいいけれど、いや、そういう生徒はどんな先生でも対応できるが、うちの場合はぐいぐい型の方がいいかもなあ。これを先生一人対生徒多数型の学校に当てはまるのは無理であろう。

おそらく先ほどのお母さんとの面談とは打って変わって、しーん、しーんとなりがちな空間で、

「どうしましょうかねえ・・・・」

と、先生がおっしゃった。

(えっっ、どうしましょうじゃないよ。こういう場合、具体的案を出して励ましてもらいたいのに・・・)

と、瞬時にこの先生をあてにしていては、前に進めないことを察知してしまった。教える方が受け身というか。

いや、出来る子ならこの先生でも充分だが、まだ日本語も英語も中途半端な娘のようなレベルの子供にはかなり不利だ。
家庭教師ではないから、先生も一人だけに時間を割く事は出来ないし、予定のカリキュラムを進めることも先生の仕事だ。
結局、「席をなるべく前にすわらせて、注意を払いましょう」ということになった。

と、同時に学校におんぶに抱っこじゃなくて、家庭で本当に真剣に取り組まなければ、バイリンガルの道は不可能であることも悟った(おそい!!)

ずこーんとなりながら、教室を去った。

どうやって子供の宿題を見る時間を作るかが私の課題だ。
8時近くになって帰宅してご飯を食べて宿題をぱぱっとやらせて風呂に入れたらバタンキューの毎日の中で、どこかで時間を上手く割かなければ、あとあと取り返しのつかない事になってしまう。
本当に気合をいれなければ。

この面談では、先生の態度も多いに教訓になった。
私こういう態度をクライアントにとってなかっただろうか・・・・
困ったクライアントを前にして、「どうしましょうか・・・・」と一緒になって悩むふりをして、しーん、みたいになってなかっただろうか。
親の立場になって、つまり、クライアントの側に立って、先生なり依頼先にしてほしいことは、目標や仕事を達成するための具体案と手段の提供とそれを達成する為のモーチベーションを高めることである。その尻たたきをするのが先生の仕事であり私の仕事である、ということも痛感したのである。
それをする為には、豊富な知識とシーダーシップが要求される。

専業主婦でもなく共働きの場合は本当に親が子供に割いてあげる時間が限られる。
無い時間から時間を無理矢理作り出す叱咤激励を私は待っていたのかもしれない。
そうだ、私はそうして欲しかったんだ。

去年の先生がそうだったから。

子育ても教師としても経験豊富な去年の先生は、子供と私の欠点を的確に指摘し、経験に基づいた具体的な指導をして下さった。
いつでもどの先生でもそうしてくれると、私は甘えていたようだ。
しかし、今の先生にそれを要求する事は出来ない。人も違うし経験値も違うから。
ならば自分がやるしかないのだ。

本当にこのシチュエーションは仕事にも通じる。
私も仕事でこんなことをしてなかっただろうか(いや、してたときもあった・・・)
相手はこういうことを求めていなかったんだよなあ。
その為には、相手に適格な指示を与えられるような知識の蓄積と自信を持っていなきゃいかん。

日本語教育はいつでも諦められる。
でも子供に永遠の「言語」をプレゼントする為には、与えようと決めた親が諦めちゃ絶対ダメだ。

たまたま姉がくれた松岡修造のテニス塾のDVDを見て、モーチベーションをあげた。
熱いぜ、修造!

修造も叫ぶ。
「絶対諦めちゃダメだ」

日本語教育は絶対諦めちゃダメだ。
ということで、日曜日の夜、娘に同じ事をいいながら、宿題をせっせとこなしたのであった。









有り難い後輩

2009-10-08 20:32:07 | Weblog
今日、オフィスに大学の後輩が来てくれた。
患者さんの付き添いで来てくれたんだけれど、彼女はハリウッド女優を目指している一方で書家でもある。
同じ大学・学部を出た後輩は無条件に可愛い。

「ぞなせんぱ~い」と、かわいらしい呼んでくれるのがとっても嬉しい。

今日は付き添いとは別に、彼女の作品も3点持ってきてくれた。
以前からオフィスに合う書を依頼していたんだが、彼女は書く前から私の考え方や生き方をたくさん聞いてくれた。
そういう質問事項は自分自身の人生を振り返るいいきっかけになった。
彼女が渡す書は、いつもその人の人となりを反映する書だ。
そして今回も同様、私の生き方にあった書を書くためにたくさんの時間を費やしてくれた。

質問の中には,「好きな漢字は何ですか?」というものがあった。
家族の一文字をそれぞれ書いて渡した。

そして,今日。
作品を1つ1つ見せてもらった。
かわいいっっ
何だかオフィスに飾るのが勿体ないくらいだ。

兄の名前は蝶のようになっていた。これは本人のイメージと真逆。
姉と娘の一文字は絵文字のようになっていた。これはあってる。姉のはちょっとかわいすぎるかも・・・でも優しい。

まだまだ完成してないそうだけれど、最後に彼女が見せてくれたのは、父の名をとった字だった。

まだフレームにもいれてない、ほやほやの字。

「これ、実は私の一のお気に入りなんですけどね・・・」

と言いながら、彼女はそっと大きな書を袋から取り出した。

背景には薄い水色で般若心経が書かれ、その上に美しい黒い墨で

「 空 兼 」

と、書かれていた。

後輩は、般若心経を毎日毎日聞きながら心を落ち着かせてこの書を書いてくれたそうだ。

「浮かんだイメージをだんだん形にしていくと、こういう作品ができたんです」

と丁寧に説明してくれた。

費やしてくれた時間と心意気が有り難く、父がぐあ~っと浮き出してくるような気がして、その場で涙がとまらなくなってしまった。

声にならない声で

「ありがと・・・」

と、後輩に伝えた。

彼女も泣いた。