3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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3Dの新市場(フロンティア)

2010年06月04日 | □CAD/CAMな日々
 
何度でも同じ事を書いておこう。

3Dデータにまつわる市場は、CADにしてもCGにしても成熟し切っていて、
この先目覚ましい成長は見込めない。

それは、日米欧に共通している。
この分野で新興国市場が活発になるにはまだまだ時間がかかり、
第一ワタシは新興国市場と呼ばれる地で暮らす事を望まない。
 
3Dデータにまつわる市場を大きく成長させようとするならば、その対象は
コンシューマ以外に選択肢がない。
 
しかしコンシューマは3Dデータをモデリングすることはない。
安価なモデリングソフトを与える事はこれを解決しない。

使いやすい3Dモデリングソフトを開発すれば… というのもそれを牽引はすまい。
マンガは、最初から今ほど多くの作家が居たわけでなく、まず大量の読者が居たはずだ。
 
3Dデータには道具が不十分なのではなく、「読者」が不十分なのだ。
 
コンシューマは3Dデータが提供されればそれを使って遊び、
それを素材として画像や映像などの創作も行うだろう。
 
ならば。
 
コンシューマに3Dデータを提供し、遊び、創作してもらう環境を作る必要がある。
 
アプリケーションソフトに高額なおカネを払うスタイルは、今もこの先も成立し難い。
特にエンターテイメント分野において、これは確定的だ。
 
しかし音楽・書籍で証明されたように、少額を払ってファイルを購買する文化は根付きつつある。
 
3Dデータはファイルそのものがコンテンツ商品として購入の対象になるべきだ。
つまり、3Dデータは楽曲、3Dモデラーはミュージシャンと対置されるべきだ。
3Dデータの供給者は売れるデータを全力で考え、品揃えすべきだろう。
 
3Dモデラーの存在、3Dモデルファイルの流通環境に加え、
コンシューマが入手した3Dデータで楽しく遊び、創作の素材とする
アプリケーションソフトやサービスは必要だろう。
 
このアプリケーションソフトやサービスは一社が頑張るものでもなく、
開発・販売や、サービスの提供を糧とするディベロッパーと手を携えるべきだろう。
 
ここは、一社がやり過ぎない事が肝要と考える。
 

以上を実現する事で…
 
3Dデータにまつわる市場は、今一度フロンティアを得て市場規模を拡大できるだろう。
 
要するに、世の中にある3Dデータのファイルの数自体が増えさえすれば、
 
自ずと3Dのフロンティアが創造される。
 

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
フロンティア創造の一パターン (takamatu)
2010-06-04 04:36:05
ひょんな事から、素人が3Dプリンターで身の回りのDIYの道具として遊んでみたのですが、blogで公開したところ、結構反応があって面白かったです。
コストさえ下がれば、こんな切り口からサラッと私たちの生活の中に入ってくるパターンを体感した次第です。



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Unknown (電柱小僧)
2010-06-04 09:47:58
>3Dデータにまつわる市場は、CADにしてもCGにしても成熟し切っていて、
「成熟」というより「停滞」?
やれることはまだまだたくさんあると思いますけど(^_^ゝ

>この先目覚ましい成長は見込めない。
これは、市場関係者次第ではないでしょうか?
3D-GANも、市場を成長させる活動をしているのですよね?個人向けにシフトしているかもしれませんけど。
むしろ、日本の金型業界の方が「この先目覚ましい成長は見込めない」状況ですorz

いずれにしても、キラーアプリ、キラーデバイスが望まれますね。
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お返事1 >takamatuさま (クルスの冒険)
2010-06-04 13:35:37
>コストさえ下がれば、こんな切り口からサラッと私たちの生活の中に入ってくるパターン

