3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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3D CADの市場拡大はワンフェスから…信じなくてもいいけど(笑)

2009年10月15日 | □CAD/CAMな日々
 
皆さまお馴染み
 
ワンダーフェスティバル2010[冬] が、
 
来る2010年2月7日(日)幕張メッセで開催されます。
 
…え?気が早い? …まぁ、そうなんですけどね(笑)
 
でも、思わず気が急いてしまうこちらの事情も分かっていただきたい。
 
「3次元形状を活用する会:3D-GAN」では、
 
ワンダーフェスティバル2010[冬]に
 
合計20卓の規模で参加いたします。
 
20卓というと、大体大きな島ひとつ分です。結構目立つ規模かと。
 
展示は、「3次元形状を活用する会:3D-GAN」会員企業さんを中心に
 
・3Dプリンター(立体プリンター、RP機)
・3Dスキャナー
・3Dモデリングが出来る人たち
・3Dデータから金型などの加工が出来る人たち
・物販
 
など、「3D形状データ と ホビー市場」の新時代を高らかに(?)アピールします。
 
3Dプリンター(立体プリンター、RP機)は、5~6機種を一気にお見せします。
 
ほとんど「プチDMS」になります。
  
「ホビー」という切り口で3Dデータからのモノづくりに取り組んで来た皆さま…
 
お待たせしました!皆さんの時代です。3Dモデリングのスキルがあらためて評価される時です。
 
少しずつ賛同いただける皆さんを増やし続けて来た、その一つの到達点をご覧に入れますよ。
 
一つの到達点ではありますが、まだまだ通過点でもありますね。
 
「…ホビー市場に熱心なの?」
 
「…オモチャ市場がターゲットなの?」
 
とお思いの方。間違いじゃないですが、それは視野が狭いです。
 
ワタシは、今当然のように語られている「市場のセグメント」なんて
 
どーでもいいんです。というか、むしろ邪魔だと思ってます。
 
自動車?家電?産業機械?ホビー?BtoBなの?それともBtoC?
 
うーん… そういう枠組みはあまり関係ないと思いますよ…。
 
従来からある製造業のお客様層は、
 
・3Dプリンター(立体プリンター、RP機)
・3Dスキャナー
・3Dモデリングが出来る人たち
・3Dデータから金型などの加工が出来る人たち

なんて、よーくご存知だ。だって本業ですし、自分がそうなんだから。
  
営業をするにしても商品知識もバッチリで、今さら見せるまでもない事も多い。
 
製造業を対象としたDMSのような展示会は、もはや目新しい展示も無ければ新しい客層も来ない…
 
というのは、全業界的な共通認識でしょう(そう感じていない人は鈍感だと思う)。
 
ひるがえってワンフェスの価値は、一日に4万人の来場者がある、ということと
 
何らかの形でモノをつくる事に興味のある人たちが集まる
 
ということにあります。 

もちろん、来場者の非常に多くは普段は会社にお勤めで技術職も多い。
 
そして、その人たちはこういった機材をあまりご存知ではなく、持っている人も少ない。
 
それだけが理由、と言ってもいい。でも、それが大きい。
 
そのためならば、世界で最高の機会と言ってもいいでしょう。
 
ワタシは、
 
「3Dの形状データからモノが作られている」
 
というその一点を広く世間に知ってもらい、それを一般常識にしたいんですね。
 
ただ、それだけなんです。
 
なぜなら、今そこが引っ掛って3Dデータによるモノづくりは市場を大きく出来ないでいるからです。
 
それには、より人口の多い、今までの顧客層とは違う新しい人たちに
 
私たちの知っていることを広く知らせる必要が、どうしてもあるんです。
 
今、3D CADを中心とする3Dデータによるモノづくり産業は、
 
その市場を拡大出来ていません。今のままでは今後も望み薄でしょう。
 
理由は「ヒト」です。
 
いくら3D CADのソフト会社が
 
「これからは小規模事業者の3D化だ」
 
とか言ってみたところで、せいぜい地方都市で的外れなセミナーをやるくらいが関の山です。
 
大して人も集まらないことでしょう。だって、CADとかCAMには関心ないもん。
 
結局、ソフトウェアを買っていただこう…ということは
 
そのソフトを使える人を増やそう… ということに全てかかってくる話です。
 
小規模事業者というのは、その「ヒト」を育てる余裕が無いものなんですね。
 
そここそが、問題の本質。
 
100万やそこらのソフトを買う事は、小規模事業者にも出来ますよ。
 
でも、ヒトを雇い入れて育てることはその何十倍もコストがかかるものだから。
 
しかも、先行きが見えなければ人を雇い入れることはまずしない。
 
じゃあ仮に、教育を無料にしたら市場は拡大するのか?
 
…それも、望み薄でしょうね。
 
なぜなら、モチベーションがなく、リテラシーが無い人たちに教育するというのは、

絶望的に教育効果が上がらないからです。年齢もあるね。
 
何だかんだ言って、50代の人は新しいソフトは覚えてもらえないです。
 
40代だって、怪しかったりする。どうしたって、20代、30代が中心になる。
 
就業前の若い人たちにモチベーションを与えて、
 
そのモチベーションによって全体的にリテラシーを獲得させる。
 
獲得したリテラシーの上に、初めて教育を行う…
 
そういう土壌を作らないことには、もう大して前進しないとワタシは考えてます。
 
少なくとも、景気の回復によって戻ってくる需要なんかじゃ、全く足りない。
 

…もし過去に「年賀状をPCで作る」というモチベーションも機会も無かったなら…
 
これほど私たち一般のPC操作に対するリテラシーが向上することは無かったでしょう。
 
PCで年賀状を作るということは、PC操作のリテラシーを一般に獲得させました。
 
DTP、ワープロ、表計算(住所録データベース)、画像、印刷…
 
これら一連の操作が、「よーし、パパ家族の写真で年賀状作っちゃうぞ~」
 
というモチベーションによって行われたのです。

ひいては、それが、企業によるPC教育を可能たらしめるリテラシーとなった事に疑う余地はありません。 

今や、新入社員にPC教育、ということを行う企業はほとんどないでしょう。
 
(特定の業務アプリの教育はあっても、PCそのものの教育はない)
 
彼らは、日常や学校生活の中でPC操作のリテラシーを獲得しているからです。
 
何業でもない、就業前のごく一般の若者たちが3D形状データを扱うリテラシーを獲得できなたなら…
 
たったこんな事が一番難しいのだけれど、たったこれだけで現在の閉塞状況に大穴を開けられることでしょう。
 

当然、伝統的な顧客層(製造業)は、今後も変わらず市場として頼りになる
 
ボリュームゾーンであり続けます。それは、今までどおり営業し続ければいいだけです。
 
でも、それだけで十分だ、ということは成長を望まないことと同義だと、思う。
 

いいから、ワタシを信じて(笑)
 
新しい可能性の扉を、開きますから。
 
今日、この時をもって世界は変わった… ということなんか、無い。
 
でも、今のこの思考と行動を継続することが、ジワジワと未来に影響していることを
 
ワタシは信じて疑いません。

来年2月、ワンフェス会場でお会いしましょう。(早いって)
 

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