3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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CAD/CAMソフトを「解決策」と言い張るその時代遅れ

2008年04月03日 | □CAD/CAMな日々
  
写真の説明… 3D-GAN事務局に、もう一台新しいショーケースが加わりました。
これは、とある3D-GANの会員企業さんが、自社の技術と製品を展示するために置かれるものです。結構本格的。

じゃ、今日の話題。
あーイカン… また憎まれ口を叩く事になるかも知れない…
人によっては、毒舌なんて言うかもね。
 
でも、これを許容できないようじゃ到底マズいよね、という気持ちがどうしても勝る。そもそも「ランチにぴったり、神田の美味しいお店♪」的な毒にも薬にもならん話題は、皆さんも期待しちゃいないだろう。だから書こう。
 
わかった。というか、ずい分前から自覚はあったし、このブログでも折に触れて書いてきたとも思う。CADもCAMもRPもNC加工機もCAEも3Dスキャナも… みんな道具なんだよ。で、道具は道具以上でも以下でもない。道具を愛でるキモチも分からないではないけれど、世間的に見ればそれは、フェティッシュって領域に入るんじゃないだろうか?素晴しい道具は素晴らしいことに異論はないのだけれど、それであっても道具は道具だ。どんなに好きでも、どんなに高価でも、どんだけ難しい技術が使われていても、道具は道具だ、絶対譲るもんか(笑)。
 
この前、当社を訪ねて某米国資本のCAD(まぁ広義にはCADでいいよ)会社の本社の人が来た時に、先様が

“Our solution…”

と、何度も表現するから、

「ハァ???? おぅ!ヨァ トゥール(Your tool)」

と、いう感じの会話をしていた。あ、英語でね。
 
で、頑なに“solution”と表現するから、こちらも頑なに「トゥール」とか「プロダクト」いう表現で会話を続けた(笑)
 
彼とワタシは、全く同じ対象…つまり彼の会社の「ソフトウェア製品」を指して会話しており、その会話も100%噛みあい、成立しているのだけれど、“solution”と「トゥール(tool)」で交わることがなかった。
 
おわかりだろうか?この彼我の意識がどれほど違う場所にあるか?ということが。ワタシは別に彼の会社の製品を貶める気も無いし、むしろその個性的な技術は好きだ。しかし、本当の事を指し示すに適当な語句は、どこまで行っても「tool=道具」だ。もしくは、「あなたの製品」だろう。
 
ワタシ自身も、そして彼も、第三者から見れば滑稽な姿かも知れない。
でも、この「道具って言うなぁ!!!」という不文律?(オーラ?)は、ワタシの慣れ親しんで来た産業において昔から、そして現在も根強くはびこっている。
そして、その意識が表出したものとしての「solution」という修辞をワタシは、絶望的なほどに時代遅れ… だと感じるのだよね。
 
まぁ、この辺りを話すととても長くなるのでやめておく。
ただ、この世に毒舌というものがあるのだとしたら、それは、黒いものを白と言ってはばからない、そういう舌の持ち主を言うのだと、ワタシは信じている。
本当のことを隠し、ちょっと耳ざわりの良い違う言葉で置き換えて平気でいることが、薬になるとはとても思えないからだ。
 
や。少なくとも、だ。同業者なんだから、その辺りの意識はシンクロできないと、とてもじゃないが一緒に仕事をしたいとは思えなくなる。お持ちの技術は素晴らしいのに… 残念だなぁ…
 
彼はこの業界での経験は浅く、他社の製品の名前などについてとても知識が不足していた(Aliasとか、知らなかったんだよね…)。
でも、とおり一辺倒の製品知識に関するトレーニングは積んだか、もしくはコンピュータシステムの販売の経験はあるのだろう。そういう感じだった。

そして彼の会社は、そういう彼を日本市場にあてがうのだな、という事もわかった(笑)日本市場、そんなにイージーじゃないよ(苦笑)。

伝統的に日本側の同業者には、こういった傾向を決して嫌わない人も居ると思う。
なぜなら、自分たちがその製品を深く理解し、上手に使いこなすことで、日本国内に有利に販売して行けるからだ。第一、技術的に秀でている、と思われて頼られるのは、販売代理店として悪い気はしないのだろう。メーカーからも、顧客からも頼られるんだから。
 
でもね… そんなことやってるから、沢山売って行けないのだと思うんだよね…
代理店はいいだろう。で?メーカーさん、それでいいのかぃ?と。 

彼は、アジア系の米国人であった。 
彼はこの先、長くその職にあるだろうか?
米国系企業で長く過ごしたワタシは、そんな事を考えてしまう。
 
 

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1 コメント

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あ、付け足しね (クルスの冒険)
2008-04-06 02:23:08
ドライバーってあるじゃん。ネジまわし。
ドライバーは、ネジが緩まなくて困っている時の、または締められなくて困っている時の「解決策」と言えなくはないけれど、それってどうよ?という話。
確かにドライバーを持っていない人にとっては(そんな人、居ないけどね)まぁ、解決策だろうさ、そりゃ。
 
ドライバーは普及して、山を潰しにくいとか、ラクに握れるとか、貫通しててハンマーで叩けるとか、言ってみれば「微差」を競う商品になってる。そうなると正に「道具」だろう。
 
正にCAD/CAMだってそういう位置にあるじゃん、と。
それを「解決策」と呼ぶのは、それを既に持っていて良く知った人たちから見ると、大袈裟を通り越して何か欺瞞に思えてくる… ということが言いたいのだね。
 
だってさ。ICEMやらAliasという固有名詞もよぅ知らん人に、「わが社の解決策は」とか言われた日にゃ、「おぃおぃ、いつの時代の話だよ?てか、誰に知恵付けられて言わされてんのよ?」と、感じるのが普通ってものだろう。
 
もぅね、がっかりする。

でも皆さんも知った方がいい。
こういう売り子さんは、外国資本のCAD/CAMの世界には今でも結構多いよー。
外国の会社が、我々が思いもつかなかった素敵な製品を作り上げて、売りに来てくれる… という期待感は、一切持たない方がいい…と、ワタシは思うね。
 
あのCAD会社、このCAD会社、そっちのCAD会社…と、いわゆる最高経営責任者と呼ばれる人や、本社でそれなりに責任ある立場の人達と話しましたが、彼らは一様に分かってないからね。それに加えて、お客様である製造業や、モノをつくる行為そのものの事なんて、彼らはちっとも愛してないから。尊敬もしてないから。
 
これホントだよ。
 
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