ぞな通信

四国・松山生まれ、在米25年、Zonaの日常生活。

タフな韓国人

2010-11-06 18:29:14 | Weblog
近所の総合病院に働く韓国系看護士に会った。流暢な英語を話すのでここで育ったのかと思ったら、9年前に渡米したという。どうして看護士になったのか聞いていたら、彼女は最初はアートを勉強したくて渡米したそうだ。
でも、アートで食べられる人は限られている。ずっと学生のままいる訳にもいかないし、彼女もこのままでは生きて行けないと、進路を変え、看護士になった。でも正規のビザがないと米国にいる事は出来ない。そこで彼女は軍所属(リザーブ)の看護士になった。

nurse corps
http://armynursecorps.amedd.army.mil/index.cfm

自動的に永住権が支給され、彼女は合法的にアメリカに住むことができるようになった。
普段は総合病院で働き、招集された場合に限り軍に出動する、という医療班。
リザーブの場合は、月1回のミーティング/トレーニングに参加すれば義務は果たせる。海外に招集された場合は、従軍しなければならない。
幸運なことに、今、看護士になるのは学校に入ることからして大変だ。不況なので、看護学校がすぐ定員いっぱいになるのだ。仮に卒業しても、総合病院のような所に就職はない。
軍にしても、彼女が入ってから募集がなくなった。国がお金を出さなくなったからだ。
彼女は「全部がタイミングよかったの。」とかわいい声で言った。

こんなかわいい子にそんなガッツがあるなんて。
男女に関わらずどの日本人留学生が正当な方法で米国に滞在するために軍に入ろうと思うだろうか。
でも韓国人は違う。自分で生きて行かなければならないことを良く知っているので、女の子でもこういう手を使うのだ。
根性からして違うなあ。

「進路変更してよかったわ。私、看護士として働くのが大好きなの。病院が大きいから色んなことを学べるしね。海外に派遣されるときは、ドイツか韓国を希望してるんだ。」

と、話してくれた。

たまたまうちから彼女が働く病院に入院した患者さんが、これまたたまたま彼女のローテーションに当たった。日本から来て不安で不安でしょうがないだろうに、たまたま彼女が私の名前を言ってくれたおかげで、小ニュミケーションすることができたそうだ。
世の中狭い。
でも彼女みたいな女の子がどんどん増えるといいな。

単品文化

2010-11-06 06:26:03 | Weblog
ある薬品会社の人と話していて、医療製品も文化や哲学的な背景に影響されるんだなあと思ったことがあった。
ある薬を販売するとしたら、その成分量は一つ、と決められていることが多いらしい。
一方で日本の薬品の場合は、調合して理想に近いものを作ることが多いそうだ。
日本の製品をそのまんまアメリカに導入してもFDAの認可がおりない。もちろん使用されている成分がアメリカで認可されないというのもあるだろうが、この混合思考がアメリカに合わないのではないか。
思うに、もし何かが起こったとき、どの成分に問題があるか限定しにくいからか。この国、訴訟多いし。
この薬はこれ、と一つだけが書かれている事が多いのも最近知った。

たまたまランチを食べていたからだけど、料理にも通じるよなあ。
アメリカは、いろいろな物が食べられるバッフェこそあるものの、代表的なのは、ステーキ、ポテト、野菜。それも手の混んだ野菜じゃなくて、人参、ブロッコリーみたいなそのまんま簡単な野菜。
子供のランチだって、ビーナッツバターのサンドイッチ。みたいな単純なもの。
キャラ弁なんかあり得ない。お惣菜なんかもあり得ない。その前にアメリカ人お母さん、そんなに料理できないし。
料理に関してはぐうたらな私が言うんだから間違いない。

その昔、ファジー理論というのが日本を席巻したが、それを唱えたアメリカ人学者がアメリカでその理論が受け入れられなかったというのが、今ではよくわかる。受け入れられる土壌がないもの。よくそんな理論がアメリカ人によって生まれたなあと逆にその学者の「変人さ」を讃える。曖昧さなんてここでは許されないもの。

思想が製品にも影響する一こまであった。

屋根

2010-11-06 05:28:59 | Weblog
ちょとした雨で自宅が雨漏りし始めた。日本の夕立程度の雨。
最初はある天井。次は玄関。
漫画のように、ぽてぽて落ち始めた。
プラスティックのコンテナーを床やテーブルに置いて、雨漏り対策をしたが、ちょっとこの雨漏り尋常じゃない。

