春だから「天上天下唯我独尊」!?

2022-04-07 20:51:01 | 紹介
今週は各地の小中学校で入学式がとり行われました。
感染症が問題になって3回目の春になりますが、晴れの日を無事に迎えることができて良かったです。
全国の新入生の皆さま、ご入学・ご入園おめでとうございます🌸✨✨

4月8日は、お釈迦さまのお誕生をお祝いする花祭りの日でもあります。
草花で飾った花御堂に安置される小さな誕生仏像に、アジサイ科の葉から作った甘茶を柄杓を使ってかけます。
お誕生の産湯に、9頭の竜が天から清浄な水を注いだという伝説が由来だそうです。

この時期、民間でも、畑や山野での仕事始め、春の到来を祝う行事があったそう。
祖先神や農耕神でもある山の神をお祭りしたり、お墓に花をお供えしたり。
それが、仏教行事の灌仏会、花祭りと習合したという説もあるそうですが、
入学式にしろ、お釈迦さまのお誕生にしろ、桜や桃がきれいなこの時期が一番しっくり、ふさわしいように感じます。

・・・
お釈迦さまのお誕生の伝説に戻りますと…
お釈迦さまはお生まれになってすぐ、東西南北に7歩ずつお歩きになり、
右手で天を、左手で地を指差し、こうおっしゃいます。

天上天下唯我独尊(てんじょうてんが(またはてんげ)ゆいがどくそん)
三界皆苦吾当安此(さんかいはみなくなり われまさにこれにやすんずべし)

「天上天下唯我独尊」とは、「自分だけが優れていると自負すること」では決してありません。
ただ、仏教的にもさまざまな解釈がなされているようです。

例えば、
「天上天下にただ一人の、誰とも代わることのできない人間として、しかも何一つ加える必要もなく、このいのちのままに尊い
〜中略〜釈尊の教えを聞いた人々が『釈尊は、生涯このことを明らかにせんとして歩まれた方である』という感動を表現したものである。」

他に、
「『私は世間で最上の者である。世間で最勝の者である世間で最高の者である。
これが最後の生まれであり、もはや二度と生まれることはない』となっています。
最後の一節から、この言葉は明らかに、誕生したばかりの釈尊が、
後に悟りを開き(つまり、輪廻から解脱し)仏陀となると宣言したものであり、したがって、仏陀となる自分を尊いと言っています。」

・・・
時代変わって、戦国の世。
信玄公がお亡くなりになる天正元年(1573)4月の少し前、3月にお披露目された旗印「風林火山」にも、この言葉が…

「其疾如風 其徐如林 侵掠如火 不動如山 天上天下唯我独尊

映画「信虎」で使用された旗印
(写真の左が「天上天下〜」の旗印。「風林火山」とは別々になっていますが。)

なぜ信玄公は釈迦の言葉を旗印に加えさせたのでしょう。
死期を悟っていた(?)信玄公が、自ら率いてきた軍に、「今この戦いに集中しべし」と鼓舞?

・・・信玄公のメッセージ、皆さまはどんなものを想像しますか?

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