ブログでお花見~右左口町・敬泉寺の観音堂~

2020-04-21 10:54:09 | イベント
右左口(うばぐち)町にある敬泉寺(きょうせんじ)は、
阿弥陀仏を本尊とする浄土宗のお寺です。
創立は、慶長10年(1604)といわれていますが、
それより前、天正10年(1582)に徳川家康が中道往還を使い、
甲斐へ入国した際に当地に滞在した記録があることから、
創立はこれよりもさかのぼるのではないかという説もあります。
境内はソメイヨシノが多く、地域の皆様に愛されています。
墓地は本堂の東にある小高い丘に広がっています。
そして墓地の上は平坦になっており、観音様をまつる「観音堂」があります。
(眼下に盆地が広がり、徳川軍の見張り場であったという伝承もあります。)
 
この観音堂の中にまつられているのが『甲斐国志』に
「行基作」として紹介されている木造十一面観音立像(市指定文化財)です。
高さ127センチ、肩幅33センチ。この像の伝来等は不明ですが、
古道「中道往還」の要所-右左口宿-にあり、江戸時代には大規模に補修され、
脇侍や台座、光背が施されました。
「災害や流行り病のときは多くの村人が拝んだものだ」とは古老のことば。
このような歴史的背景を総体的に考えても昔からこの観音様にすがり、
力を注いだ地域の住民の「思い」を感じ取ることができます。
(この観音様は秘仏です。)
観音堂の階段下には、甲府市出身の望郷歌人・山崎方代の生家跡が
広場として整備されています。新型コロナウイルス感染症の終息後、
文化と歴史を探訪していただきたい甲府の名所です。
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