オフィスのトイレの工事をしてくれたコントラクターに見てもらったら、

「すごい穴があいてますよ。もうちょっと手当をしたら済むってレベルじゃないですよ。木も腐ってるし。」

と、写真を見せてくれた。

す、すごい・・・・
どうやったらこんなに穴があくの

というぐらいの穴だった。

ここは雨が降らないから、屋根も家も安普請だ。

昔、父が、

「拭けば飛ぶような屋根ばっかりやなあ」

とあきれて言っていたのを思い出す。

「3匹のこぶた」の藁葺き屋根の家みたいなもんだ。オオカミが一拭きすれば飛んで行く家。それが標準なんです。

これから雨のシーズン(といっても日本のレベルからするとぱらぱら)に備えて修理しなければならないので、コントラクターに聞いてみた。すると、彼らは、

「今はシーズンだから高くなりますよ。回り見ても屋根の修繕ばっかりしてるでしょ。もし待てるんだったらシーズンオフの来年4月以降の方が値段の交渉がしやすいと思いますよ。」

と、業界ならではのことを教えてくれた。

知らなかった。
確かに近所の家では屋根の張り替えをしている。
すぐに修理に取りかかりたいけれど、すぐ修繕をする程資金がない。なんせ今年は自宅のレストルーム、バスルームを改装したからなあ。
一方で、我が家は雨期に持つような状態ではないし。
こうなったら見かけはどうでもいいから、ビニールシートをかけて凌ぐしかないか。
なんだか川岸に並ぶ0番地の家みたいになるんでないかい。
いや、そんな事言ってられない。
屋根に上ってやるしかないよ。

ただでさえ軟弱な夫は、腸炎でさらに使い物にならない。薬の副作用で目眩もしている(と本人談)なので「おれは屋根には登らない方が良い」と自己申告があった。
この腸炎の最中であるのに、彼は食欲が戻って来たからと(私が楽しみにしていたクリスピークリームの)ドーナツを3個も4個も食べ、夜中にカップラーメンを食べている。これってどうよ?
「はなから当てにしてないから、心配せんでええよ。」
と、優しく伝えた。(この人の場合、「行間を読む」とか「心の襞を読む」ということがないから、多分わかってないと思うけど)

お天道様に雨をやさしく降らせてもらうしかないなあ。


トイレ工事一つとっても・・・

2010-11-06 05:15:58 | Weblog
オフィスのトイレのシンクを先週オーダーしたが、案の定「間違ったシンクが到着したので、再オーダーしましたから、来週か再来週まで待って下さい。」とコントラクターが申し訳なさそうに報告に来てくれた。
電話でも済むのに、わざわざ申し訳ない。でも日本人コントラクターだからわざわざ直接来てくれたんだと思う。
もう一つは完成していたので、「急がないから良いですよ」とお伝えしておいた。

オーダーしたもので間違ったものが届くのは、この国では日常茶飯事だ。
日本では当たり前の、こういう基本中の基本の作業が、アメリカでは普通に出来ない。だから工期も遅れる。
タイルの時も、たくさんオーダーした中に一パッケージ色違いが混ざっていた。
別のライナーと呼ばれるタイルもそう。再オーダーしたら、「この色しかない。もう作ってない!」と先月オーダーしたものを「もう作ってない」と自信を持って言い切る。
コントラクターが行き、日を変えて私が行く。すると、「ちょっと待て」と調べてくれたりする。
で、本来のタイルをくれたりする。
一体どうなっとんじゃい!
タイル屋は謝るでもなく、正しいのに取り替えてくれたが、一々タイル屋まで足を運ばなければならない。でもこれも日常の一つ。
コントラクターも、
「こっちの人は本当にいい加減ですよ。問屋も卸売店も探すのが面倒だから、違うやつを持って来て、これしかないって言い切るんですよ。」
とのことであった。
うちの場合、タイル屋が車で行ける距離だったからいいけれど、これが行けない距離だったら、あきらめるしかなかったかもしれない。
なんで、こんなにプロ意識がないねん!

物流関係の方々の苦労ったら並大抵じゃないだろうなあ。
アメリカ国内だと物がなくなったり、遅れたりは、これまた日常茶飯事だが、これを日本側に伝えるのはおそらく至難の業だろう。広大な国が故、良く言えば大らか、悪く言えばいい加減。仕事のモラルが日本と全く異なる。
日本人は本当にきっちりしている。これは世界に誇れる美意識だ。
日本にいると全員そうだから、ありがたみがわからないけれど、外に出ればどれだけ優れた民族かよくわかる。