ワタシも何回か触れて来ましたが…
いわゆる3Dプリンタの出力品質と本体価格は、劇的に向上できると見ていいです。
技術的には、全く問題ないはずです。
  
考えてみれば・・・ インクジェット式プリンタのヘッドが動くために要する
精度・分解能は、3Dプリンタのそれなどとはケタ違いに高いのです。
量販店で売っている数万円のプリンタでさえ、です。
紙のプリンタの精度に比べたら、3Dプリンタの動作などは比べるまでもありません。
(しかも、相当の部品が流用できることでしょう)
 
出力品質については、3D-GANにお越しになった世界的な3Dプリンタメーカー
米国本社の役員さんから
「この値段の機械だと、これくらいの出力品質でいいかな?どう思う?」
と、ワタシ訊かれましたから(笑)
つまり、価格も出力品質もコントロール出来るわけですね。
  
ハードウェアメーカーならば、
「まず高品質を実現しておいて、デチューンを施すことでラインナップを作る」
というのは普通に行われることですから ・・・まぁ、そういうこと、なんでしょう。
普通のことですよね。
  
つまり、技術も価格も今やあまり障害ではない、んですね。
 
では障害になっているのは何かー・・・? と考えるべき時期に来ていると、思います。
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お返事2 >電柱小僧さま (クルスの冒険)
2010-06-04 13:44:55
>やれることはまだまだたくさんあると思いますけど(^_^ゝ

電柱さんのように、CAD/CAMを使いこなした上でシステムの未熟な点を理解され、
機能改善の指摘ができるようなユーザさんは、決して多くは無いですよ。
表計算ソフトと同じように、現状の製品で既に多くのお客様のニーズを
満たしていると見るのが妥当だと思われます。
もちろん、「さらにその先」を提示する事がメーカーのメーカーたる所以であることは、
そのとおりだと思いますが… さて?。。
 
広告を出してもらっているので、なかなかそれを言い難かった
業界紙・誌の記者さんたちも
 
「どうなんですかね…?CAD/CAMって必ず新バージョンの取材に呼ばれるんですが、
進歩って、…してるんですかねぇ?…」
 
と、口にするようになって来ました。
良い傾向だと思います。

>キラーアプリ、キラーデバイス
 
実際には、「何がキラーなのか?」というところが最も重要ですかねぇ。。。
 
CGにしてもCAD/CAMにしても、現在あるお客様、市場というのは
今後もずっと在り続けるでしょう。
ただ、未開拓地(フロンティア)なのか?
と問われれば、そうではないので、
伝統的なお客様のケアと同時に、フロンティアを求める
旅は続けるべきだろう… と、感じます。
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Unknown (takamatu)
2010-06-06 03:53:15
通りすがりの者にコメント有難う御座います。(^^

>では障害になっているのは何かー・・・?

回りの何も知らない人に「これ作るのに材料費がいくらだったら3Dプリンター使う気になる?」
と聞くとゼロが1,2個ずれていました。

趣味や仕事視点の人から見れば十分安くなったのかもしれませんが、それ以外の人からみれば、普及する閾値にはまだ程遠いと感じた次第です。
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なるほどなるほど (クルスの冒険)
2010-06-07 02:00:10
>ゼロが1,2個ずれていました。

3Dデータとその周辺産業というのは、基本が
「高付加価値賞品をB to Bで提供しましょう」
という事で始まり、今まで続いて来ています。
比較的高額の商品をさして多くは無いお客様に買っていただく、
という構造ですね。
 
3Dの新市場(フロンティア)という事で書いていますが、
フロンティアではない、その伝統的な市場は成熟
し切ってしまっておりまして。

じゃあ何がフロンティアなの?
と申しますと、要するに「単価と数量の大変化」
だと、思う訳です。
すごくシンプルに言えば、そうなるかと。
 
数百円~数千円、せいぜい数万円まで…
というレンジの消費を、数十万人、数百万人に
して行く…
ということになるでしょう。
 
数十万人、数百万人が3Dデータファイルを何らかの形で
所有し、扱う…
 
この状況への想像力を持てるかどうか?
でしょうかね。
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